女子校なのにバレンタインデー?⑤
「姫~これが私からよ
クッキーをチョコレートでコーティングしてみました~
もちろん手作りよ」
「さすがですね~大江先輩に比べたらヘタクソですけど
ボクと美優で協力して作ったんです
よかったら食べてみて下さいね」
「もちろん
あ、そうそう、コレが仁美から預かったチョコよ」
「あれ、仁美先輩は居ないんですか?」
「ああ、あの子はね・・・
今日は本命チョコを持って告りに行ってるんだ」
「え~ホントですか~、相手は誰ですか?」
「超イケメンって事だけ教えてあげるけどね
後は本人から聞きなさい」
「そうですね、プライバシーも尊重しないとね」
「仁美のプライバシー?・・・
親友より男を取るヤツだからバラしちゃおうかな?」
「いや、それはマズイですよ
でも、うまく行くといいですね」
「うん、そうね」
「あ、美優、一応いつものセリフ言っとく?」
「リア充爆発しろ・・・お約束だからね」
「え~と、沙月お姉さまは寮で渡すから、あとは小梅先輩だけかな?」
「そうね、高等部はそれで終わりね
小梅前部長は今日は試験なので、もう終わってこちらに向かっているハズなんだけど・・・」
「えっ?今日入試だったの?」
「え~と、入試じゃないんだけど・・・サプライズにしておこうかな?」
「サプライズって、う~ん何だろう?」
「そうだ、校門までいって待ち構えようか?」
「そうだね・・・あ!」
「どうしたのヒカル?」
「校門と言えば、守衛室、守衛室と言えばアヤさん!」
「はいはい、大丈夫、ちゃんとアヤさんの分のチョコレートもあるからね」
「アヤさーん、コレ、ボクと美優の手作りチョコレートだよ~
よかったら食べてね
あ、他のみなさんの分もあります、どうぞ」
「ありがとう、ヒカル・・・
ヒカルが私の為に、手作りのチョコレート
ウヲーーーーーー!!
これは家宝にしなければ
真空パックにすれば長持ちするよね
ああ、でもヒカルの手作りのチョコだから食べてみたいし・・・
そうだ!他の人の分を食べて、コレを保存用にすればいいんだ
食用と保存用・・・あぁ観賞用にもう一つ必要ね
ということは、観賞用を入手する為に緊急ミッションが必要ね・・・」
「アヤさん・・・今日も全開で漏れてますね」
ボクのつぶやきに美優だけじゃなくて守衛さん達も一斉に頷いて・・・
アヤさん、ボクが居ない所でもダダ漏れみたいですね~
ブーーーー
「アヤさん、この音は何?」
「これは、正門に車両が来てるっていう合図よ
人の場合は”ぴんぽーん”って鳴るの」
「へぇそうなんですか、あ、ひょっとして小梅先輩が戻ってきたのかも
でもタクシーなら正門の前で降りるからぴんぽーんか・・・」
「とりあえず守衛さんが対応に出てるから大丈夫だけど、見に行こうか?」
「???・・・う、うん」
おかしいな、普段の美優なら見に行こうなんて考えないハズなのに・・・




