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【完結】トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第40話 自炊はちゃんとしようか



 *・*・*




 今まで夜勤実習もあったから、冷凍食品とかほかのインスタントばっかり買っていたけど……そろそろ、自炊くらいしようかと思った。


 事後飯、もなんか冷凍食品ばっか食うと物足りないんだよな!! 今まさに、ナルディアとその事後飯の真っ最中なんだが。



「……作り置きくらい、またやるか」

「え? 篤嗣、ちゃんと料理できんの?」



 お互いスウェットだけでカップ麺をすすっていたが、ナルも箸使いうまくなったなと少し感心。とはいえ、本題を逸らしてはいけない。



「作れなくもないって感じだけど。今なら、ユディさんもいるし。外見若返っても中身がおっさんだから……医療従事考えている人間には、ちょっと申し訳なく感じるんだよ」

「あ、そーゆーこと。健康面ねぇ? マリアーノとの体液交換で順調なのに? そこまで気にする?」

「うまいけど、塩分濃いんだよ。こーゆーの。俺も、人数多いなら普通の食事食いたくなってきたのもあるんだ」

「人間はそんな感じ?」

「そんな感じだ。レンジ覚えれば、調理しやすい道具もちょいちょいお袋に持たされたしな? 使わないままももったいない」

「母親ね。うるさいの?」

「いや? 介護職目指すんなら、頑張れ以外は割と仕送り適当」

「ふーん」



 さっぱりとした性格の割に、ちゃんと受け答えはしてくれる俺の最推し。収集するきっかけになったのは、ゲームのCVやバトルモーションがクールに見えたんだけど……ストーリーモードになれば、気さくで人当り通いのギャップがたまんねぇから……で、固定キャラとかにして選んだけど。


 まさか、推しが実体化するだけでなく……夜の運動にも付き合ってくれると思うか? きっかけは、俺がこいつとふたりになったときにじろじろ見過ぎたせいだけど。



『なーに? 構ってほしいの? マスター』



 とか、女受けしやすいナルディアが男もイケるとかそんなまさか! 妄想とかだろと思ったら……ホムンクルス化でも、所有者が『俺』だったこともあり。詰め寄られたら、まあファーストキスを奪われてしまったわけ。もつれ込む前に、ユディさんたちが買い物から戻ってきたんで夜までお預けになったが。


『攻め』か『受け』か問われたら……ノンケではなかったにしても、俺は『受け』だったとナルに開発されるまで気づかないでいた。オカズにしてた同人誌ではリバリバものも読んだし、あえて夢女要素のも読んでいた。……けど、それはつまり自分が『受け』であることを理解したかっただけかもしれない。


 今日も今日で、ユディさんたちが向こう側に行ったら……ぺろんちょと食われた。んで、事後飯が欲しいくらいに俺も体力持ってかれた。


 もうそこそこ経つけど、俺はこいつと体液交換してないから外見はそのまま……逆に、家主としての自意識は少し上がったかもしれない。そろそろ大家さんあたりに、いっしょに住んでいるかどうか聞かれそうだけど……家賃をユディさんに払ってもらうわけにはいかないが、入り口がクローゼットしか通じてないので難しい。


 まあ、たまたま俺の左右の部屋は空いているから、ユディさんが契約していいか……いやいやそれは向こうにちゃんと家があるのでよくない。


 なので、結局は自炊をどうにかしようという考えに落ち着いた。



「鍋もひとりじゃつつくのつまらんし、こたつ買って囲むか?」

「鍋を囲む?」

「そろそろ涼しくなるからな? 煮込みうどんとかラーメンを自分たちで作るくらいからなら、ユディさんでも作れるだろうし」

「なんだかんだ、あの人に甘いね?」

「俺らの恩人だろ。こういう関係にもしてくれた」

「ま、たしかに」



 スープを飲み干し、容器を片付けたあとは……普通に寝ようにもシングルベッドなので、ナルが俺に抱き着かないと寝れない。ねんどろいどにこういうとき戻ってくれんと身体がしんどい言っても聞いてくれないんだよな……。いろいろ悶々するのはこっちもいっしょなんだが!?


次回はまた明日〜

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