第48話 季節感意識?
「クリスマスって、異世界にあったりする?」
今日の推し活はアツシのそんな言葉から始まった。当然知らないので、スマホで検索したら『祝祭』の一環というのはわかったね。そして、日本だとほかの国とは違ってイベントに特化しまくっているということも。
「……マリアーノちゃんとかをクリスマス衣裳着せてあげたいとか?」
「ナルのも考えてっけど。……似合いそうじゃない?」
「まあ、赤と白……だといつもと雰囲気そこまで大きく違わないけど」
と思った、このときの僕は!!無謀にも自分でも作れないか魔法で考えちゃっていました!! 市販の女の子向きの『サンタコス』とやらを彼が着ていただけで……もう、もう!! 色々、下半身的にごめんなさいくらいに興奮しました。はい。
「まあ、お衣裳を主さま自ら?」
クリスマスが近づくにつれ、そろそろ『衣裳合わせ』もしたいと思ったから……致したあとに、彼にも提案したんだ。あんまりこっそり出来ていないけど、こっそり作っていましたというのを。
下着だけはつけてもらい、魔法であとはお着換えしまくれば!!
「どれも最高!! こっちは売らないけど、僕天職持てたかな!?」
「まあまあ、主さま。ご無理をされてはいけませんわ。わたくしとのんびり過ごすのもお忘れでなくて?」
「忘れてないよ!!」
ギルじゃない弟子にも何人か、マリアーノちゃんは紹介したけど……まあ、召使いよりも男娼扱いされてるんじゃって思うよね? ふたりきりだから『そういうこと』もし放題だし。女性を置いたら、まあうるさいのが僕の死後の財産問題になるから……そんな理由で、余生を過ごす賢者や相応の人物は男性の召使や最後の弟子を置くことが多いとされている。
僕はそんなつもりないし、今後も長く生きるのは確定だから……せめて、手になにか職を持たないと、アツシたちとも交流しにくいしね。
アツシはアツシで、アパートの更新日程が近かったからってことでナルディアを正式な同居人として登録したらしいんだ。その費用負担をアツシにまかせないためにも、ナルディアは持ち前の明るさと社交性のよさでカフェのアルバイトを始めた。
つまり、部屋に僕とマリアーノちゃんだけがいるのはよろしくないので、ふたりが帰ってくるまでこっちの自宅でコス衣装を作成していた。
あと、まあ?
弟子たちが毎日来るわけじゃないので、致すことはいつでも何時でも出来ちゃうくらい元気です。はい。
とは言え、隠居生活以外にも潤いが欲しい部分もあり、僕も僕で少しご飯作ろうかと久しぶりに狩りに向かえば。
「お覚悟」
と、マリアーノちゃんがお得意の苦無でささっと小動物から大物まで狩っちゃうんだから!! 僕の役に立ちそうな個所は、ふたりで解体したあとのレシピをスマホで検索するくらいだ……。せっかくだから、クリスマスディナーとやらをいつも世話になっている彼らに振舞ってあげたいからね。
次回は金曜日〜




