甘いモノは正義です
「うふふ、幸せ~」
「いやいや、美味しそうに食べてるヒカルを見る方が幸せになれるよね」
「そうですよね、美里はたま~~に、いい事言いますね」
「たま~~にっていうのが余計だけど、まぁいいや」
「ところでみなさん冬休みの予定はどうですか?」
「どうって言っても、私は基本的にバレー部の練習があるけど
さすがに大晦日から3日はお休みだよ」
「ボクは23日と元旦は予定が入ってるけど、後は大丈夫かな」
「私は年内は無理かな?年明けならフリーだけど
美優は聞くまでもないけど、美紀自身はどうなの?」
「私はお正月は家業の手伝いをしないといけないんです」
「手伝いって?」
「着付けですよ
売った着物のアフターサービスですね
人手が足りないので駆り出されるんですよ
成人式の日もそれで潰れますね」
「じゃあ、ひょっとしてウチに来るの?
だったらボクと明けましておめでとうございますが出来るね」
「あー、残念ながら、ヒカルじゃ無いんですよね
ヒカルや元華族のお嬢様クラスだと、メイドさんが着付けするでしょ?
私がこの前に着付けしたのは、寮だから専属のメイドさん、ユキさんだったっけ?
あの人が入れなかったから私に回ってきたのよ
私が駆り出されるのは、もう少し中途半端なお嬢様ね」
「そうか~、そりゃあそうだよね
ユキさんのお仕事を取るワケにはいかないか
って事は、学園内で着物を着る機会を作れば、美紀に着付けして貰えるんだ」
「そう言う問題じゃ無いでしょ
そもそも美紀は、冬休みに初詣でとかのイベントで、みんなが集まれる日を知りたかったんでしょ?」
「あー、はい、美咲の言う通りなんですけど、スケジュールが上手く噛み合いませんね」
「それは仕方ないでしょ?それぞれ都合があるんだし
三学期が始まったら、イヤでも顔を合わせるんだから、ね?
気にしないで、まぁ、甘いモノでも・・・」
「って事で、すいませーん
追加お願いしまーす」
「ちょっと~、美里と違ってボク達はそんなに食べたら晩御飯が食べられなくなっちゃうよ」
「何言ってるのよ、これくらいで・・・
甘いモノは別腹って言うでしょ?
そもそもヒカルはもっと食べないといけないよ
しっかり食べて、しっかり運動すればちゃんと成長するわよ」
「「「「じー」」」」
「そこで胸を見ない!!
身長よ、身長!!」
「なんだ、びっくりしたよね」
「うん、うん、美里は嘘はつかないもんね」
「信用してくれて有り難う」
あれ?コメカミがヒクヒクしてるなあ
イライラには、甘いモノだよね




