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竜達の愛娘  作者: ao
第二章 ―冒険者ギルド編―
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訓練・・・差し入れ①

 いつもお読みいただきありがとうございます。評価やブックマークをして下さった方々に重ね重ねお礼申し上げます。お時間ある時にでも、感想をいただければ幸いです。

/シュベル


 ウィリアと合流した私達は、第1演習場に居た。演習場内には、既に魔力操作を練習したい講師たちが、揃っているようだった。講師たちの中から、3人の男女が此方歩いてくる。


「ご足労いただき、ありがとうございます。本日からよろしくお願いします」


 そう言って、軽く頭を下げてきたのはニルク学長だった。


「あぁ、学長も参加するのか?」


 疑問を口にすれば、彼は大きく頷いき


「えぇ、もちろんですとも! 折角の機会ですから学ばせていただきたいと思っております」


 彼はニカっと笑った。そんな彼の横から、声がした。


「私も、共に学ばせていただきます。ご指導よろしくおねがいします」


 声の主は、副学長だった。

 彼には、先日の件もあり、あまり良い印象を抱いていない、ジオールとアルミスが思念で不満を漏らしてきた。


《こやつにも教えるのか……》


《私、この方に教えるつもりはございませんわ》


《我らをたばかる発言をした者に教えるなど……》


《まぁ、落ち着け! お前達の気持ちは分るが、副学長にだけ教えないと言う訳にはいかんだろう?》


《私、担当は違う方がいいですわ》


《わしもじゃ》


《わかった、お前達は他の者を担当してもらう事にするから、心配しなくていい》


 ま、2人の気持ちは理解できるし、嫌なものを無理にさせるつもりも無い。私が受け持てば問題ないだろう。そんな事を考えていた。


「先ほどは、挨拶できずに申し訳ございませんでした。私、当学園にて学長付きの事務官をしております。マリア・セイフォンと申します。本日より、魔力操作の訓練にも参加させて頂きます。以後よろしくお願い致します」


 マリア事務官は、綺麗にお辞儀をした。


「あぁ、竜大公シュベル・クリム・ハーナスだ。よろしく頼む」


「ウィリア・ハーナスです」


 私が、促すより早く、ウィリアがニッコリ笑って、自己紹介をしていた。

 あぁ……なんて、出来た子なんだろう!! ウィリアがする事なす事全て、褒めてあげたい! などと考えているうちに、ジオールによってウィリアが褒められていた!! チッ!


「ほんに、ウィリア様はかしこいのぅ」


 ウィリアの頭を、ゴリゴリと撫でている。ジト目でジオールを見れば、デレっとした孫を溺愛する爺の顔をしていた。

 ジオールの顔を見たらしい、ベルンが咳払いをすると


「ジオール様、顔が土砂崩れを起していますよ」


 そう、突っ込んだ。言われたジオールはフンと鼻を鳴らし


「顔が、土砂崩れだろうが、雪崩だろうが、わしはウィリア様が可愛いのじゃ! 利口な孫を褒めて何が悪い!」


 堂々と、ゴネていた。流石ジオールである。言われたベルンも、呆れ顔をするとはぁ~。と溜息を漏らしていた。

 2人の会話を聞いていた、私は、もしや……ベルンは、私やジオールに毎回こうして突っ込みを入れているのだろうか?? それは、大変だろうな……などと要らない心配をしていた。


 まだ訓練は始まらないのかと、ソワソワとしている、副学長が視界に入った。私は、ひとつ深呼吸すると、手を2度叩き皆の意識を向けさせた。


「これより、魔力操作の訓練を始める。まず先に、5つの班に別れてくれ」


 講師達に指示を出すと、竜達に向けて別の指示を出す。


「お前達は、別れた班を1つずつ受け持って欲しい。やり方はお前達に任せる!」

 指示を出し終わり、講師たちの方へ視線を向ける、袖を引っ張られて感覚に視線を向ければ、ウィ

リアが、期待した目で私を見ていた。


 シュベルお父様! ウィリアは?」


 首を傾げ、自分を指差して聞いてくるウィリアに、私は、つい顔を緩めてしまう。


「ウィリアは、私達の手伝いしてくれると嬉しい」


「お手伝い?」


「そう。私達と講師達では、どうしても種族の違いで魔力の感知がしずらい事は、ウィリアも知っているだろう?」


 私の問いに頷く事で答える。


「そこでね、彼らに私達では伝えられない部分を、ウィリアを介して伝えたいと思っているんだ」


「ん?」


 首を更に倒して、困惑の顔を見せるウィリアの頭を私はなでた。


「とりあえず、やってみたらわかるよ」


「はい」


 まだ、理解はできていないだろうに、私にこれ以上時間を使わせないように気を使ってくれた事が分り、ついついウィリアを抱きしめた。周りがざわめいているが気にしない! 先ほどのジオールの様に私も、開き直る事にしたのだ!


 トントンと肩を叩かれ、舌打ちと共に振り向けば、冷えた眼差しに口角だけを上げたベルンの顔がそこにはあった。


「っ……」


「いい加減にしていただけますか? シュベル様」


「スマン」


 開き直る事は、私には無理だったようだ。

 ふぅ~。と息を吐き出し、気持ちを落ち着け周りに視線を投げれば、既に班決めも終わっているようだった。竜達に、班をひとつ選ぶように伝え、余っていたらしい学長達の班を私が担当する事になった。


 学長達の班は、パッと見、この学園でも年長であろう3人と学長・副学長・事務官の6人で構成されていた。この中で一番年上は、私なのでなんの問題も無い。

 早速、訓練を始めることにする。


「まずは、自身の一番楽な体制になってくれ」


 私がそう言うと、各々椅子に座ったり、地に座り足を組んだりしている。全員が動きを止め私に視線を向けるのを確認し、私は説明をはじめる。


「魔力操作における、重要な事は、自身の魔力の所在を知り、自在に操る事にある。今から行う訓練は、まず自身の内にある、魔力に触れることだ」


 そこまで説明した所で、最年長であるらしい。白髪に長い卑下を持った講師・クオンが手をあげた。視線で促す。


「竜大公様、自身の身の内にある、魔力に触れるとは、いか様にして触れるのですか?」


「まず、魔力とはなんだか知っているか?」


 そう聞き返せば、副学長が答える。


「魔力とは、この世界に内包された力です」


 たった、それだけの事しか伝わっていないとは思わなかった……これでは、魔法が不得手なはずだ! 私は、内心呆れた。それでも、教えると言った以上やるしかないわけで……気持ちを切り替え説明を続ける事にした。


「……我ら、竜族が知るものと違うな。我ら竜族が知る魔力について、魔力とは、この世界に流れる粒子であり、生れ落ちた全てのモノはその粒子を、己の内に包み込んだもの。となっているのだ。簡単に説明するとだな、魔力とは、この世界の何処にでもある。それを、自身の意思によってその器の上限まで取り込む事が出来る力の事を言うのだ」


 私の話しを聞いていた、講師達は自身の服から、小さな羊皮紙と携帯用ペンを取り出すと、私の言葉を繰り返し口にし、書いていった。

 書き終わったのか顔をあげたのを確認し、私は、実践させるべく口をひらいた。


「では、魔力とはどこに触れれば感知できるのか、と言われればそれは個人個人違うとしか言えないのだ!! そこで今から実際に感じる為の実践をしてもらう。そうだな、まずは目を閉じろ。そして、自身の腹の辺りに丸い玉を想像して意識を集中してみてくれ」


 そう言うと、講師達は皆目を閉じ、集中しはじめる。様子を確認した、私はウィリアに思念を飛ばす。


《ウィリア、早速で悪いが手伝って欲しい》


 思念を聞いたウィリアが、私のほうへ顔ごと視線を向けた。


《できれば……》


 そう言って、一度言葉を切り、周りを見回す。皆やはり講師達に瞑想するように伝えたようだった。


《できれは、講師全員1人ずつ肩に触れて、彼らの腹に丸い魔力の玉を作って、その感覚を教えてやって欲しい》


《はい、シュベル様》


 嬉しそうに返事をするウィリアの声音が聞こえた。

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