69時間目「龍の試練、聖騎士光龍あらわる」
一刀「闇に染まった俺は無情にも桃香を攻撃し、そのまま暴れてしまった。そんなとき、華琳達の必死の祈りが頭の中に入り、その怯んだ隙に桃香が俺に抱きついて叫んでその結果、俺は闇の気を取り払うことができた。だが、油断した俺は桃香を庇い焔の攻撃を受けるのだった 」
一刀「桃香、危ない!? 」
ドンッ!
桃香「きゃっ!? 」
一刀は桃香を押し出すと
焔「くたばりやがれ『日輪の龍の息吹』! 」
ゴォッ!!
一刀「ぐわーっ!? 」
桃香をかばって焔の炎を受けた。
桃香「一刀くん!? 」
メラメラッ
燃え盛る炎のなか、炎の中に一刀の姿はなかった。
焔「俺の炎で骨まで溶けたか。仲間をかばって自分を身代わりにするなんて北郷って奴はホントにバカだよ!ハハハッ 」
焔が一刀を嘲笑う(あざわらう)と
ドゴンッ!!
ゴゴゴッ… ドシーンッ!
近くにあった大木が倒れ出した。
弧狼「たとえ神がお前を許しても俺はテメェを絶対に許さねぇぞ!♯一刀の弔い合戦だ! 」
ゴゴゴッ…!!
そこには真黒神の力を全開に出していた怒り狂う弧狼がいた。
そして
ジャキンッ!
恋「…恋もお前を絶対許さない♯ 」
顔はいつもの通りだがこちらも怒りを顔に出さない恋がものすごく怒っていた。
焔「面白い、お前らのような雑魚が何匹いても勝てないことを俺が教えてやるよ! 」
ジャキンッ!
焔は得物の剣を抜いて二人の前に立った。
激闘が開始されようとした時、一刀はというと
一刀「(…んっ) 」
一刀はいつの間にか意識を失い、目が覚めてみると周りが暗い場所に一人で寝転んでいた。
一刀「(…俺は一体!?そうか、桃香をかばって焔の技を受けたんだよな) 」
一刀はさっきまでのことを思い出すと
一刀「(…ってことはここは天国か?いや、一度とはいえ闇に染まったんだから地獄かな?) 」
一刀「(…どっちでもいいけどどうせ死ぬなら死ぬ前に机に仕掛けておいた二重底の開き方を間違えると電流が流れて火事になる恐れがある仕掛けに隠しておいた秘蔵のエロ本を読んでおくべきだったぜ) 」
ちなみにそのエロ本はとっくの昔に月にバレていることを一刀は知らない。
一刀がどうでもいいことに対して悔やんでいると
?「何くだらないことを悔やんでいるのだ! 」
誰かの叫び声が聞こえてきた。
一刀「今の声は誰だよ!? 」
ガバッ!
一刀は驚いて立ち上がると
一刀「さっき言った奴はどこだ!? 」
キョロキョロッ
一刀は声の主を探すが声はすれども姿は見えずの状態で見つからなかった。
一刀がまだ探していると
?「どこ探しとるんじゃここじゃ!見下げてみんかい! 」
スッ
一刀が目線を下に向けるとそこには
?「ようやく気づきおったかたわけ(バカ)者めが 」
ドォーンッ
そこには璃々ちゃんより小さな中華服を着たえらそうなトカゲがいた。
一刀「なんだこれ?トカゲか? 」
一刀が言うと
バシンッ!
一刀はトカゲに叩かれた。
?「わしはトカゲではないどっからどう見ても龍じゃろうが! 」
小説なので姿はわからないがどう見てもトカゲにしか見えなかった。
一刀「というか、ここはどこだよ!? 」
一刀は今更ながら周りの景色を見て気づいたが周りの景色はいつの間にか暗闇から神殿のようなものに変わっていた。
?「ここか?ここは選ばれし者しか入ることができない竜宮神殿じゃ 」
決して竜宮城ではないので間違えないように
白竜「そしてわしが竜宮神殿の管理人・白竜じゃ 」
白竜が言うと
一刀「その管理人が俺をこんなとこに連れてきて何の用だよ?死んでないのなら俺は早くみんなのところに戻らなくちゃいけないんだ! 」
一刀の言葉に白竜は
白竜「たわけ者が!一度敗れたお前が行ってまた負ける気か!いいや、今のお前ならば100回出向いても勝つことなんて無理じゃ 」
一刀「何を! 」
ブンッ!
一刀は白竜に拳を繰り出す
が
サッ
白竜は軽く避けると
白竜「わしにすら勝てぬお前が焔に勝つなぞ百年早いわ! 」
ドカッ!!
一刀「ぐほっ!? 」
白竜は一刀に蹴りを食らわした。
白竜「言っておくが焔はわしよりも強い、今のお前が行っても指一本当てるのが関の山じゃ 」
関の山…限界と言う意味
白竜の話を聞いた一刀は
一刀「だったらどうすればいいんだよ!俺を強くしてくれるからここに連れてきたんだろ! 」
一刀が叫ぶと
白竜「お前を連れてきたのはわしではない、竜宮神殿の主、項羽様じゃ 」
一刀「項羽? 」
一刀はその名前をどこかで聞いたような気がした。
白竜「お前、今より強くなりたいのか? 」
白竜の質問に一刀は
一刀「もちろんだとも、今より強くなりたいんだ! 」
そう答えると
白竜「いいだろう、ついてくるがよい 」
スタスタッ
白竜は神殿の奥に入っていった。
竜宮神殿の奥
白竜「これを見るがよい 」
ビシッ
白竜が指をさした先を見てみるとそこには
ズォーンッ!
巨大な龍が飾られた巨大な扉があった。
白竜「この先に項羽様がいる。扉を開けることができればわしが直々に項羽様に龍を授けるようお願いしてやろう 」
白竜が言うと一刀は
一刀「扉を開けるなんて簡単じゃんか♪ 」
スッ
一刀は力を込めて扉を開けようとするが
一刀「ふぎぎーっ!! 」
扉は一ミリたりとも開くことはなかった。
白竜「いい忘れていたがこの扉は少しでも闇の気があれば開くことはできんぞ 」
白竜が言うと
一刀「だったら闇の気を取り払った俺がなぜ開けられないんだよ!? 」
一刀は扉から手を離して白竜に聞くと
白竜「ホントにそうかな?わしにはとても殺意で人を倒そうとするお前が闇の気を取り払ったなんて思えんがのう 」
白竜が挑発すると
一刀「もういいっ!死ぬ気で扉を開けてやる! 」
スッ
一刀は再び扉に手を触れた。
白竜「せいぜい頑張れよ、この神殿内は時空が違うから10日経っても向こうじゃ1時間しか経たんからな 」
その後、一刀は扉を開けようとするが扉は一ミリたりとも開くことはなかった。
そして5日が経ったとき
時空が違うので腹がへらない一刀が扉を開けようとしていると
白竜「無駄じゃ無駄じゃ、いくらやってもお前に闇の気があるかぎり扉を開くことはできんよ。時間の無駄というもんじゃ 」
白竜が言うと
一刀「うるさいな!大体なんで闇の気があると開かないんだよ! 」
一刀が言うと白竜は
白竜「闇の気があると龍の逆鱗に触れるからじゃよ。項羽様は人に龍をやどらす力があって大昔にもその力を使ったのじゃ 」
白竜は昔話を始めた。
白竜「かつて鎌倉幕府をひらいた源頼朝、天下統一を果たした豊臣秀吉。この二人に項羽様は龍を与えたからこそこの二人は偉業ができたのじゃよ 」
※架空の話です。
白竜「じゃが、頼朝は邪魔な弟の義経を殺し、秀吉は外国である朝鮮を攻めたため心に闇が招じた。そして二人は龍の逆鱗に触れて亡くなったという。以来、項羽様は龍をやどすには心に闇がないものと限定し、試練を与えたのじゃ 」
白竜「今のお前が龍をやどしてもすぐ死ぬのは目に見えておる!お前に問う、お前にとって戦いとはなんだ! 」
ビシッ
白竜の言葉に一刀は
一刀「俺にとっての戦い、それは憎いやつを… 」
このあと、倒すための戦いと言おうとした時に一刀は父である優刀の言葉を思い出していた。
優刀「一刀、戦いとは誰かを憎むためにするんじゃない。誰かを守るために戦うものそれが戦いなんだ 」
この言葉を思い出した一刀は
一刀「そうだ、俺はさっきまで焔を倒すことばかり考えていたけれどもそれじゃダメなんだ! 」
スゥッ
この時、一刀の体は光に包まれていた。
一刀「戦いとは相手を思いやる心、それが大事なんだ。ただ憎しみだけでいたら殺人鬼と同じじゃないか!だから俺はたとえ憎い相手だろうと戦いを通じて心を通わせてやるぜ! 」
一刀がそう決意したとき
パァッ!!
一刀の体が光り輝き、しばらくして一刀を見てみると!?
白く輝く騎士姿で髪は長髪になり、右手には巨大な白虎の銃・『聖獣白虎銃』を構え、白虎の足を持ち、左手には龍の形をした光の剣『聖龍光丸』を構え、両肩には二頭の玄武顔を並ばせ、背中には赤いマントがつけられていた。
そして
スッ
その状態の一刀が扉に手を触れると
バッターンッ!!
扉は勢いよく開いた。
白竜「どうやら会得したようじゃな聖騎士光龍を 」
白竜が感心していると
白竜「さてと、約束通り項羽様に… 」
しかし一刀は
一刀「もういいよ。強さってものはもらうものじゃなくて、身に付けるものだからさ。それじゃああばよ白竜 」
シュンッ!
そう言うと一刀の体は一瞬で瞬間移動して消えていった。
白竜「人間とはホントにせっかちじゃのう 」
ギィッ
そして一刀が開けた扉の中には
ガラ〜ン
中には誰もいなかった。
白竜「もうあやつは大丈夫のようだな… 」
パァッ
白竜の体が光り輝くと
項羽「白竜とは仮の姿、その実態は武の神、項羽なのだよ 」
バァンッ!!
白竜の姿は項羽になった。
項羽「それにしてもあやつの気は昔、私の前に現れたあやつに似ておるな。名前はたしか翠川優刀だったな 」
項羽は一刀が優刀の息子であることを知らなかった。
焔「焔だ。一刀の奴め、消えたと思ったらいきなり出てきやがって、しかも聖騎士光龍だとふざけるんじゃねぇよ!次回、『光龍VS魔龍』なんだこいつの強さは!? 」




