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飄然草  作者: 千賀藤兵衛
第七部 棒つきアイスの巻き返し
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くいしんぼうの記憶

 和菓子で四季の移りかわりを感じるという発言を某所で見かけて、NHKみんなのうたの一曲「くいしんぼうのカレンダー」を思い浮かべた。四季折々の風物と季節の和菓子を列挙した歌である。

 ひさしぶりに口ずさんでみたところ、歌詞がところどころ思い出せなかった。全体の二割ぐらいは忘れてしまっている。さもありなん、私がこの歌を気に入ってよく歌っていたのは三十年ぐらい前のことである。当時は歌詞をすべておぼえていたが、三十年もたてば記憶が穴だらけになるのは無理からぬこと。むしろ八割おぼえていたのが大出来である。

 そうは言っても全部思い出せなかったことはくやしい。 それで、そのあと折にふれてしつこく思い出そうとしていたら、虫食いだった記憶がだんだんに戻って、穴がふさがってきた。一カ月ほどねばって、ついに完璧に思い出した。記憶というものはなくしても取り戻すことができると知った。

 忘れてしまった記憶は脳から消え去ったのではなく、残っているのだが探り当てることができなくなっているだけだ、という話をどこかで聞いたことがある。やりかたしだいで思い出すことができるものだ、とも。おそらくそれは本当だと実感した。


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