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竜達の愛娘  作者: ao
長めのプロローグ
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魔法と父

評価・ブックマークをいただいた方、また読んでいただいた方々ありがとうございます(土下座:心の中で)。

中々人物描写が難しい…どうしよう…次(8/24)更新分は4話UPになります…何故か…それは長いからです(吐血)

 名を付けてから、既に3年の月日が経っていた。思い出せば、ウィスユリアが初めて寝返りした日、ハイハイした日、食事をした日などとても感慨深い思い出だ。


 その中でも初めて、言葉を話した日=シュベルをとーたまと呼んだ日など、感動で涙した程だ!! ウィスユリアの略称は、ウィリアとなった。周りの者達もみな、ウィリアと呼ぶ。


 ウィリアが、大きくなるにつれ、人の知識を得る機会が多くなる。周りの者達も人の生活などを見てきたりと、色々な知識を皆で集めたりしてきた。


 その中でも一番と言えるのは、人は裸ではなく服を着ている事だろう。竜から人化する際どうしても裸になってしまう。基本竜の姿で居る限り裸なわけだが……

 

 この集落の、竜達と話し合いを行い、ウィリアがいずれ人の国に行く事などを考慮し、皆に服を着せるべきとの結果がでた。その結果、普通の布では、解除の魔法を使用した際服が破れてしまうため、魔法:万物知識創造を使い、魔法で擬人化した際服を着用した状態になる、状態魔法:伸縮(フレブリー)を作った。また同じ内容で、それぞれ塒はあれど、いずれ必要になるだろうと、塒のいくつかを繋げ、そこに丸太を組み合わせた家を建てた。


 家の内装などは、よく分からない為、人の知識を探り食事の時に必要な物なども全て魔法:万物知識創造で作り出した。皆ができるだけ、人化した状態で過ごすようになり、家の個数も着々とこの3年で増えている。


「ウィリア、そっちは危ないぞ」


 何かを探すように崖の柵の傍までトテトテ歩くウィリアに声をかける。こちらを振り返りトテトテとこちらに向かって来る姿は、本当に天使のようだと思う!


「しうべる、とーたま。じーおじ。どこ?」

「ジオールを探していたのか……ジオールは、今食事に行っているぞ。帰ったら遊んでもらうといい」


 舌打ちしたい気分だ……。だが、可愛いウィリアを抱き上げ頭を撫でた。とーたま――とーたま。本当にこの子は可愛い!!


 思い出すだけで顔がニヤけてしまいそうだ。いかん! いかん!! しかし、ジオールにやたらと懐いたな……これはとーたまとしては由々しき事態だ!!


「む~~~ぅ、じーおじまーだー?」


「もう少ししたら、帰ってくるからそれまで、とーたまと遊ぼう。ウィリアは何したい?」


「ん~とね、うぃりあまほうつかいになるの。べんきょうするの~!」


「そうか!! ならば、とーたまが魔法を教えよう」


「いいのー? ほんと?」


「あぁ、いいとも!」


「やったぁー」


 両手を挙げて、笑顔で喜びを表すウィリアをみるだけで至福だ――ハッ!! いかんまたトリップしそうになった。魔法を学びたいか……。幼子に魔法を教えるのは問題ではないが、人にどこまで魔法が使えるのだろうか?


「とーたま?」と首をかしげて、見つめてくるウィリアの姿は本当に可愛らしく、父性をくすぐってくる。


 とにかく教えてみよう。使えなさそうな魔法は、無理に習得させる必要はないだろう。そう思い、ウィリアを下に降ろし、目線を合わせるように屈む。


「では、練習をしてみよう。怪我しないように、とーたまがダメだと言ったら直ぐに魔法を止める事、約束できる?」


「あい!」


「あと、とーたま以外の前で魔法を使う事もダメだからね?」


「あい!」


「よし、じゃぁやってみようか…まずはそうだな、風魔法にしよう」


「あい! かぜ……まほう」


 風魔法を学ぶ上で初歩といわれている、風弾(ウィンドストライク)まずはこれを教えてみる事にする。右手人差し指を立てて見せながら


「ウィリア、風魔法で最初に覚えるのはこれだよ。風弾」


 詠唱すると、人差し指の上に野球ボール程の風が渦巻く玉ができた。


 見ていたウィリアは、目を見開いて驚きその後、「しゅごいしゅごい」と抱きついてきた。危なくないよう、すぐさま風弾を消し、ウィリアを受け止める。


「さぁ、ウィリアもやってごらん」


「うん、うぃりあがんばる」


 ウィリアは、シュベルをマネ右手人差し指を上に向け詠唱する。


「うぃんどすとりゃいきゅっ」


 噛む姿も可愛い!! ウィリアの姿を愛しく思い頭を撫でる。噛んでしまったせいで、魔法が失敗したと悲しそうな顔をするウィリアを慌てて、慰め諭す。


「ウィリア、もう1度ゆっくり、言ってごらん? 焦らなくていいから」


「ぅん……」


 コクリと頷いて、もう一度指を立て


「う・ぃ・ん・ど・す・と・ら・い・く」


 今度はきっちり発音できていた!! 誉めようと手を伸ばしかけたその時――ウィリアの指の上にゴウゴウと音を立てる、直径5メートルはある風弾が現れた。


「ウっ、ウィリア、ダメだ!!」


「とーたま……? どうやってけつの?」


「消えろと念じて!! 直ぐに消すんだ!!」


 ビクッと肩を揺らすとコクリと頷き、目を瞑ったウィリアの指先にあった、風弾はその後すぐに消えた。そうか、まずは魔法を使う上で重要な、魔力操作を教えるべきだったのか失敗した。この子はまだ3つだ、我らは生まれた時から、親を見て学び魔力の操作などを勝手に行う。


 だが人は違うのだな。少し強めの口調で言った為、ウィリアは怒られると思っているのか、うるうると潤んだ瞳でシュベルを見上げる。


「とーたま、ご……ごめんなしゃぁい」


「ウィリアが謝る事じゃないよ! とーたまが、基本をちゃんと教えていなかったせいだ。謝るならとーたまが謝らないと、ごめんな。ウィリア」


 そう言って、優しくウィリアの頭を撫でてやる。撫でられるのが好きなのか、今にも泣きそうだった顔が笑顔へと変わる。柔らかい髪質で、いつまでも撫で続けていられそうだ、手を離すことができない!! 何故だ――!! いい加減止めなければと思うのに何故離れない!! 否、離したくない!!


 顔面が崩壊を起こしデレデレするシュベルの様子を見ていた、ベルンがシュベルに耳打ちする。


「はぁ……。王……顔面が総崩れです……」


「ん? 顔? がどうかしたか?」


 スッと、デレから真面目な顔に戻ったシュベルが当たり前のようにベルンに返す。その様子に、ベルンは一度吐息をつき


「まったく、ウィリア様の傍にいる、王は本当に王なのか不安になるほど顔面偏差値下がってますよ。せめて皆の目のある場所では威厳のあるお顔をお願いいたします! 我らの主なのですから!」


 怒られた!!


「スマン」


 確かにウィリアの傍に居る時は、どうしても可愛くて抑えがきかなくなってしまう……今後気をつけなければ。


「ところで、ウィリア様の魔力の事ですが……」


「あぁ、かなり多いな――しかもまだ魔力を上手く扱えていない。まずは魔力操作を教えるべきだな」


「そうですね、もし暴走でも起こそうものなら、この辺り一帯を消し飛ばし更にウィリア様の身体が細切れになる可能性もあります」


「そんな、不吉な事を言うな、ベルン」


 なんでもない事のように、不吉な事を告げるベルン


 ベルン自身は、ウィリアのことを心配して発言をしているのだが、常に冷静であり表情も変えない(無表情)為、余計に不安を煽る形になっている。


「とーたま? うぃりあぼうそうするの?」


 不安な表情で問いかけるウィリスに


「いいや、暴走を起こさない為の訓練をしよう」


「くんれん! うぃりあがんばる!」


「そうか、一緒に頑張ろうな」


 と諭しその日から、ウィリアの魔力操作訓練が始まったのだった。


 幼い姿で毎日、身体を巡回する魔力を感じるべく目を瞑り手を合わせ微動だにしないウィリアの姿がある。最初の頃はただ見ていただけの生後10日程の産まれたばかりの幼い子竜達も、今ではウィリアと一緒になり魔力操作の訓練を始めている。


 小さな竜の姿でウィリアと共に並び、「うーん、うーん」と唸っている姿は、微笑ましく見守る大人たちの癒しとなっているようだった。


「まるで、兄弟姉妹のようですな」


 あれだけ、人族の子を嫌っていたジオールが!! 孫を見る目で、微笑む。


 小さな尻尾がゆらゆらと揺れている、時折吹く夏を思わせる風にウィリアの髪が揺れる。いつまでも見て居たくなるそんな光景を少し離れた場所から静かに見守る大人たちの姿がそこにはあった。

漢字ミスと、セイフと合わない表現があったので訂正しました。

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