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青い星を眺めながら、最高の混浴を

月面リゾート『ムーン・スパ』の最上階。 そこは、限られたVIPしか入れない貸切露天風呂となっていた。 頭上にはドーム越しの星空。そして正面には、美しく輝く青い地球が浮かんでいる。


「ふぅ……。やっぱり仕事の後のお風呂は最高だな」 「はい……。宇宙で入るお風呂が、こんなに気持ちいいなんて」


アレンとシャルロットは、二人きりで湯に浸かっていた。 重力が地球の六分の一であるため、お湯がふわふわと波打ち、身体も軽く浮遊感がある。 湯気の中で、シャルロットの濡れた肌が艶かしく光る。


「アレンさん。……私たち、随分と遠くまで来ましたわね」 シャルロットが地球を見つめながら呟く。


「最初は荒野のテントから始まって……村になって、国になって、空に浮いて……今は月ですもの」


「そうだな。でも、俺のやりたいことは変わってないよ」 アレンはシャルロットの手を握った。


「シャルロットと一緒に、快適で楽しい場所を作って暮らす。……場所が宇宙になっても、それは同じだ」


「……はい。アレンさん」 シャルロットはアレンの方に寄り添い、その肩に頭を乗せた。


「私、貴方と一緒なら、たとえブラックホールの向こう側でもついて行きます。……大好きです、旦那様」


二人は静かに口づけを交わした。 背景には、壮大な銀河と、美しき母星。 それは、どんな映画のラストシーンよりも美しい光景だった。


「……さて、そろそろ上がるか。今日はルナ姫が『月見酒』を用意してくれるらしいぞ」 「ふふ、楽しみですわね。イグニスさんたちも待っていますし」


二人はお湯から上がり、未来へと歩き出した。 アレンのポケットの中には、宇宙商人から貰った『異世界転移ゲートの設計図』が入っていたが、彼がそれを広げるのは、もう少し先の話になるだろう。


どこまでも広がるスローライフ。 万能建築士アレンの伝説は、銀河を超えて語り継がれていく――。

おわり

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