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23話 その聖女、夜通し

 



 それからパーティーの準備が始まった。


 私は夜は聖女の公務としてお祈りと聖物を作り、夜が明ければパーティーの準備、昼はしっかりと眠らされるという生活になった。


 人生で初めて任される大役に興奮していた私は何度か昼に起きて手伝いに行こうとしたのだが、カリンとミルテのどちらかが必ずついているのでできなかった。


 その代わりと言ってはなんだが、お祈りを始めてすぐに結界が張れるようになった為、結界を張った後の時間を有効活用して準備を進めることができた。


 しばらく忘れていたがグレノスは「不夜城」と呼ばれるほど、夜も活発に動いていた人が多い。

 そのため準備期間は夜も結構にぎわっていたのだ。


「イレーネ様! これはどちらに置きますか?」

「ああそれは会場までの道に設置してください。パーティー自体が夕方からなので足元を照らしておかなくてはなりません」


「イレーネ様食器類はどちらの国から仕入れますか?」

「食器はポプリンゲルグ王国の特産ですからそちらを取り入れましょう。ポプリンゲルグは公国とは前からの付き合いの様ですし。これが予算内でリストアップしたものです。貿易商のナイチェルに渡してください」


 月も傾きかけた時間なのにバタバタとあちこちで走り回る音が聞こえる。

 それもそのはず。


 私の提案で昼に準備する部隊と夜に準備を行う部隊に分けて一日中動き回れるようになっていたのだ。

 日中の指揮はルドニーク様、夜の指揮は私。

 交代制だ。


 もちろん夜に働きたいなんて人はいないだろうと思って給金を日中の2倍にしたら思った以上に立候補が多くてびっくりした。


 夜枠の争奪戦にまで発展してしまった時はさすがに焦ったが。

 さすがは不夜城と呼ばれていただけのことはある。



 そんなことを考えつつ指示を出しているとミルテがやってきた。


「イレーネ様、出席者リストをお持ちしました」

「ありがとうミルテ」


 リストにはグレノスにやってきてから沢山勉強した各国の重要人物の名がぎっしりと書かれている。


「改めてみてみるとすごい人ね」

「はい。皆さん重要人物ですので厳戒態勢げんかいたいせいを敷く予定です」


 参加予定の人たちはそれぞれの国で重要な位置にいる人たち。

 王子殿下、王女殿下、大臣、総裁、聖女、大神官などなど、錚々(そうそう)たる顔ぶれだ。


 私は意味ありげに笑い机の下から箱を取り出す。


「沢山つくった甲斐があったわ。ミルテ、この聖物をそれぞれの国に送りたいので準備をお願いします」


 私が取り出したのは黙々と作っていたミニ聖物。

 それもネックレスの形になったものだ。


 大きさは小さい宝石くらいのものだが聖物としての効果は試験済み。

 2週間程度の効果はあるだろう。

 それを街のアクセサリー職人と協力してネックレス型にしたのだ。


「こんなに沢山……。いつの間に!」

「だって尊い方々をお呼びするのですもの。私の力が役に立つのならこれほど嬉しいことはないわ。お客様には道中安全に来ていただきたいし。もちろんルドニーク様の許可は貰いましたよ?」


 ミルテがあんまりにも驚いているからもしかしたらダメなことをしたのかもと思ったが、作り出す前にルドニーク様から許可は頂いたはずだ。


「いえ、ダメという訳では。ただそれだけお作りしてお体は大丈夫なのですか?」

「ええ! 何ともないわ!」

「それにイレーネ様は働き過ぎです! もう少しお休みになってください」


 そうは言われても昼はしっかり寝かせてもらっている。

 これ以上自分だけ休むわけには行かないだろう。


「大丈夫よ。それに私も何か役に立ちたいもの!」

「イレーネ様は既にパーティーの財形ざいけいへの配慮や会場の整備の指揮、また働いている人にも気を配っているではないですか」

「それくらい普通よ?」


 確かにパーティーの準備にはたずさわらせてもらっているが、まだまだやるべきことは沢山あるはず。

 働いてくれている人たちへの配慮もするのは当然だろう。


「それが普通ではないと言っているのです!」

「え? でもセイア王国ではもっといろいろな仕事をやっていたので、このくらい大丈夫ですよ?」


 そういうとミルテの目が険しくなった。



「あいつらマジで許さん」

「え?」

「いいえなんでもありません。……しかしイレーネ様の博識はくしきさには皆驚いておりましたよ。現場の者たちもおかげで働きやすいと言っていましたし、的確な指示と冷静な分析の賜物たまものでしょうね。民からの支持も凄まじいですよ」


 一瞬だけミルテの後ろに角が生えたように見えたが気のせいだろうか。

 ミルテは話を変える様に褒めだした。


 正直やるべきことをやっているだけなので褒められるようなことではないのだが、やはり褒められると嬉しい。


「ふふ、ありがとう。もっと張り切っちゃうわ!」

「いえ、お休みください」


 上げかけた腕をそろそろと降ろす。

 ミルテは結構頑固だ。


 恐らく私が休むまで言い続けるだろう。


「分かったわ。もうこんな時間だものね。では交代のための引継ぎを済ませたら休ませてもらうわ」


 私はそう言いルドニーク様に渡すための内容を資料にまとめだす。


 外は既に薄明るくなってきていた。




ここまでお読みいただきありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[一言] (´∀`*)ウフフ、 イレーネ様が人気だから夜の担当の 募集が多かったんだろうなぁ。
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