専属メイド(見習い)
「本日の茶葉はヌワラエリヤでございます」
「しっかりとした味わいと爽やかな香りがきちんと出ていますわ
さすがは鷹峯家のメイド、まだお若いのに素晴らしいですわ」
「恐れ入ります」
「いや、ちょっと待ってよ
二人とも、普通に会話してるけどココは寮だよ?
部屋でお茶していいの?」
「お嬢様、ご安心下さい
お湯は電気ケトルでご用意させて頂いております
火は使っておりませんので失火の心配はございません」
「そう、それなら・・・って、話がズレてた
六花ちゃん、どうしてナチュラルにボクと清香ちゃんの部屋にいるの?」
「お嬢様専属のメイド見習いですから当然です
常にお側に控え、決っして出しゃばらず、お嬢様の身の周りのお世話をするのが私の役目です」
「・・・自分の事は自分でやらせてって言っても、ムリだよね?」
「お嬢様のお手を煩わせるなんて、トンデモない
そんな事をしたら母に折檻されてしまいます
はっ!もしかして、お嬢様は私が虐待される所を見て愉しむ性癖が・・・」
「いや、さすがにそれは無い
美優ならあるかもしれないけど、少なくともボクには無いから」
「美優さん・・・やっぱり、そういう方でしたのね
隙を見せないように気をつけないといけませんわね」
「清香ちゃん・・・それよりも、自分の部屋にメイドが入り込んで気にならないの?」
「え?どうしてですの?
学校の寮にまでメイドを配置するのは、さすが鷹峯家だとは思いますけれど、部屋にメイドが控えるのは当然の事ですわ」
あぁ、そうか、清香ちゃんもお嬢様だったっけ
「それにしても、わざわざ鷹峯家のメイド服を六花ちゃんのサイズで作ったんだね」
「はい、やはり身だしなみはキチンと整えないと
それに、この服を着る事が出来て嬉しいんです
やはり、小さい頃からの憧れですから
子供心に母の姿がカッコよくて・・・」
「あれ?よく見たら、普通のより少しスカートが短い?」
「そうです、基本のデザインは同じですが、私の体格に合わせて短めのスカートになっています
可愛いくって、お気に入りなんです
あっ!気に入っております
すいません、言葉遣いがまだ慣れなくって、じゃないや、申し訳ございませんだった」
「それはいいよ、御屋敷じゃないからね」
「そうですわ、私も学園内ではヒカル”さん”ですもの
もちろん外ではしっかりとヒカル”様”とお呼びいたしますわ」
「外でも一緒でいいのに・・・」
「そうはまいりません、ケジメはシッカリと
ね?」
ふぅ、おじいちゃんも、吉村さんも、ユキさんも・・・過保護過ぎるんだよね
春休みにヒカルが変装に使ったメイド服は
ユキさんが六花ちゃん用に用意してあった物を流用しました




