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ボクはTSお嬢様?  作者: 胡桃
3章 学園中等部3年生編
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いざ修学旅行⑩

「うへぇ、別館の鳳凰って

 それだけで一つの建物だね」

「ねぇねぇ、こっちには露天風呂が付いてるよ!

 すごいお部屋だね、さすがヒカル用」

「美里、あんまりはしゃがないの」

「あ、うん、ゴメン

 つい浮かれちゃって・・・」

「ボクは大丈夫だよ

 それに美里には悪気が”まったく”無いのは伝わってるからね」

「えへへっ」

「ところでヒカル、この建物って

 宇治の平等院鳳凰堂をモチーフに造られてるみたいね」


話題の切り替えが露骨だけど・・・気持ちは嬉しいな


「美咲って建築物にまで詳しいの?」

「いやいや、十円玉の絵にソックリでしょ?」

「そうだったっけ?

 実物(平等院鳳凰堂)を見たこと無いからわからなかったよ」

「そ、そうなんだ

 実物(十円玉)を見たことが無いなら仕方無いかな・・・

 さて、それじゃあ先に荷物の確認をしちゃいましょう」

「ハイッ班長!」

「ところで班長っていつきめたの?」

「「「今でしょ!」」」

「ハモらない!そして微妙に古いから」

「そういえば決めて無かったような?

 普通に点呼とか報告は美咲がやってたから

 てっきり美咲が班長だと思ってたよ」

「そうですわね、家柄からいえばヒカルさん、成績で決めれば美咲ですもの

 このまま美咲さんで宜しいのではなくって?」

「運動神経の順とか胸の大きさの順とかは?

 ・・・無いか、美里が班長だと何かと不安だもんね」

「そうそう、私だとミスしそうだし・・・って自分で言うのもアレだけどね」

「って、こういった事は修学旅行前に決めるんじゃないのかな?」

「そうよ、普通はね

 でも、班を決めた日ってヒカルは覚えてる?」

「あれ?そういえば・・・決めた記憶がない?

 すごく自然にこの6人で行動してたんだけど・・・」

「他のクラスは知らないけど、3-Aは千秋せんせーが決めたのよ」

「・・・もう突っ込む気力が湧かないよ」

「まぁ、仕方ないわよ

 このメンバーでよかったでしょ?

 それでね、班長は決めずに生徒の自主性に任せるんだって」


まったく・・・もう

とりあえず荷物を確認しないとね

ボクの場合は制服の着替えもUVカット加工だから、取り違えは困るんだよね

よし、ボクの荷物はちゃんとある


「それじゃあ私がお茶を淹れますから、少し休憩しましょう」

「え?美紀が?苦くない?」

「大丈夫です、お抹茶ではありませんから

 それに、お茶受けに甘い物もありますからね」

「なんだろうコレかな?

 三角で、中に入ってる黒いのは餡子(あんこ)?」

「美里、それは生八つ橋っていうお菓子だよ

 京都の定番のお土産かな?

 ボクは好みじゃないけどね」

「ヒカル、好き嫌い言ってたら大きくなれないわよ?」


クッ、正論だから反論できないや

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