対策会議②
少し短めです。
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/シュベル
セルスティアの国王も加わり対策会議は続いている。
国王の話しをまとめれば、グリンヒルデが今まで国として成り立ってきたのは、元南の竜たちを狩ることで益を得ていたから、戦争をしかけようとも国庫が圧迫される事がなかったのだ。
その最大の収入源であった、竜が不在となり国はここ数年で酷く傾いているらしい。
そのため、住民への増税が重くなり、セルスティアへ移住する民が増えたのではないか? と言うことだった。
「それを打開するために、シュベル様たちと繋ぎを取ろうとしている。という可能性がありますね」
「あぁ」
宰相の読みはほぼ間違いないだろうと私も思う。
竜族とこの国は親密だ。それ故、リーシャを狙ったとも考えられるが……。
首を振り、思考を打ち切り他の意見も聞いてみる。
「今の話を聞いてどう考えるか教えて欲しい」
「住民が減れば、国庫は更に圧迫されるでしょう……。
そうなれば例の塒、襲撃に関することも納得がいきますね」
「うむ。我が国と竜族の仲を引き裂きたい狙いもあった可能性もあります」
皇王と国王がそれぞれ、国をおさめる者なりの考え得ることを言葉にする。
「最悪、交渉の席につかなければ狙われるのは、か弱い子女になるでしょう……」
「それが、一番まずいな」
ベルンの意見に私も同意をしめす。
この場合狙われる子女と言えば、ウィリアとリーシャの2人の可能性が大きい。もちろん他にも、第2王子のお友達と言われる元学園生の貴族の娘などの可能性も考えられる。
「人質ということですか?」
「分りやすく言えば、そうですね。人族より長く生きている我らは、それを見聞きしていますし、過去の竜たちからの記憶にもあるのです。
人族が己の益を守るため、人族を質にとるところを……」
皇王の言葉に、ベルンが答える。それぞれが顔を引き攣ら言葉を飲み込んだ。
紅茶を飲み、カップをテーブルに戻す。
「人質の件は、常に人を着けるしかあるまい」
「そうですが……」
本当にそれしか方法がないのだ。いつどこで動いてくるのかわからないのだから、護衛を増やすしかないのだ。
自身の子供が狙われる可能性があることに、皇王も顔が青くなり不安を露にしている。
「話の途中で申し訳ないのですが、その後リーシャの縁談について何かあちらから言ってくるということはありませんか?」
「それなのですが、断りの手紙を出してはいるのですが、一度引き合わせるだけでもいいからと何度も手紙が届いています」
「リーシャの婚約者になる男にも護衛は、必要になるだろうな」
申し訳無さそうな顔を見せ、縁談について問いかけたカシに答えたのは宰相だ。
2人の話を聞き、婚約者も危険に晒される可能性があることに気づき、それを伝えた。
対策を練るどころか、問題が次々と積みあがっていく。これ以上でるまえに、ひとつずつ何らかの手を売っていくべきだろうと考える。
「私たちが、出来る限り護衛は回そう。空からであれば気づかれることはないだろう」
「感謝いたします」
どうせ護衛をつけるなら、飛べる者の方がよほど役に立つと考え提案してみれば、皇王に礼をいわれた。彼の顔色が少しだけ戻ったようだ。
「屋敷についてはいかがしますか?」
私の考えに気づいたらしいデイハが、それを後押しする。
「そうだな。取りあえずは塒に張った壁を改良して、許可のある者以外の進入を拒むようすれば、屋敷が消えることもないだろうし当面の間、問題はなかろう」
「訪ね来た者が居た場合、屋敷内に知らせる魔道具と、事前にその姿を確認できる魔道具もあればよろしいのですはないですか?」
答えた意見に頷いていたセシルが提案する。
それがあれば、危険もなくなるか……。だが、作れるだろうか? 帰って試すしかないだろう。
「それから、第2王子については、今後も監視をつづけるようにしよう。
宰相の話では、数日内に何らかの動きがある可能性があるとのことだ。
その動き次第で本人を拘束するのもいいのではないか?」
「拘束ですか?」
国王が、驚いたように問い返す。
「あぁ。我らは人族ではない。
危険が迫ってきれば、それを捕らえ殺すこともあるのだ。なんの問題もないだろう?」
説得ではなく、事実だけを陳べれば竜は頷き。人族は、視線を逸らすと言う面白い構図となった。
そこへ、ウィリアから菓子が出来たと思念が入る。
むさくるしい男の顔を見るよりは、気分が晴れるだろう。
《良かったら、城へ持ってきて欲しい》
《昼食は、食べましたか?》
《いや、まだだ》
《じゃぁ、作って持って行きますから、人数教えてください!》
そう言うウィリアに、10人だと伝え思念を切った。
「後は、国については私たちでは何も手伝ってやることができない。そこは、2人に頑張って貰うしかないのだが、どうだろうか?」
実際、人族の国ことについて、種族が違う私が口を出すことはできない。
例え両国を治める王と会話をする程度に、顔見知りだとしてもだ。
皇王と国王は互いに視線を交わし、頷いている。
この2人であれば問題はないだろうと思った。
「ひとつ、提案があるのですが」
そう切り出したのは宰相だ。この男の提案の内容はわからないが、きっと役に立つ事なのだろうと期待を寄せ耳を傾ける。
「竜大公様、セルスティア王国、アルシッドク皇国の3国で同盟を組まれるのはいかがでしょうか?」
「というと?」
「3国で同盟を組めば、それこそ他の国に対するけん制にもなりますし、グリンヒルデやそれ組する国に対して有効だになるのではないかと考えます」
グリンヒルデに対する圧力にもなるだろう。だが、我らは国を持っているわけではない。
その同盟にに入って良いものか……悩ましいところだ。
「同盟を組んだとして、おおぴらにけん制する訳にはいかないだろう。他国と戦になりかねない。対面的には、どういった意味を持たせるのだ?」
皇王が、緊迫した様子で宰相に問いただす。
こういう姿をみると、やはり国の王なのだなと関心する。
「例えばですが、この同盟に他の国が参加したくなるような、物流に関する税ですとか、出入国の際その国出身の者は、同盟に参加している国へ入国する際、その税を軽くするなどすれば、他国にも民達も受け入れると思うのです」
「なるほど、対面的には交易と関税に関することか。だが、竜大公を入れるのであればおかしいと思われるのではないか?」
「竜大公様には、魔石を同盟国へ流していただきます」
国王の鋭い物言いを物ともせず、宰相は言い切った。
魔石で良ければ、塒に大量にある。
そんなことで協力できるのであれば、そうしたいところだが、2人はどう考えているだろうか?
そう思い。皇王と国王へ視線を向けた。
「議会にかけてみなければ、はっきりとは伝えられないが、私個人はそれに乗りたいと思う」
頷いた国王は、個人的には賛成だと意思表明をしてくれた。
熟考しているようすの皇王も、顔をあげ議会にかけることを約束してくれる。
「私のほうも、一度塒で会議の後答えを伝えよう。
ここに居る者たちは概ね賛成のようだが、塒の皆にもきいてみることにしよう」
そう伝え、この件はそれぞの国で会議の後どうするかを決めることがきまった。




