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背中合わせの恋   作者: 藤乃 澄乃
第2章 たそがれどき
13/17

再会

あれから3ヶ月。

久々の……。

 今日は久し振りにたっくんに会える。彼が引っ越して3ヶ月、こんなに長い間、顔を見ないなんてはじめて。相変わらずスマホでの読書デートはしているけれど、やっぱり同じ空間で、同じ空気を吸って、同じ時間ときを過ごすのとは少し違う。


 たっくんはバイトを頑張って、あと貯金もはたいて念願のバイクを買ったみたい。免許も取って大はしゃぎしてたな。でも私はちょっと心配。安全運転してほしい。


 いつもの『見晴らしの丘』で待ち合わせして、背中合わせの読書デート。今からワクワクしている。

 まず出発前にたっくんから電話がかかってくる。それから同時に家を出て、私が先に『見晴らしの丘』で待ってる……。

 なんか、今から緊張してきた。

 

 何を着ていこうか散々迷ったあげく、襟元にレースがあしらわれた白の長袖ブラウスに、エンジに軽く白を混ぜたような色合いの、そう小豆にホイップクリームを少し混ぜたような色味で、膝まであるフレアスカート。

 初秋に相応しい色合いにまとまったんじゃないかな、と自分では案外気に入っている。

 少し大人っぽい服装に、たっくんはなんて言ってくれるかな。




 妙にそわそわしながら、部屋の中を行ったり来たりしている自分に気づき、ちょっとだけ笑っちゃった。


 そんなことをしていると、お待ちかねの着信音が鳴る。

 急いでスマホを手に取った。


「もしもし、たっくん?」

『ああ、彩葉いろは。今からそっちに向かうよ。急いで行くから『見晴らしの丘』で待っててくれ。早く会いたいよ』

「たっくん、私も早く会いたい……。でも、急がなくてもいいよ。時間はいっぱいあるんだから」

『解ってるよ。安全運転でゆっくり向かうよ。彩葉、大好きだ。いつもお前のこと想ってる』

「私もたっくんが大好き。運転気をつけて。私、ずっと待ってるから」

『うん。じゃあ、また後でな』

「じゃあ、また後でね」



 電話を切ると、ひとつ大きく深呼吸をする。

 もうすぐ会える。やっと会える。

 

 逸る気持ちを抑えつつ、身支度を整える。

 ゆっくり、ゆっくり。


 そうして20分は経っただろうか。

 お気に入りの本を持って、たっくんと会えるまでのドキドキ感を楽しむように、ゆっくりと時間をかけて『見晴らしの丘』まで歩いた。

 見慣れた風景もすっかり秋の装いに変わり、少しもの悲しくも感じたが、恋する乙女には、それさえもロマンティックに思えた。


 さあ、『見晴らしの丘』に着いた。辺りを見渡し、大きく深呼吸をする。でも、ドキドキが収まらない。それが、坂道を上ってきたせいなのか、愛しい人との対面を間近に控えているせいなのか。



お読み下さりありがとうございました。


次話「静かな時間」もよろしくお願いします!

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