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竜達の愛娘  作者: ao
第二章 ―冒険者ギルド編―
53/108

侵入者・・・アカシ?②

 ②です。

 お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマークを頂きありがとうございます。お時間ある時にでも、感想をいただければ嬉しいです。

/シュベル


「それで、これから話すことが一番重要な案件なんだが……」


 私がそう切り出せば、皆が私に注目し、話しを聞く体勢を整えてくれる。


「皆の安全を守るため、どうにかできる方法がないか相談したい」


 そう言い終わると同時に、ジオールが手をあげ直ぐに案を出してくれた。


「領地の境界となるところに、壁を作ってはどうでしょう?」


「囲うと言う案には賛成だが、それでは、獣魔などがいずれ居なくなるのではないか?」


 と、デイハが、賛成しつつ問題点を指摘する。


「確かに、壁で囲うのは問題になりますね……結局沢などは水が流れていますし、渓谷に至っては、地中深く亀裂が入っています。そこを塞ぐとなるとかなりの問題があるかと……」


 追従するように、ベルンが反対意見を出した。


「それでしたら、魔法の壁を作ればどうでしょうか?」


 カシが、新たな意見を言う。


「魔法の壁ですか?」


 リュークがその意見に反応した。

 

 その後は、魔法の壁をどう作るかと言う話になっていった。魔法の壁と一言で言っても、様々である。例えば、不可視にする、迷わせる、など意見交換は、ウィリアから皇王たちの来訪が告げられるまで続いた。また後ほど、具体的な内容を相談することを告げ私は、屋敷へと移動する。


 屋敷のリビングに入ると、既に皇王たちの前にお茶が出され、ウィリアによって作られた収納袋が、宰相の手元に置かれていた。この収納袋は、容量さえ超えなければ結構な量を収納できる。魔法:個人箱を応用し、袋にしたものだ。


 皇王たちの対面に座ると、ウィリアが「お帰りなさい」と言い、コーヒーを出してくれた。芳醇なコーヒーの香りにと、コクのある味わいを楽しみ、皇王たちへ話しをふった。


「すまないが、知りたいことがいくつかある。答えられる範囲で構わないから教えてもらいたい」


 私の言葉に、真顔になると2人共頷いてくれた。


「まず、カシールの森に、最近出没する光についてだ。どういう類のものか報告されているか?」


 そう問いかければ、宰相が答えてくれる。


「カシールの森に出没する光については、こちらでも調査団を送っています。今のところまだなんの知らせもありませんが、近くの村の者の話を聞く限りでは、松明に近い色合いの光が、四方にばらけて移動するのを目撃しているようです。

 ただ、人の姿はみえなかったと言っていたそうで、そう言った魔獣なのではないかと報告があがっています」


 松明の色合いの光だけが、四方に移動しているか……。人の姿も見えなかった?


「魔獣の姿は見えたのか?」


 宰相は首を横に振り、否定する。


「次だ、カシールの森から帰還した冒険者がいると聞いた。その者達と話しをしたいのだが会うことは可能か?」


「申し訳ありません、冒険者については、私たち国がどうこうできる者ではありません。冒険者に会うには、冒険者ギルドに問い合わせ、本人たちの意思により、会うかどうかが決まります。その際少なくない、資金が必要となります」


「なるほど……。冒険者ギルドか、私が行っても問題ないだろうか?」


「それは、問題にはならないと思われます」


「わかった。では最後の質問だ、実はカシールの森の話を聞き、巡回を強化したところ私の領地から見える位置で、昨夜、複数名の冒険者が目撃された。

 その冒険者が落とした、首飾りがこれだ。内容は冒険者ギルト シュトラス支部 Bランク アルスティ・コーセン、となっている。これに関して、国として同判断する?」


 2人の表情が、一気に真剣みを帯びたものに変わる。私が机の上に乗せた首飾りをその手に取ると、確認するように文字を目で追った。

 逡巡しているらしい、2人を暫くの間置いておくことにして、私はウィリアへ声をかけた。


「ウィリア」


 チョイチョイと手招きすると、ウィリアは読んでいた本を閉じ私の元へ歩いてやってくると、膝の間に座る。今日の髪型は項がよく見えるため、少しだけ鼓動がドキっとする。できるだけ、項に視線をやらないようにしながら、相談を持ちかけることにした。


「領地にそって壁を作ろうと思うんだが、魔法で壁をつくるなら、ウィリアはどんな魔法を使うべきだと思う?」


 うーん、と唸るような声を出して考え、私を振り仰ぎ見ると


「許可の無い人族の通行無効化! なんてどうでしょうか?」


 とても、可愛い!! いや、今はそんな事を考えている場合ではなかった。


「それは、いい案だが許可はどうやって出すんだ?」


「元々、塒の周りには人族の集落はありませんよね?」


「そうだな。領地を貰った時に確認したが無かったな」


「だったら、許可を出す必要は無いですよね?」


「なるほど!! 本当にウィリアは、賢いな!!」


 うりうりと、ウィリアの頭を撫でてやれば、ウィリアも嬉しいのか私に身体を預けるようにしな垂れかかり、ふふっと笑い声を上げ、ニコニコと私に微笑みかけてくる。


 久しぶりに、ウィリアに触れたせいか、手はとまることなく撫で続け、ウィリアも私を止めることなくそれを受け入れていた。


 ハッと、正気に戻った時には、皇王は羨ましそうな目をして、宰相は呆れた目で、私たちを見据えていた。慌てて、咳払いをしてウィリアを降ろすと、2人へ向き合った。


「それで、どうだ?」


 私がそう声をかければ、皇王がボソリと呟く


「実に……羨ましい……」


 最近リーシャにまったく構えてもらっていないのか、皇王の何かを刺激してしまったようだった。私は苦笑いでそれを交わすと、宰相に助けを求めるように視線を向けた。


「こちらといたしましては、やはり冒険者である以上、事を起さない限り様子見するしか無いと判断いたします」


 先程の、面会の件と同じように、冒険者ギルドに掛け合うしかないと言う事だろう。


「わかった。それで、我らの方としても、相手がグリンヒルデ王国の者である可能性がある以上、このまま相手の思うままにするつもりは無い。領地の境界にそって、魔法の壁を作るつもりだが、それに関して何かするべきことがあるか?」


「魔法の壁ですか……」


 興味深いと言う顔で、宰相が反応した。


「魔法の壁と言っても、見た目は普段どおりだがな。まだどんな壁にするのかは決まっていないが、不可視の場合は、その景色だけをただ見せることになる。中に居る魔獣や竜の姿はみえなくなる」


「なるほど」


 驚いたように頷く皇王たち


「特に何かをして頂く必要はございません。シュベル様にお渡しした領地に、人族の集落はございませんので、問題ないと思われます」


「そうか、助かる」


 話しを終えた私は、その後のグリンヒルデ王国の動向などを聞き、ウィリアの用意してくれた昼食を食べると、皇王たちを見送り、塒へと戻った。


 塒の会議場に、先程参加した者たちが揃っていた。一様に顔色は冴えないようだった。私が席に着くと同時に、皆の考えた案を発表していくこととなったが、どれも反対する意見が必ずでる。と言った状況で採用するには至らない案ばかり――皆が黙り込み、頭を抱えはじめるのを見て、私はウィリアの案を出してみることにした。


「壁を施す魔法に、許可の無い人族の通行無効化 と言う魔法をつけるのはどうだ?」


 ハッとした顔を見せたのは、ジオール・デイハ・ベルンである。リューク・カシに至っては、何度も頷いている。

 ハッとした顔を見せるも直ぐに、冷静になったベルンから質問の為の挙手があがる。


「まず、その魔法で決定で宜しいと思います。ですが……。どうやって壁を作るのでしょうか?」


「それについては、魔道具で対応させる。今ある魔石で事足りるだろう」


「それを、どのように配置するのですか?」


「配置に関しては、地中に埋める。そこから上に魔法の壁を作る形をとる。人族だけを縛るため獣魔の生態系を崩すものでもないしな」


 皆が納得し、頷いてくれている。この件はこれで決まりでいいだろう。早めに設置と行きたいところだ。その後、壁を作るための魔石がどれ程必要になるのかなどの話しをしたのだが、こればかりは実際に魔法を作り出してからでないとできないと言う結果になり、明日試すこととなった。

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