転校生①
「ヒカルさん?
やっぱり、ヒカルさんね!
この学校でしたのね
またお会い出来て嬉しいですわ」
え!?
話かけて来た黒髪ドリr・・・ゲフンゲフン、縦ロールの美人さんは確かにボクの記憶にありました
「え・・・清香ちゃん?」
「ええ、私、今日からこの学園に転校して参りましたの
知り合いが同じクラスだと心強いですわ
寮は人数の都合で3学期だけ薔薇寮で4月からは百合寮に変わるそうですの
ヒカルさんはどちらの寮かしら?」
「ボクは百合寮だから4月から寮も一緒だね」
「まぁ、それはなによりですわ、これからよろしくお願いしますね」
「うん、こちらこそよろしくね
そうだ、ボクの仲のいい友達を紹介するね
この無駄に背が高いのが土山 美里ちゃん」
「バレーボールをやってます、ヨロシク」
「こちらこそよろしくお願いします」
「その隣が根本 美咲ちゃん、学年No1の頭脳の持ち主だよ」
「ヒカル、それは言わなくていいの・・・よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「続いて、この子は佐藤 美優」
「よろしく~」
「よろしくお願いします」
「最後は・・・」
「いえ、彼女は知り合いですので大丈夫ですわ
3日ぶりかしら、美紀さん」
「そうですね、お茶の先生の御年始でお会いしましたので」
「え?って事はさっき言ってた知り合いって清香ちゃんだったの?」
「ええ、そうです、私からすればヒカルも知り合いだった方がビックリですね」
「うん、ちょっとね・・・
それより、清香ちゃん、お父さんの方針で義務教育は公立じゃなかったの?」
「ええ、父も私もその予定でしたの
それが、祖父の命令でこちらに通う事になってしまって・・・」
「そうなんだ、大変だね
お父さんもおじいちゃんには逆らえないんだ?」
「私、良家の生まれというのはお話したと思いますが、当主はおじい様ですの
おじい様はよほどの事が無い限り父の教育方針に口を出す事は無かったのですが
その、よほどの事が起こってしまいましたの」
「よほどの事?」
「同じクラスですので言ってしまってもいいかしら・・・
私、このたび旧宮家の姫君のご学友候補に選ばれましたの
これは堂上家の子女としては大変光栄な事ですわ
あ、堂上家というのは旧華族のうち、公家出身の家全体を指します
そこで、姫君の通うこの学園に転校する事になりました」
「・・・」
「ヒカルさんが同じクラスで幸いでしたわ
このクラスに鷹峯宮家の姫君がいらっしゃるそうですので
ぜひご紹介していただきたいの」
「え~清香さん、いいかしら?」
「どうぞ、美紀さん」
「その姫君の名前って聞いてます?」
「いえ、鷹峯宮家の姫君としか・・・
私が直接お会いした時に伺います
お名前を教えて頂く所から、お友達作戦が始まりますから」
「え~と、その作戦は無駄になっちゃったかな
・・・改めまして、鷹峯 光 です」




