56時間目「駒」
一刀「飛琳先生が大ピンチになった!?そんなとき三獣士の一人である森羅が攻撃を止めた。しかし、裏切ったばつとして制裁を食らってしまい光魔学園の非道さに飛琳先生が激怒し、真の力を解放した。そして見事泉華を打ち破り、先生は森羅を連れて去ったのだった 」
飛琳が泉華に捕まっていた頃、
一人その場から立ち去った黒羽は
黒羽「危なかったぜ!?あんな奴がフランチェスカにいたとはな!? 」
飛琳の力に驚いていたが任務である闇討ちを優先した。
黒羽が宛もなく室内を歩いていると
ブンッ!ブンッ!
どこからか素振りの音が聞こえてきた。
音のする方に黒羽が近付いてみるとそこには…
一刀「相手はあの光魔学園だ!今まで以上の戦いになるだろうから寝る間を惜しんで特訓しなくちゃな! 」
一刀が木刀で素振りをしていた。
黒羽は物陰に隠れながら
黒羽「(こいつはラッキーだぜ!まさかフランチェスカの大将に出会うとはな♪こいつを痛め付ければうちの不戦勝じゃねぇか!) 」
大会中の選手の途中交代はできないので一刀が痛め付けられれば交代はできないし、大将である一刀が出なければそれだけで光魔学園が勝ちとなるのだ。
黒羽「(あんな見た目が弱そうな奴なんて一撃で仕留めてやるぜ!) 」
ジャキンッ!
黒羽は武器であるダークランスを構えた。
黒羽「(くらえっ!北郷) 」
シュンッ!
黒羽は一刀めがけてダークランスを投げた。
しかし、
カキンッ!
投げたダークランスは一刀に弾かれてしまった。
一刀「誰だか知らないけどさっきから殺気が駄々漏れしすぎだよ 」
スッ!
そして一刀は黒羽が隠れている場所を見つめると
一刀「隠れているのは分かってるんだから早く出てきな! 」
一刀が叫ぶと
黒羽「さすがはフランチェスカの大将、見た目で判断したらいけないな 」
スッ!
物陰から黒羽が出てきた。
黒羽「俺の名は光魔学園三獣士の一人、二階堂黒羽!お前の命、もらいに来たぜ! 」
ジャキンッ!
黒羽はダークランスと魔黒弓剣を構えると
一刀「俺は簡単には殺られないぜ! 」
スッ!
一刀も木刀を構えた。
黒羽「木刀が武器だなんて俺をなめてるのか!少し時間をやるから武器を取ってこいよ! 」
黒羽が叫ぶと
一刀「俺が持ってるのが木刀だからってなめてかかると痛い目見るぜ! 」
一刀が言うと
黒羽「面白い奴め、武器を持ってこなかったことを後悔させてやるぜ! 」
ゴォッ!!
いきなり黒羽は気を全開に出した。
一刀「(この気の量は!?すごいな!?) 」
一刀が黒羽の出した気に多少驚いていると
黒羽「さっきは弾かれたが、今度はどうかな? 」
シュンッ!
黒羽は再びダークランスを一刀に投げつけた。
しかし、一刀は
一刀「ちっ!? 」
サッ!
弾かずに避けた。だが少し体を斬りつけてしまった。
そしてダークランスが当たった傷口から
ジュオオッー!
闇の気が噴き出してきた。
一刀「何だよこれは!? 」
一刀が驚いていると
黒羽「俺のダークランスが当たったら最後、俺の闇が貴様を痛め付けるぜ! 」
ゴォーッ!!
一刀「ぐわーっ!? 」
斬りつけられた傷はわずか数ミリに対して闇の気がたくさん噴き出してきた。
そして吹き出してくるたびに一刀の顔が険しくなっていた。
黒羽「俺の闇に耐えきれたのは神華と閻華と兄貴の光魔だけさ! 」
ここで話は少しばかり過去に戻る。
数十年前、光魔と黒羽の二階堂兄弟は産まれながらに他より強い力を持っていた。
だが黒羽が唯一勝てなかった相手が兄である光魔だった。
そして光魔が総理大臣になった時、黒羽は心に誓ったことがあった。
黒羽「(俺は兄貴には絶対に勝てない!だったらせめて兄貴の足手まといにならないように兄貴の補佐をするしか俺に道はない!) 」
その後、黒羽は兄である光魔のために少しでも役に立とうと兄の命令通りに動いていった。
黒羽「とどめだ!せめて楽に殺してやるぜ! 」
シュンッ!
黒羽はダークランスを構えて一刀に向かっていく!
一刀絶体絶命のピンチ!?
だが、その時
ドッカーンッ!
遠くの方で爆発音が聞こえてきた。
実はこの音は泉華が爆発した音である。
黒羽「今の音は何だ!? 」
そして黒羽が爆発に気をとられている間に一刀は
一刀「(あいつに一瞬の隙ができた!チャンスは今しかない!) 」
スッ!
そして一刀は残った気を振り絞って右腕に力をためると
ゴォーッ!!
右腕がひかりだした。
そしてその右腕を隙ができた黒羽めがけて
一刀「『俄龍光拳』! 」
ドガッ!
技を繰り出した。技を食らった黒羽は
黒羽「げほっ!? 」
バシャーッ!
胃の中からすべてを吐き出した。
黒羽「(この俺がこんなガキに!?)まぁいい、任務は成功だ! 」
シュンッ!
黒羽は怪我を負いながらもその場から立ち去っていった。
そして一刀は
一刀「ぐほっ!? 」
いまだ痛む闇の気と戦っていた。
光魔学園控え室
ギィッ!
黒羽「兄貴、闇討ち成功だ!北郷一刀はしばらくは動けないぜ! 」
ボロボロの姿の黒羽が光魔のいる控え室に戻ると
光魔「黒羽!無事だったのか! 」
ギュッ!
光魔は黒羽を抱き締めた。
黒羽「よせよ兄貴、抱き締めるなんて恥ずかしいじゃないか/// 」
黒羽が兄の行動に照れていると
ザシュンッ!
黒羽「えっ!? 」
黒羽は光魔に斬られた。
光魔「ご苦労だったな弟よ、闇討ちご苦労様、そしてもう貴様に用はない!闇討ちした奴を匿うほど優しくないんでな 」
光魔の言葉に黒羽は
黒羽「何故だよ兄貴!俺はいつでも兄貴のためだと思って!? 」
しかし、光魔は
光魔「私のためならばさっさと死ね!貴様は駒としてはいい出来だったぞ!最後は捨て駒らしく散れっ! 」
ザシュンッ!
瀕死の黒羽に光魔の攻撃が炸裂した。
黒羽「そんな兄貴…!? 」
バタンッ!
そして黒羽はその場で倒れてしまった。
光魔「北郷一刀が負傷したとならばうちの学園の勝利は確実だ!ハッハッハッ! 」
そしていよいよ明日、決勝戦が始まる。
光魔「どうも皆さん光魔です。うちの捨て駒である黒羽もたまには役に立ちますね、これでうちの勝利は決まったも同然ですよ。次回、『関ヶ原の戦い』憎きフランチェスカよ、あなた達の最後です 」




