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竜達の愛娘  作者: ao
第二章 ―冒険者ギルド編―
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警告・・・冒険者ギルド①

 お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマークを頂きありがとうございます。お時間ある時にでも、感想をいただければ嬉しいです。

/シュベル


 その日の深夜のことだった。私は朝ジオールの話に出た場所に来ていた。できるだけ小さな竜体になり木々を抜け周りを警戒していた。その時だった、木々の向こうに松明の光が見え、複数の足音と金属が何かに当たりカチャカチャと鳴る音が聞こえる。


 直ぐにジオールに思念を飛ばした。


《ジオール、昨日お前が見た冒険者たちがいたのはこの辺りか?》


《いいや。もっと先じゃった。ここは領地の範囲じゃからの。目印をつけた岩の先に昨日はいたはずじゃ》


《ならば、明らかな侵略行為と見て問題なさそうだな……》


《残念ながらそのようですな》


 非常にめんどくさい……はぁ~。無意識に溜息が漏れた。


《仕方がない、警告をしてくるお前はここで待機。他の者たちにも連絡を入れて、ここで一緒に待機しておいてくれ》


《かしこまりました。お1人で大丈夫ですか?》


《誰に言っているのだ……》


《ふぉふぉふぉ》

 

 ジオール、笑い声に見送られ、私はその松明の光へと飛び、視認される前に魔法:擬人化を使い人化した。地に落り立ち、松明の光を目指して歩く。光まであと数メートルと言うところで、私は異変に気付いた。音はするのに、人族の姿が見えないのである。


 どう言うことだ? 松明だけがそこに浮いているように見える。何か特殊な魔法か? それとも魔道具か? 考査は後にし、警告を伝えるため声を響かせる魔法:拡声(スペテボス)を使った。


「ここは我、領地である。許可無き進入は侵略行為である。これは、最終警告であり、それ以上進むようであれば命は無いと知れ!!」


 私の声が、近隣に響いたと同時に、松明の動きが止まり。それまで鳴っていた全ての音が消えた。更に私は続ける。


「冒険者に告ぐ!! 自国他国問わず我の許可を得ず、このような時間に何用か? いかに上手くその姿を隠そうとも、我の目、耳はごまかせないと知れ! 即刻立ち去るなら見逃そう、だが抵抗するならば容赦はしない!」

 

 そこまで告げた私の右の林から、具足の音が鳴ると同時に、私の頭めがけて剣が降り注いだ。私はそれを右手で弾き折と、キンッと音が鳴り響き剣先は、トスっと言う音と共に、近くの木の幹へと刺さっていた。それとほぼ同時に、矢が降り注ぎ、魔法が私を焼く。降り注いだ矢を風魔法でなぎ払い


「あ~! 折角作った服が燃えてしまったではないか!」


 苛立たしい思いを込め、私はそう言うと、魔法が飛んできた一帯に、土と水魔法を混ぜた、泥水を降らした。


「キャー!」や「ううぇ」など、多数の声が聞こえる。声を出してはどんなに隠れていようと意味が無いのだ。その声がした場所、ひとつひとつに呪縛の木魔法を使って行くとなんと30もの人族が転がっていた。数の多さに呆れるべきか……戦闘を仕掛けておいて、この様に呆れるべきか……非常に残念なことだ。


 ジオールへ思念を送る。流石にこれだけの数を1人で運ぶのは億劫だ。


《ジオール、終わったぞ。見えない位置で、人化してくるように!! それと、明日こいつらは全員冒険者ギルドに運ぶ。決して手を出すなと伝えておいてくれ》


《はっ》


 短い返事を返し、直ぐにやってきたジオール達によって、私が捕らえた冒険者は全員の首から、冒険者の証である首飾りを外し、窓の無い箱馬車数台に詰め込んだ。

 

 明日、日が昇り次第、冒険者ギルドへ連れて行くことにしたのだ。急遽、魔法で服を作り直し、屋敷へ帰ると部屋に戻り、今日捕獲した冒険者の首飾りを全て確認した。20人が前に見た首飾りを同じ文字だった。残り10名はなんと、デュセイの冒険者だった。

 

 それを知った私は、どっと疲れを感じ、ウィリアの寝顔に癒され、そのまま眠りについた。


 次の日の朝、私はウィリアと朝食をとった後、学園に送り届けアルミス・ルリアにウィリアの周りの監視を任せると箱馬車を西門側の森へ移動させ、西門からデュセイの街へと入った。朝食を配る際確認したのだが、1台に6人を無理矢理押し込めたせいか、冒険者たちはあまり良く眠れなかったようだ。冒険者ギルドに着くまでの間だ、暫く辛抱してもらうしかない。


 デュセイの冒険者ギルドは、2ヵ所あり、住民区と呼ばれる場所に1つと貴族区と住民区の間に1つある。今回訪れたのは、デュセイの冒険者本部となっている住民区の方だ。冒険者ギルド前に5台の箱馬車が止まると、中から多くの冒険者が姿を見せた。

 

 私は馬車の御者台から降りるとベルンを連れ、冒険者ギルド内部へと入る。そのまま受付まで歩き、受付に座っていた女性に声をかけた。


「すまないが、この冒険者ギルドで一番上の者呼んで欲しいのだが」


 そう言うと、女性は訝しむ顔になると、肩肘を受付のカウンターに置き自身の髪を指先で遊ばせ


「申し訳ございませんが、お約束の無い一般の方とギルド長を会わせることはできません」


 やたらと、対等の悪い受付嬢に当ってしまったようだ……。


「ならば、言い方を変えよう。昨夜、自領に許可無く進入し、警告をしたにもかかわらず、攻撃を仕掛けてきた冒険者30名を捕らえ足を運んだ! と言えばギルド長とやらに会わせて貰えるのだろうか?」


 私の強い口調に、顔色を変えた受付の女性は「お待ちください」と伝えると足早に、階段を登っていった。中に戻ってきていた冒険者たちの口から「だから言ったんだ」や「成功報酬高いからって理由でやることじゃねーよな」などと聞こえてきた。


 不思議に思った私は、あたりを見回した。すると右の方に沢山の紙が貼られている。その中に竜の絵が書いてある紙が張り出されていた。


 私はその紙の元へ歩を進める……。紙に書いてある内容に目を通し、うんざりした気分になった。

 

 その内容とは、近隣の集落を襲う竜を討伐。竜を討伐して頂いた暁には金貨1000枚とその他竜の死骸から取れた物を売却後生産する。と書かれている。


 近隣の集落など竜が襲うわけが無い!! 誰が発注したのかも明記されてはいなかった。これは、本格的に人族とのあり方を見直すべきかもしれないななどと、考えていると、2階から大柄な男と、細身の男と先程の受付が降りてきた。


 男たちは、受付の女性が指差す私のほうへ視線を向けると、目の前まで歩いてやってきた。


「受付から聞きいたが、冒険者が領地へ侵入したって? その程度のことで冒険者を捕らえたと聞いたが、そんな些細なことで呼び出されても困るですがね?」


 あぁ、この男は頭が可笑しい類なのだな。開口一番の言葉がこれではそう思うしかない。私は、大きく溜息を吐くと首を傾げ、大柄な男へ正しい言葉を伝えてやった。


「お前たちは、言葉も通じないのか? 私が伝えた言葉とはまったく違うぞ! そこの受付の女はそれほど、物覚えが悪いのに受付などできるのだな! いいか? よく聞け!」


 大きく吐息を吐き出すと言葉を続けた。


「昨夜、自領に許可無く進入し、警告をしたにもかかわらず、攻撃を仕掛けてきた冒険者30名を捕らえ足を運んだ! と私は言ったのだ!!」


 私を侮っていた男たちは、この言葉を聞いてもなお、改めるつもりはないのようで、話しを続ける。受付の女に至っては、何故か胸を張っているように見える。


「夜に突然、人が姿を表せば誰だって攻撃する。その程度も知らないで、お前こそ冒険者のなんたるかを知らん愚か者だな」


「冒険者がなんたるかなど、知るわけがないだろう? 私は人族では無いのでな」


「はっ! 人族じゃねーなら、何族なんだってんだ! 妄想も対外にしとけ、ひょろ野郎!」


この男は何が言いたいのだろうか? 私の言葉は、もしやこの男には通じないのだろうか? 人族と話すというのは本当に難しいものだな……


「……はぁ。もういいお前と話すことは無い。冒険者はこちらで全て処理する。それでは失礼する」


 立ち去ろうとすれば、何を勘違いしたのか


「逃げるのか? 腰抜け」


 大柄の男が放った一言に、クスクス笑う周りの冒険者たち。ベルンの眉間の皺が更に1本増えたのを確認した私は、出来る限り迅速にこの建物を離れるよう移動した。

 

 冒険者ギルドを出て、城へと向うため御者台へと乗り込む。ギルドから出てきた大柄な男は、更に言葉を続ける。


「お前のような腰抜けが、このギルドに二度と顔を見せるな! ハハッハハ」


 男が、言葉を吐き捨てるように言うとギルドへ戻ろうと振り向いた。その次の瞬間、ギルドが轟音を立て崩れて行った。


「はぁ~。お前たち……あの程度の言葉でそう怒るな。中に居たものは無事なのだろうな?」


 深い溜息と共に、ベルン・カシ・ジオール・アルティ・リュークへと視線を向けた。


「はい、中の者にはもっと苦しんで貰いたいので、防御の結界を貼って差し上げましたよ」


 極上の笑顔で、カシがそう言った。それに同意するように、ニコニコと笑うアルティが


「何人か無残に死んでても、良かったんだけどなぁ~!」


 その横から、舌打ちする音が聞こえたと思えば、ベルンが底冷えする瞳でギルドを見詰めていた。


「ふぉふぉふぉ、我らが王に敬意を払うことすらしない、雑魚にはもっと苦しみを与えるべきじゃ!」


 優しそうな声音で、恐ろしい事を言うジオールがいる。


「まぁ、皆さん抑えて下さい。このあとどうせ、処刑されるんですから……」


 そう言うと、爽やかな紳士スマイルを浮かべるリュークがいた。


 そんな5人の様子を遠巻きに見ていた冒険者たちは、明らかに顔を引き攣らせ、数歩後退している。大柄な男は、元ギルドがあった場所に呆然と立ち竦み微動だにしない。


 急ぎ中から救助された者たちには、恐怖に顔を染め、ガタガタと震えている。怪我はないようだが精神状態はまずいかもしれない……。

掲載方法を少し変えました。どちらが読みやすいでしょうか?

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