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ボクはTSお嬢様?  作者: 胡桃
3章 学園中等部3年生編
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修学旅行2日目⑤

「いい香りですわね

 こんな場所にしてはなかなかいい雰囲気の喫茶店ですわ」

ボク達は近くの喫茶店に入っています

美優がアヤさんと連絡を取ってくれているからスグに容体は分かるでしょう


「ヒカル、橋本さんの状態だけど、少し傷跡が残るぐらいで問題は無いそうよ」

「・・・それって、問題あるんじゃないの?」

「大丈夫よ、女の子じゃないんだから、傷の一つや二つ

 それに、ボディーガードなんて職業なんだから、少々の怪我は織り込み済みよ

 あの業界では、主人を庇って付いた傷は勲章みたいなものよ」

「傷を自慢するなんて、ヤクザみたいだね」

「と言うより、原始人に近いのよ」

「知っているのか、美咲(ライ⚪︎ン)?」

「・・・」

「ゴメン美咲、ジト目で見ないで」

「まぁ、美優には後でお仕置きするとして

 人類が農耕を始める前は狩猟や採取で食料を確保していたの

 その頃の雄は沢山の獲物を獲得できるほど優秀で、雌にもモテたでしょうね

 大きな獲物は危険も大きいでしょ?

 当然怪我もするでしょうね

 少々の怪我でもビクともしない頑強な肉体はセックスアピールになるのよ

 今でも、文明と掛け離れた生活を送る部族なんかには、そういった風習が残っている所もあるわ」

「でもさぁ、そもそも怪我をしないように狩りを出来る雄ならもっとモテるんじゃないの?」

「それはそうだけど、大物を狩らないで怪我をしない雄と、怪我をしないように狩りを出来る雄の見分けがつかなかったんでしょうね

 でも、美里にしてはいい質問ね」

「えへへ、なんだか褒められて気分がいいから、ここのコーヒー代は私のオゴリよ」

「あら、そうですの?

 でしたら、クリスタルマウンテンにせずにもっとお手頃な豆にしておけば良かったですわね」

「私はモカですから安心してオゴられますね」

「ありがとー美紀

 美咲も安心のサントスだし・・・ヒカルはちょっと以外かな?」

「え、そう?

 ボクはこのキリマンジャロが好きなんだ

 酸味は強いけどしっかりしたコクがいい感じ」

「鷹峯家では、旦那様の好みでずっとブルーマウンテンだったんだけど

 ヒカルの好みが判ってからは、キリマンジャロも常備されるようになったのよ」

「そういえば、コーヒー豆の銘柄って山系が多いよね?」

「はいはい、私の出番ね

 コーヒー豆は産地の土壌や気候によって味や香りが変わるのよ

 高級品と言われる銘柄は熱帯地方の高地栽培が多いから、気候が適してるんでしょうね」

「へー、キリマンジャロはアフリカのキリマンジャロ山でしょ?

 クリスタルマウンテンとブルーマウンテンはわからないけどね」

「美里、ドヤ顔中に悪いんだけど

 キリマンジャロに山を付けたらダメよ」

「??」

「現地の言葉で、ンジャロは山の事なの

 キリマ山って意味ね

 富士山にあてはめるとマウントフジならいいけど、マウントフジサンだと富士山山になるからおかしいのと同じ事よ」

「・・・赤っ恥?」

「ドヤ顔中じゃ無ければ問題無いわよ

 ドヤ顔するならそのあたりまでしっかりとしなきゃね

 ついでに、クリスタルマウンテンはキューバのシエンフエーゴス州のエスカンプライ山脈ね、水晶の産地だからこの命名ね

 ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテン山脈よ、命名は山の名前通りね」


ハハッ、とんでもない記憶力だね〜

ボクじゃこうはいかないよね

「いらっしゃいませー、三名様でよろしいですか?

 それではこちらにどうぞー」

「ラッキー、窓際の席だよ

 鈴音すずねが今週大吉だったからじゃないの?」


え?

この声って・・・

まさか・・ね


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