ヒカルのお誕生日⑤
「ウホッ」
「だから、そのセリフ辞めなさいって
呼び方を美里からゴリに変えるわよ」
「ゴメン、でもあまりにも美味しいからつい
心の底から漏れるのよねー
美咲だって鼻息が・・・」
「え?ウソー」
「嘘だよ」
「・・・美里には夏休みの宿題を見せてあげないことにしました」
「ウッ、だ、だいじょぶだもん
私には、美優も美紀もいるから・・・」
「私のはヒカルにしか見せないからね」
「宿題は自分でやらないと意味ありませんから、ダメですよ」
「ハウッ、助けて清香ちゃん」
「美紀さんの意見に賛同致しますわ」
「ウグッ、ヒカルは・・・無理か」
「失礼なっ、ボクだって英語なら得意なんだからね」
「ふふふっ
それにしてもヒカルのお誕生日なのにこんなに豪華な料理で・・・なんだか悪いよね」
「気にしないで、ボクの誕生日をお祝いしに来てくれてるんだから
お・も・て・な・し、ぐらいはしないとね」
「くっ、強烈ですわ」
「そうですね、ヒカルがやると斜め45度じゃなくても・・・すいません、帯を緩めてきていいですか?」
「大丈夫、美紀?
和服はたくさん食べるとキツイもんね
ボクはドレスでよかったよ」
「そういえば、ヒカルさんのドレスは子供仕様ですわね?」
「へ?そうなの?」
「ええ、デコルテを完全に隠しておりますでしょう?
これは主に小学生くらいの女の子が着るドレスに多用されるデザインですわね」
「大きくなると私や清香ちゃんのように胸元を強調するようなデザインになっていくわね」
「・・・ボクはまだ子供扱いなのかなぁ?」
「気にしちゃだめよ、似合ってるからいいじゃない
私なんてドレスを持ってないからフォーマルな場所はすべて制服なんだから」
「美咲、ゴメン、ボク・・・うかれちゃって
おしゃれしたくても出来ない人の事を考えてなかったよ」
「な~にしみったれてんのよ、ヒカルらしくないわよ
私のような庶民にはこのお料理だけでも、とんでもないレベルなんだからね」
「・・・次は美咲の誕生日だったよね?
ユキさん、美咲の誕生日にドレスをプレゼントする事にしたから手配をお願い
あと、ついでにボクにも大人っぽいデザインのドレスを・・・」
「はい、畏まりました
ただ、お嬢様は胸の発育が少々遅れていらっしゃるので、同じようなデザインは難しいですが、よろしいでしょうか?」
「ウ、うん、仕方ないネ」
「ヒカル、私の誕生日は修学旅行と被ってるから無理だよ」
「それじゃあ、修学旅行の夜に抜け出してパーティーする?」
「ダメよ美里、ヒカルは目立つんだから、スグにばれちゃうわね」
「でも、美紀のお誕生日にドレスを着れるようにしておかないとね
って事でユキさん、美咲と細かい所を詰めておいてね」
美咲にもおしゃれくらい楽しんでもらわないとね




