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 絢爛は元々男子には人気が無いから、性格も良い男子も集まらなかったのか? ……いや、でもこんなに居るんだから何人かは居るだろう。とりあえず聞いてみるか。


「いままでの男子で女子に優しい人は居なかったんですか?」


 俺は会長に質問してみた。俺の質問を聞いて会長はクスクスと笑いながら答えてくれる。


「いや、いたよ。今だって数は少ないけどそう言う男子はこの高校にもいる」


 あっ、やっぱり居るんだ、良かった……。その人達はどうして居るんだろう?


「その人達は部活はどうして居るんですか?」

「簡単だよ、単純に部活動をしていない」


 おう! なるほど……、もともと男子は少なく入りづらい、つまり部活に入る男子自体少ない、そしてその中にわずかに居る性格の良い男子は居ない、とそう言う訳か……。


「実際に以前あったんだ、優しい男子が、……アレは何だったかな、確か文化系の部活だったと思うが、人数も少ない弱小の部活だったんだが、その子が入部したんだ」


 ほう……、興味深い……。


「それでどうなったんです?」

「その子が入部したことが知れ渡ると、途端に入部希望者が殺到したんだ、一応正式な届けを踏んでいるから断る訳にもいかず、全員の入部を認めたんだが、その子達は部の活動そっちのけでその男子に群がってしまい、結局その男子は満足に部活動をする事が出来ずに部を辞めたんだ。そして男子がいなくなって、その男子目当ての女子達も辞めていき、結局その部はしっちゃかめっちゃか荒らされただけで終わったんだ……」


 散々な話だな……、特に真面目に部活をしていた人に取っては災難以外言う言葉が見つからない。


「そして、さらに……」


 まだあるのかよ!


「優しかったその男子は、その事がトラウマになり、女子達に冷淡になってしまったのだよ」


 ……この話は誰も得してないな。生み出されたのは性格が曲がった男一人である、なんて嫌な話だ。


「だから、君にもよく考えてみて欲しいんだ」


 こちらを気遣う様に会長がやさしく声を出す。……確かに、俺だけじゃなく、入部した部にも迷惑を掛けることに成る、他の人を制限するにも正規な手続きで入部してくるのだから、文句をつける訳にもいかない。……部活は入らない方が良さそうだな。俺がそう結論づける。正直ちょっと残念である。


 俺ががっかりしたことがわかったのか、今まで静かに話を聞いていた副会長が俺を元気づけるように話しかけて来る。


「残念な気持ちはわかるわ、せっかくの高校生活だもの部活ぐらいしたいわよね?」

「えぇ、この高校は部活動も盛んで、施設も充実しているので正直楽しみにしていました」


 そうよね、と副会長は同意してくる、そして提案を一つしてくる。


「そこで部活ではないのだけど、この生徒会を手伝ってみないかしら?」


 俺は副会長が言った言葉が良くわからなかった、生徒会の役員は選挙で選ばれる筈だからである。俺が疑問も持っていると思ったのだろう、副会長が説明を始める。


「実はね、この学校の生徒会には見習い制度って言う物があるの、この制度は本人が希望して、生徒会長が許可をして見習いに任命したらなれるの、部活動と違って、生徒会長の許可がいるから、貴方目当てに入ってくる人を制限できるし、学校の活動に関われるから」


 どうかな? と副会長は聞いてくる。


「生徒会の見習いですか? その制度を使って見習いに成ると将来的に生徒会役員になる必要があるんですか?」

「いや、それは無い。生徒会役員は選挙で選ばれるから立候補しなければ成ることは出来ない」


 俺の質問に会長が答える。……別に生徒会の活動に興味があるわけじゃ無いんだが。


「結構楽しいわよ、文化祭や体育祭なんかのイベントの企画や運営、この学校は結構な権限を生徒会に与えてくれているから、生徒会の予算を使って新しいことをする事もできるから、大変だけど楽しいことも多いわ」


 俺の様子を見た副会長が生徒会の良さをアピールしてくる。

 ……なるほど、前世の高校と違って色々できるのか、生徒会も楽しいのかも知れない。


 俺が考え込んでいるのを見て、会長が声を掛けてくれる。


「何も今すぐ答えを出せと言っている訳じゃない、ゆっくり考えて貰って構わないよ」

「そうね、でも生徒会は貴方が加わってくれると嬉しいと思っているわ」


 会長に続けて副会長も声を掛けてくれるが、何故か副会長は入れたがっているような……。


「えっと、何でそんなに誘ってくれるんですか?」

「…………」


 なんか急に静かになったぞ……


「副会長?」


 俺が呼びかけると副会長はぎこちない笑顔を浮かべながら返事をしてくる。


「ほらっ! あれよ……」


 どれよ?


「君が加わってくれると、生徒会に非協力的な人も協力的になってくれる可能性があるんだよ」


 見かねたのか隣の会長が答える。


 ああ、なるほど……、俺を緩衝材として使う事ができるのか。

 何故か副会長が助かったと言う顔をしているが……、知的な印象が崩れているが良いのだろうか?


「さて、話は終わりだが、もう一杯紅茶を飲んでいくかい? 先ほどの話はゆっくりと考えると良い」


 会長の申し出を受け、もう一杯紅茶を頂き、その後生徒会を後にした。


 生徒会かどうしようかな……、推薦とか受けやすく成るのかもしれないし良いのかもな。


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