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箱の中身

 箱の中には、思っていたとおりの装飾品の(たぐい)が入っていた。


 ……入っていたが。


 貴族、半端無いです。


 箱は二段に分かれる構造になっており、一段目にはネックレスなどの装飾品が、二段目には指輪が並べられた入っていた。

 物を見ると、どれを見ても一目で高価だとわかる品物だ。それだけでもスゴイのだが、量もスゴイ! 綺麗に配置されているのだが、それでもぎっしりと入っており、指輪などはパッと見ただけでも二十個以上並べられていた。


 両手全部にはめてもまだ余る。なんでこんな量を用意したのか……、おそらく気に入った物を選んで貰う為だろうが、はっきり言ってどれを選んでいいものか……。

 試しに指輪を一つ取ってみる。


 手に取った指輪は大粒のダイヤがはめ込まれており、驚く程の輝きを放っている。おそらく原石も良い上に、カッティングも良いのだろう……。思わず見とれてしまう程の魅力を放っている。


 ……これが魔性の輝き! 恐ろしい!


 そのほかの物も、ルビーやサファイヤ、エメラルドを初めとし、真珠やオパール、トルマリン等、宝石の種類も多い。


 …………どれを付けて良いかわからないんだが。


 俺が途方に暮れていると、ノックの音が聞こえた。


「琥珀君、開けて良い?」


 ノックをしたのは詩乃さんらしい、どうやら着替えが終わったみたいだ。


「うん、いいよ」


 俺が許可を出すと、詩乃さんは”お邪魔します”といいながら入ってきた。そして俺を見ると、瞳を輝かせて歓声を上げる。


「わぁ、すごい似合ってる! 綺麗すぎだよ!」

「はは、ありがと」

「……写真取って良いかな?」

「駄目です」


 詩乃さんは、ちぇ~と良いながら唇をとがらす。


「詩乃さんもスゴイ綺麗だよ」


 俺はそんな詩乃さんを誉めてみた。実際、詩乃さんは綺麗でその上可愛かった。薄いピンク色のドレスに、指輪にネックレス。髪飾りをしている。髪飾りは詩乃さんの美しい茶色の髪を色とりどりの宝石で彩り、その魅力をさらに引き出していた。


「えへへ……」


 詩乃さんは俺の言葉に照れて、ぽりぽりと頬をかいている。


「あっ琥珀君、用意もう終わったかな?」

「えっと、ごめんどれを付けていくか決まってない……」


 俺がそう言うと、詩乃さんは俺の横に来て箱の中を覗く。


「ん~、私が選んじゃって良いかな?」

「お願いします」


 詩乃さんの提案に、俺は即そう答えた。

 俺の答えを聞くと、詩乃さんはささっと選び、俺に渡してくる。


 渡された物は、俺が最初に見ていた指輪と、イエローゴールドに花のモチーフが付いたネックレスだった。

 ちょっと俺にはかわい過ぎる様な気もしたが、素直につけよう。

 俺は渡された物を身につけ、用意が終わったと詩乃さんに伝える。


 しかし、俺の服と詩乃さんの服を比べると、どうしても詩乃さんのピンクの服よりも、俺の赤い服の方が目立ってしまうのだが良いのだろうか……、とも考えたが、こういったパーティでは、いい男を連れているのがステータスになるのか……、だから女性の服よりも男性の服の方が目立ってしまうのが普通なのだろう、と検討をつける。


「じゃあ、琥珀君の髪をセットしに行こうか?」


 ……そうかまだ用意が全て終わった訳じゃないのか。


「あっ、それと……」


 なんすか? まだあるんすか? もうお腹一杯ですよ。


「その服と指輪とか、琥珀君にプレゼントするから持って帰ってね」


 詩乃さんはそう言って、ドアの方へ歩いていく。

 その言葉を聞いた俺は、自分が着ている服と先ほどまで漁っていた箱を見る。




 ………………貴族! ぱねぇぇぇぇぇぇ!




 驚きの発言である。正直総額でいくらするのか想像がつかない。それをあんなに軽く言い放つとは! 文字通り住む世界が違う!


 …………額が額だし断った方が良いか? …………いやせっかくの好意だ、受け取っておこう! うん! そうしよう!


「琥珀君?」


 俺が動かない事を不思議に思ったのか、詩乃さんから声が掛かる。


「あっ、ごめん。今行く」


 急いで詩乃さんの元へ行く。


「えっと、本当に貰って良いの? これ?」

「いいよ、琥珀君の為に用意した物だし。貰ってくれない方が困るよ」


 詩乃さんは笑顔でそう言う。……じゃあ、しょうがないな!


「それじゃあ、ありがたく貰っておくね」

「うん」


 輝くような笑顔でそう答えてくれた。


 その後、ヘアメイクを終えると、詩乃さんからおじいさんへ挨拶をして欲しいと言われた。


「挨拶?」

「うん、ごめんね」

「いや、謝られる事じゃないけど。言われるまでも無くするつもりだったし」

「ホント? じゃあ悪いんだけど今から良いかな?」

「いいよ」


 そして、今おじいさんが居ると言う部屋の前に立っている。

 詩乃さんは、スーハー、スーハーと大きく深呼吸している。

 ……親族でも緊張するんだろう。今から会うのはこの国でも有数の大人物である。俺も静かに気合いを入れる。


 詩乃さんが扉をノックし、中から使用人が出てきた。その人に用件を伝え、少し待つと入室を許された。

 部屋に入ると、ソファーに一人の老人が座っていた。この人が詩乃さんのおじいさんだろう。

 大貴族の首領(ドン)でと言うだけあって、その身体からは重圧みたいなもの放たれている様に感じられる。



 ……大物感がすごいんですが! 俺大丈夫か?

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― 新着の感想 ―
[一言] >大貴族の首領ドンでと言うだけあって、その身体からは重圧みたいなもの放たれている様に感じられる。 でもこの爺さんも肩とか足とか出したドレス着てるんでしょう? 歳相応に大人しめではあるだろう…
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