調理実習④
「さて、あとは肉じゃがに味が染み込むのを待つだけね」
「ゴメンね、ボクが足を引っ張ってばかりで
・・・あれ?なんだか焦げ臭い?」
「あっ!!」
???
「大変!!肉じゃがのお鍋から煙が出てる!」
「私とした事が、ふえるワカメに気を取られて、弱火にするのを忘れておりました
申し訳ありません」
「清香ちゃん、気にしないで
そもそもボクが失敗したせいなんだから
悪いのはボクだよ」
「大丈夫、ご飯とお味噌汁とサラダがあるから・・・なんとかなるでしょ?」
「美里・・・ムリしないで
足りないでしょ?
みんなに少しづつ分けて貰おうよ
ボクがみんなにお願いして来るから・・・」
「私ってそんなに大食いキャラ?」
「ウン」
「そうですわ」
「・・・とりあえず先に生き残ったお料理を盛り付けしようか?」
なんだろう?この物体は・・・
「ねぇ、清香ちゃん、これ、炊飯器だよね?」
「えぇ、間違いありませんわ」
「じゃあ、炊飯器の中に入ってるコレはいったい・・・」
「私、先生に聞いてくるね」
「あらあら、これは・・・水が少なかったみたいね
お米はどれくらい入れましたか?」
「えーと、お茶碗に4杯分です」
「それじゃあ、お水は?」
「ちゃんと、お釜の内側にあった4の線まで入れたんですけど」
「あなた達のミスは、お米の量を間違えた事です
お米は、お茶碗で量らずに計量カップで量るんです
女の子3人なら1合半ぐらいかしら
よく食べる子がいても2合ね」
守口先生、今、美里をチラ見しましたね
女の子になってから、こういったチラ見がよく分かるよ、エロ目線だけじゃないんだね
「お茶碗に4杯だと、だいたい6〜8合になっちゃうわね
それにお水が4合分だから・・・こうなっちゃうわけ
お味噌汁の方はどうかしら?」
先生は小皿にスプーン一杯ほどのお味噌汁を摂り、味見をしました
って、味見はあんなに少なくてわかるんだね
でも、各班のお料理を全部味見してたら、結構な量になっちゃうから、少量なのは必然かもね
やっぱり先生の体型は職業病だと思う
「コレは、お出汁が効いていませんね
お味噌の味だけなので味が薄っぺらいんです
お味噌を入れてから煮立ち過ぎて、せっかくの香りが飛んでしまいましたね
お味噌は味を染み込ませる為と、香りを残す為に2回に分けて入れるといいですよ」
うっ、ご飯もお味噌汁も肉じゃがも失敗・・・
ボク達の班は海藻サラダだけ?
強制ダイエットだね
他の班に少しづつ貰う作戦を決行するしかないかな
「ヒカル、どうでした?」
「美紀、ご覧の通り、サラダしか無いんだ」
「大丈夫よ、こんな事もあろうかと、6人分用意してありますから
・・・何コレ、ゾクゾク来ますね
美優が病みつきになるのもわかります」
「あー〜!酷いよ、美紀、私の台詞を取らないでよね」
美優・美紀・美咲班のお料理は絶品でした
先生が言うには、今すぐお嫁に行けるそうです
ボクはまだまだ修行が必要だね
まぁ、美優が居るから無理してお料理しなくてもいいんだけどね
同じ失敗を繰り返さなければ、いつかは美味しいお料理になるハズだもんね
美里「やっぱり私は食べる専門だね」
清香「クッ!覚えてらっしゃい
次こそ、リベンジしてみせますわ」




