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おもひでの一場面
ノスタルジックに・・・。
昔からある萎びたパチ屋の天井はヤニで黄色い。
だけど、風情がある。
ヤニ匂う狭いシマをぐるりと回ってお目当ての台を探す。
お客も常連だけがチラホラと、そんなどう考えても勝てそうもないパチ屋に、友人と並んでルパンを打ちはじめる。
「CRルパン ザ サード」カクカクポリゴンが絶妙にキモイいけど憎めない機種だった。
あの頃は、ボーダーとか何も意識していなかったので、とにかく打ちたい台を打っていた。
客の少ないシマに紫煙がゆらゆらと揺れる。
夜の9時を回り、私は少ない軍資金が底をつきはじめ、最後にもうひと勝負と3000円のパッキーカードを買い、ゆっくりとハンドルを回す。
友人の勝利は安泰で、確変連チャンを続けている。
ツレ打ちすると、引くに引けなくなるのが辛い所・・・残りわずかで、当たりを射止めるも単発そしてノマレ終了であった。
パチ屋から出て夜空を見上げ溜息をつく。
友人が笑う。
「ラーメン食うて帰ろう。おごっちゃる」
私は頷き、
「ああ、次は勝って、俺がおごるよ」
そんなあの時の一場面。
書いてみた。




