ヒカルのお誕生日④
長らくお待たせいたしましたm(_ _)m
「ウホッ!すっごく美味しそう!!」
「美里さん、お気持ちは理解できますが・・・はしたないですわ」
「だって、鷹峯家のシェフと言えば、伝説の春日シェフだよ!
そのお料理を食べられるんだからテンションが上がるのはしょうがないでしょ?
あ、もちろん朝は抜いて来たからねっ!」
「え?”春日”シェフって、どういう事?」
「何言ってるのよ、ヒカル
春日シェフと言えば、十数年前、若干28歳の若さで哲人を破った、伝説のシェフよ
もしかして、知らなかったの?」
「去年の体育祭の時に連れてきていたシェフでしょ?
チラ見したけど、そんなに凄いシェフだったのね
私は庶民だから、こういったチャンスが無いと、縁が無いからね」
「美咲は仕方ないとしても、春日シェフのお料理を当然のように・・・」
「チョットお待ちになって、ヒカルさんが反応したのは・・・名前の方ではなくって?」
「う、うん
ボクの専属のメイドのユキさんと、寮でのメイド見習いの六花ちゃんは”春日”っていうんだ」
「ヒカル、今さらなんだけど、春日シェフの奥さんがユキさんで長女が六花よ」
「美優・・・誰も教えてくれなかったような気がするんだけどボクの気のせいかな?」
「鷹峯家では誰でも知ってる事だから、みんな知ってて当然って感じになってたのかもしれない」
「そうですわね、鳥羽家の使っている興信所でもわかるくらいですもの」
「興信所って探偵?」
「ええ、私はヒカルさんと同室になりましたでしょう?
そこへ、メイドとして立ち入る六花さんの事を調べさせて頂きました」
「さすがね、鳥羽家の防犯意識も中々のモノね」
「あら、美優さんにお褒め頂くなんて光栄ですわ
ヒカルさんの事はガードが堅すぎて何一つ調べられなかったのですが、六花さんや雪さんの事は簡単に調べがつきましたの」
「まぁ、その事についてはヒカルが自分でユキさんに聞いてもらうとして
ヒカルの誕生パーティーを始めましょう」
美優の台詞が終わると同時にユキさんがワゴンを押して入って来ました
「あれ?こういった時はベルを鳴らしたら入って来るんじゃないの?」
「美里はドラマの見過ぎだよ
ボクはそんなの使った事無いよ」
「一流のメイドは呼ばれるタイミングを見計らって近づきますわ
わざわざ呼ばれるまで待っているのでは二流
一度も使った事が無いという事は、全てのメイドが一流という事ですわね、さすがです」
「お褒めに預かり光栄です
お嬢様、バースデーケーキでございます」
「フーーーーーッ」
「「「「誕生日おめでとうー!」」」」
「みんな、ありがとう」
「誕生日プレゼントは、みんなで協力して作った手作りよ、開けてみて」
「可愛いブローチだね
みんなありがとう、大事にするね」
「高級品は見飽きてるだろうから、素朴な手作りがいいかなと思って」
「さすが美咲、ボクすごく嬉しいよ」
あれ?おかしいな
アクセサリーを貰って喜んでる?
いやいや、種類じゃなくてプレゼント自体が嬉しいんだよね・・・きっと




