第49話 クリスマスディナーを
「うわ、マジ?」
「旦那たち、はりきってくれたの??」
ふたりが帰宅してきた時間を見計らい、僕はマリアーノちゃんといっしょにこたつに乗り切るかというくらいに、作っておいたクリスマスディナーをお披露目しました。食べ盛りがたくさんいるし、僕も最近これまでの普通以上には食事の量が増えてきたからね?
たらふく、は難しいかもだけど。推し活のゲームクリアと衣裳づくり以外の時間はまあまあ取れたので作ったわけなんだよ。アツシの明日は大学も実習とかもないらしいし、ナルディアも今日バイトをがんばったから同じくない。
なので、酒を少々飲んでも問題なしだ!! 僕も久しぶりに軽めのから飲もうと思ったので準備はしてある。
「「「「メリークリスマス!」」」」
僕とアツシはなんでかなんだけど……マリアーノちゃんとナルディアはクリスマスコーデの衣裳を着てもらい。アツシとふたりで『最推し最高!!』とフラッシュをたいて激写したのはいつものこと。ただし、衣裳に汚れをつけたらもったいないので。そこは魔法でさっと普段着に着替えさせてあげた。基本的に、この魔法しか使わないからアツシもだいぶ慣れてくれたみたい。
「肉、やわらか!! 皮付きポテトもやっば!!」
「旦那~。うちんとこの調理補助募集してますから、やらない? ……マリアーノ!? 目が怖い!! 冗談冗談!!」
「調理はわたくしと主さまの共同作業です。わたくしのようなものが居て、厨房が使い物にならない状況になったらどうしますの??」
「「ごもっとも」」
「見た目男の娘だけど、中身そんじょそこらの男より男前とか。ギャップ萌えとかで、マリアーノがモテモテじゃね? 女子にも」
「ダメ!! マリアーノちゃんの恋人は僕!!」
「まあ、互いにぞっこんなら誰も取れねぇだろ……」
「ふふふ……」
ディナーは結構しっかりめに作ったけど、男四人だとなくなるのが早いのは当然で。ケーキだけはナルディアに頼んでいたが……これも、ホールケーキなのに瞬殺な勢いでなくなってしまった。
「ユディさんも結構食えるようになったな? 次は鍛えるの始めれば、マリアーノにも喜んでもらえんじゃね?」
「鍛える……素振りとか?」
「ファンタジー定番だけど。なに? 魔法使いでも剣の素振りあるの?」
「いや、いざというときに杖を振り落とすくらいだけど」
「それでも、体幹整ってんなら……マリアーノと組手してみれば? 前に撮影でナルとかとしてたあれ」
「……なるほど」
ということで、マリアーノちゃんに提案はしてみたんだけど……なんか怒っているのかほっぺをぷくっとされちゃった??
ベッドの上だけど、何故か膝を曲げて丸くなる……すっごく、かわいいんだけど!!
「褥、だけではだめですの?」
「……いやいや、マリアーノちゃん? 僕の健康面を考えて、だから」
「たしかに、鍛えるのはいいことですけど。わたくしが弱いのではと思いましたわ」
「あの狩りを見て、それはないと思ったよ」
「……でしたら。少し、だけ。まずは主さまの体力確認からですわね?」
「……聞いてました?」
ということで、どこまで耐久できるかをたしかめるのに……少し手加減されてもベッドでのそれを本気で挑まれてしまいました!? 細身なのに、僕の身体をひっくり返すとか凄いんだけど!!? 息切れはともかく、持久力はあんまりないのが判明したため……まずは、体力づくりに食事の変更とお散歩からと健全なものから始まった。
次回は月曜日〜




