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とりあえず、ミスリルで「軌道エレベーター」を作ってみた

「……アレンさん。あの空に浮いている巨大な鉄の塊は、なんですの?」


シャルロットが震える指で空を指差す。 第二章のラストで現れたそれは、明らかにファンタジー世界の産物ではなかった。流線型のボディ、点滅するライト。どう見てもSF映画に出てくる「宇宙戦艦」だ。


「あれは……多分、お客さんかな?」 「お客さん!? 規模が違いすぎますわ!」


アレンはスマホの通知画面(『新エリア:宇宙が開放されました』)を見ながら、建築士としての血が騒ぐのを感じていた。 空の孤島スカイ・エリアまでは作った。だが、そのさらに上、成層圏の向こう側に行けるチャンスが来たのだ。


「よし、行ってみよう。……エルザ、在庫のミスリルとオリハルコン、全部持ってきてくれ」 「なんじゃ!? 全部か!? 何を作る気じゃ?」


アレンは空に向かって手をかざした。 イメージするのは、天と地を繋ぐ無限の塔。


「【超建築:軌道エレベーター『天の架けスター・ラダー』】!」


ズゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!


天空の島の中央から、銀色に輝く柱が、猛烈な勢いで上空へと伸びていく。 雲を突き抜け、空気が薄くなり、空の色が青から群青、そして漆黒へと変わるまで――わずか数十秒。


「完成だ。全長3万6000キロメートル。……さあみんな、エレベーターに乗ってくれ」


「き、規模がおかしいですわ……」 「ワシの国宝級ミスリルが、ただの柱に……」


呆れるシャルロットとエルザを連れ、アレンたちはガラス張りのゴンドラ(重力制御付き)に乗り込んだ。 グングンと上昇する景色。眼下の地上世界が、青いビー玉のように小さくなっていく。


「き、綺麗……」 「これが、私たちの星……」


感動する一行。 だが、エレベーターが終点(静止軌道ステーション)に到着した時、目の前には先ほどの宇宙戦艦がドッキングしていた。


プシュゥゥゥ……。 戦艦のハッチが開き、中から現れたのは――銀色の全身タイツを着た、緑色の肌の小人グレイたちだった。


「ワレワレハ、ウチュウジン、デアル」 「ベタだなオイ」

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