女子校なのにバレンタインデー?⑧
「ヒカルさん、おまたせいたしました
さあ、皆さんもどうぞ」
「こっ、これは・・・タワー?
でも、この匂いはチョコレートだよね」
「はい、このスイッチを押していただけますか?」
「ヒカル、スイッチを押す時のかけ声は"ポチッとな"だよ」
「いや、美優、そのネタは古すぎるって
アラフォーか?って思われるよ」
「そうでもないわよ、リメイクされたからね」
「山崎さんから小学生まで通用するネタか・・・美優、恐るべし」
「ちょっと、ダメよヒカル、山崎さんは年齢不詳なんだから
聞かれたら怖ろしい事になるわよ」
「あ!うん、気を付けるね
それじゃあ押すよ?
ぽ、ポチッとな」
「結局やってくれるんだったら最初から素直にやればいいのに」
「違う!違うよ美里、あのツンがあってこそその後のデレが映えるんだよ!」
「はいはい美里も美優も持論は後回しにしましょう
動き出しましたね、チョコレートファウンテンですね」
「壮観だね、チョコレートが滝みたいに流れて・・・
豪華なバレンタインチョコレートだね」
「そうね、ヒカルよりお嬢様っぽいわね
ところでみんな食べ方わかる?」
「「美咲せんせ~おねがいします」」
「はいはい、この専用フォークで、好きな具を突き刺して
チョコレートの滝にくぐらせて食べるのよ」
「さあ、みなさん召し上がれ」
「「「いただきま~す」」」
「おいし~」
「ボクはコレで・・・チョコバナナだ~」
「これは贅沢な食べ方ですね」
「美紀さん、それほどでもございませんわ
使っているチョコレートも国産品ですし、機械もそれほど高価ではありません
本当は本場ベルギーのチョコレートが使えればよかったのですが、今年は高級品が出回っておりません
どこかで、一括で買占めされたようですわ
私の手配が遅かったせいですわね、申し訳ありません」
「・・・き、気にしなくてもいいよ、ボクは満足してるよ」
「いえ、そうではなくて、国産品は無駄に甘すぎてカロリーが高すぎるんですの」
「・・・わ、私はこれぐらいで止めておくわ」
「え?どうして、美味しいのに・・・もっと食べたらいいじゃない、ね?美紀」
「ヒカル・・・世の中には食べたら食べただけ太る人種もいるのよ
そっとしておいてあげるのが正解よ」
「え、あ・・・うん、わかったよ美優
そうだ、ハイコレ、美紀の分
コレが美里でコレが美咲ね
ボクと美優の手作りだよ
無理に今日食べなくても明日でもいいからね」
「ありがとう、ヒカル、美優」
「それじゃあそろそろ片づけてお部屋に戻りましょうか?」
「片付けの心配はございませんわ
ちゃんと業者を手配してありますのでそのままで結構です」
手際がいいよね
清香ちゃんのお家の執事さんもなかなか優秀みたいだね




