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翼を広げて  作者: とにあ
自由にまばらに
65/400

正義の鉄槌です☆


ひとつため息をつく。




俺がこんな真似をしているのは誰にも秘密だった。

ばれたら死ぬしかないぐらい恥ずかしいからだ。





『マクリア!』






誰も見てない物陰で合言葉を唱える。

誰かに聞かれたら恥ずか死すぎる。





『テトラゴノ ペダルファ エクサルファー!!』





揮ったタクト。そして力ある言葉に応じて星屑のような光が周囲を包む。


薄い青を基調にしたピエロのような衣装。

中二病も一歩ひきそうな白い笑い面。


「人の心の傷を広げようとする闇の使徒アカリナめ! このセティリクが許しはしない!」



ああ、今日も悪を挫く。


もちろん、

誰にも知られずに。自分の心とともに挫いていく。



『知られたら人間に戻れず道化人形クラウンとして人形店で売られるダッケサー』


諸悪の根源の妖精道化師ピエタがけけりと嗤う。

いっそ、自我もなく、そうなりたいという心境にも駆られる。

しかし、それには誰かに正体をばらさなければならないのだ!

なぜ、ピエタ、貴様は適当な年齢の少女を選ばなかった!?

いや、わかっている。

ピエタは最初妹に目をつけたのだ。

しかし、妹を戦いに出すなど兄として許せるはずもなかった。

それ以来、どうか大学の友人や就職先にばれませんようにと祈りながら魔法少女ならぬ魔法青年として闇の使徒などと言う得体の知れない連中と得体の知れない手法で戦う日々。


ああ、いっそ、総大将よ。さっさと出てきてけりをつけてくれ!


『セティー! 仲間の反応があるんだ! 探しに行こう!』


マジか!?


って、妹と同じ五歳児じゃねぇだろうなっ!?

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