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飄然草  作者: 千賀藤兵衛
第五部 私はピアノを飲む
33/77

胸を張れよ

 町なかで、プロ野球のレプリカユニフォームを着て歩いている人を見かけた。どことは言わないが地元の球団の、だれとは言わないがあまりぱっとしない選手の名前と背番号が入っている。期待はされているが結果がなかなか出ず、一軍と二軍を行ったり来たりしている選手である。

 その人はいかにも貧相な体格であった。あくまでプロ野球のファンであってプロ野球の選手ではないのだからどんな体格でもいいようなものだが、肩幅がせまく、背中の肉が薄く、なにやら憐れをもよおす。しかもそれが背をこごめて、トボトボという言葉の見本のような物寂しい歩き方である。これがもし背広やTシャツやパーカーといった日常の服装であれば何とも思わないところだが、野球のユニフォームとなるとどういうわけか途端にみすぼらしく感じられる。

 余計なお世話ではあるが、もうちょっとシャキッとしろや、と思った。ひいきの選手のユニフォームを着ているときに、そんなしょぼくれた様子でどうする。その選手がいまひとつの成績となればなおさら、元気を出して応援しろよ。


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