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ボクはTSお嬢様?  作者: 胡桃
3章 学園中等部3年生編
204/273

GWを楽しみましょう③

「ねえ、美優、ここ・・・なの?」

「ええ、そうみたいね」


門には表札ではなくて看板が掛かっていました


児童養護施設

 光の丘


「・・・」

「どうやら隣の教会が運営してるみたいね」

「と、とりあえず・・・入ってみる?」

「わかったわ

 すいません、どなたかいらっしゃいませんか?」


美優の声に対応してくれたのは修道服に身を包んだ高齢の女性でした

「ようこそ光の丘へ

 本日はどのようなご用件でしょうか?」

「鷹峯女学園中等部3年A組の鷹峯 光と佐藤 美優です」

「あら、という事は美咲ちゃんのクラスメイトですね

 いつも美咲がお世話になっております

 ・・・残念なんだけど、今日はアルバイトに行ってるからお留守なのよ」

「え?美咲ってアルバイトしてるの?・・・じゃなかった、してるんですか?」

「ええ、そんな事しなくてもいいって言っても聞かないんですよ

 しかも、アルバイト代の半分は施設の運営費に使えって・・・

 残りはお小遣いって言いつつ、子供達にお菓子を買ってきて・・・

 先日なんて、余り物を貰ったらしく、とても高価なお菓子をいただいて来てくれました」

「そうですか・・・

 あの、美咲が帰ってきたら、コレを渡して貰えますか?」

「これは、お洋服ですか?」

「そうです、ボクのお誕生日会の時に、美咲だけ学校の制服だったんです

 それで、美咲の誕生日プレゼントにドレスを贈ろうと思って」

「そうですか、わかりました、確かにお預かりいたします

 ところで、美咲ちゃんの身の上の事は、本人からお聞きになりましたか?」

「いえ、サプライズプレゼントのつもりだったので、住所を調べて持って来たんです」

「そうですか、でしたらこのドレスは宅配で送っていただいた事にしましょう

 お二人も、光の丘の事は知らないフリをしていただけませんか?

 美咲ちゃんが自分から打ち明けるまでで構いません」

「はい、ボクもこんな形で知るより、美咲から直接聞きたいですから・・・」

「ありがとうございます、こういう施設の子供達にはよくある事なんです

 自分から打ち明ける事が出来て初めて卒業資格取得といったところでしょうか

 そうだわ、せっかく来ていただいたのですから、施設の様子をご覧になってはいかが?」

「え?ご迷惑じゃないんですか?」

「迷惑だなんて、とんでもない

 美咲ちゃんが育った環境を見てあげて下さい」

「ヒカルは将来、こういったところの慰問もしなくちゃいけないから練習させて貰えばいいわよ」

「そ、そうかな?

 それじゃあお言葉に甘えて、お世話になります」


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