第39話 アフターケア?
「ぁん。主さま、もう少し……右を」
「……こっちかい」
「ん。……そこ、です」
イベントから帰ってきて、お風呂もご飯も済ませた。
だけど、今は決して! 致しているとかそういう方向ではない!! このあとはともかくとして……。
さすがのマリアーノちゃんも、疲れたのかお風呂だけでは疲れが取れなかったようなので……僕也にだけど、マッサージをしているわけ。服はほとんど脱いでいるから、まあ変な気持ちにならないわけじゃないが。
「今日は、お疲れ様。撮影依頼多かったよね?」
「そうですわね。でも、わたくしの勇姿は篤嗣様と主さましか許しませんわ」
「……それは、ありがとう」
目立ちに目立っていたけど、ほかに撮影とかで参加していた人たちに毎回断るのは大変だったな……。ナルディアはあんまり気にしてなかったけど、マリアーノちゃんは結構気にするタイプでお断りしまくっていた。
でもそれは、僕とアツシ以外には目にするだけの制限を設けたいからだってさ。微妙に形に残る画像だと……万が一、強姦の可能性が出てくるのはこっちの世界でも同じなんだと。であれば、僕のマリアーノちゃんを渡すなんてとんでもないから!! 見るのはギリギリセーフでも、触れるのは僕だけの特権!!
「……んっ」
いや、だから僕とアツシの撮影に頑張ってくれたのはいいけど。
「……はぁー……」
魔力の脈が、ちょっと乱れてたから……マッサージついでに手当しているんだけど。
「あん。そこぉ……」
こっちがその気になるため息は勘弁してほしい!! ただでさえ、マリアーノちゃんはそんじょそこらの女性よりも色っぽくて可愛いのに!!
「……あの。マリアーノちゃん」
「はい。なんですの?」
「……わざと、ですか?」
「……ふふふ。どうでしょうか? 主さまのおかげでだいぶ楽になりましたが」
「……もう」
そろそろ体液交換はしても、精霊の魔力ベースのそれを僕が受け付けないようにしないと……若返りが酷くなるので、アツシに注意される前にいじっておこう。マリアーノちゃんに起き上がるようにお願いして、心臓のあたりに僕は片手で印を組んだ。
『混濁。譲歩と交換……しばらく止め』
無詠唱よりも、こういう場合はきちんと詠唱した方が効果が上がるからね。僕の方にも同じ方式で魔法を使って『受け付けない』ように身体をいじった。あれからしばらく来ていないギルディスには、僕の姿を改めて見たらお見通しだろうけど……僕はこの生活を気に入っているからね? 推しもとい、マリアーノちゃんとの生活を無くすのは絶対嫌だから……今までの魔術や魔法を駆使するくらい、なんてことはない。
「ふふ。もう少しお若くてもいいでしょうに」
「……勘弁してください。中身は立派に四十くらいのおじさんなんだから」
「あら。わたくしの実年齢も特にありませんのよ?」
「……そうはいって」
「気にしませんこと」
キスで塞ぐなんて、卑怯な!と思えないのが……心身ともに、絆されてしまった証拠なのだろう。あとは寝るだけ、と言っても。これから致すことを考えれば安眠など回避不可能。
マリアーノちゃんが『攻め』のモードに入ると、既に素っ裸ということもあって色っぽく僕の目に映るので堪らない。首や鎖骨だけでなく、服を脱がせながらもあちこちに『赤い華』を残していくので……明日以降もまた、首元を隠した服じゃなきゃダメかと諦めることにした。
次回はまた明日〜




