表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飄然草  作者: 千賀藤兵衛
第三部 ダーガー2.0
24/77

ダーガー2.0

 もしもヘンリー・ダーガーが現代の人間だったら、とときどき考える。人知れず厖大な小説を書き、死んだあとに初めて作品が発見されて注目された人物である。

 そのようなことを考えるようになったのは、小説投稿サイトというものを知ってからのことだ。日本だけでも数十万の人間がこうした場所に作品を投稿している。世界全体ではどれほどか見当もつかない。

 もしもダーガーが現代の人間だったら、やはり小説投稿サイトに作品を載せてみたのではないだろうか。もっとも、投稿した結果がどうなるかはわからない。あるいは人気を博して商業出版されて一財産つくったかもしれない。あるいはほとんど読まれなかったかもしれない。あるいは読んだ人からケチョンケチョンにけなされて作品を取り下げてしまい、それきりインターネットには見向きもしなかったかもしれない。あるいは大人気とまでは行かなくともそこそこの評価や激励をもらって、幸せに執筆をつづけたかもしれない。

 おそらく現に小説投稿サイトに出入りしている世界中の数知れぬ人々のなかには、ダーガーが何万人もいるだろう。インターネットがなければ死ぬまで作品をどこにも発表しなかったはずの人々である。そう考えると、ここは豊かな場所だと思う。


 第三部はこれでおしまい。

 また忘れられたころに第四部でお会いしましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ