おじいちゃんとデートなのです⑨
ふぅ、どうやら今日は予約投稿に成功したようだ
「ごちそうさま~
おいしかったね、おじいちゃん」
「そうだな、ヒカルに注いでもらった酒は格別だ」
「旦那様、そろそろお嬢様を寮に」
「ん?もうそんな時間か?」
「間もなく期末試験が始まりますので、お嬢様には試験勉強をしていただきませんと・・・」
「正明は美優が優秀だから心配はいらないだろうが
ヒカルは丸2年の遅れがあるからな、成績表を見るのが心苦しいんだ」
「お嬢様の成績に関しては、多少は仕方ありません、高等部卒業までに追いつければ良しとしませんと
美優は、まぁ上には上が居ります」
「上といっても1人だろう?確か特待生の娘だったな?
あの子は特別だから仕方ないだろう」
ん?特待生??
美咲って特待生だったのか
高等部ならよくあるんだろうけど、義務教育の中等部で特待生ってスゴイんだね
特待生らしい成績なのは確かだけどね
「そうだ、ヒカル
来月の23日は空けておくように」
「うん、わかった、確か祝日だったよね、また何処かにお出かけ?」
「23日は天皇陛下のお誕生日だ、皇居に参内するからそのつもりでいなさい」
「ねぇ、おじいちゃん、その~ボクの体の事は・・・」
「あぁ、その事なら陛下にはすべて包み隠さず話してある
陛下は自分の心の内に留めておくと仰ってな
皇后陛下にも皇太子殿下にも一切知らせていらっしゃらないそうだ」
「そうなんだ・・・うん、わかった、ボク頑張るからね」
「元旦も朝から新年祝賀の為に皇居に行ってもらわなければならん
その他の日は好きにしてかまわんが、3つだけ約束してほしい」
「3つって?」
「出かける時は護衛を連れていく事
居場所を把握出来るようにしておく事
堂々と自分の名前を名乗れないような行いをしない事
この3つだ」
「え~と・・・?」
「(ヒカル、出かける時はアヤさんが着いてくる、行き先を知らせる、悪い事はしちゃダメって事よ)」
「はい、わかりました、約束します」
「うんうん、いい子だ
さて、それでは帰ろうか?」
「はい」
「女将、世話になったな」
「本日はありがとうございました、またのお越しをお待ちしております」
「ありがとう、美味しかったです」
「お嬢様、お褒めに預かり光栄でございます
娘共々今後ともよしなに」
「娘って・・・大江先輩?ですよね」
「はい、英会話部でご一緒させていただいております
雪のように真っ白で、綺麗なお人形さんみたいな姫君だと
実際にお目にかかると、娘の興奮がわかります
昨日も電話で
「部室で姫様にお出しするお茶もお菓子も、相応の物を用意しなければならないから
部費の臨時徴収があったからお小遣い増やして」
と、連絡があったばかりでございます」
「へ?」
「?」
「・・・美優、臨時徴収なんてあったの?」
「部室でのお茶やお菓子は千秋先生のポケットマネーの名目で購入してるよ
実際は学園長先生を通して鷹峯家から出てるんだけど」
「・・・お嬢様、ウチの縁が大変失礼な事をしでかしまして誠に申し訳ございません」
「あ、イヤ、そんなに気にしてないから、まぁ穏便に・・・ね?」
「はい、ご厚情に感謝いたします、罰として冬休みに塾にでも放り込んでおきます
もちろん、バレた原因がお嬢様だとは口外いたしませんのでご安心下さい」
大江先輩・・・安らかに眠ってくれぃ




