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竜達の愛娘  作者: ao
第二章 ―冒険者ギルド編―
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回答・・・コウシ?②

②です。お読みいただきありがとうございます。評価・ブックマークを頂きありがとうございます。お時間ある時にでも、感想をいただければ嬉しいです。

/シュベル


 講師の打診を受けたことを、幹部達に話す。会議と言うより、どちらかと言うと人選に近いかもしれない。


「――と言うわけで、ウィリアの通う学園と魔法師団に、魔力操作を教えて欲しいと請われた。お前達の率直な意見と選ぶなら誰が良いかを教えてくれ」


 幹部それぞれが考えるように腕を組んでいる。


「わしは、どうせ教えるなら魔法師団のほうへ行きたいのですかのぅ?」


「理由は?」


「子供の世話は、年寄りのわしにはちと荷が重いのじゃ」


 なるほど、確かにジオールはあまり子供に構うタイプではない。ウィリアが特別なだけで他の子竜達に構っている所を見たことは無いなと思い出した。


「ならば、ジオールには魔法師団のまとめ役を頼む」


「請け負わせていただきます」


 大きく頷いたジオール


「ならば、私も魔法師団に行きたいのですが――」


 追従したのは、カシだった。カシはジオールの補佐役には適任な男だ、任せて問題ないだろうと考え許可を出す。


「あぁ、ならばカシがジオールの補佐を頼む」


 デイハが、発言する為手を挙げた。


「私は、人族と触れ合いたいとはまだ思えません。ですから今回の件から外していただきたく思います」


 デイハ達、元南の竜にはまだ厳しいかもしれないな。


「わかった、無理はしなくていい。他の者達も無理はしないように伝えて欲しい。それと、今回ジオールとカシが、狩りに出る日数が減る分、その代わりデイハ達に頑張って貰いたいのだが良いか?」


「もちろんでございます」


 デイハはニコやかに答えてくれた。ありがたい。


「では、学園に行くのは、私・アルミスでいいか?」


「私もお供いたします」


「ならば、私・アルミス・ベルンとしよう。アルティ・リュークにはデイハの補佐を頼む」


 皆が了承を示すように頷いていた。


 次の日には、宰相を通して学園と魔法師団に行くメンバーの名前を伝えた。

その日の午後、私は、ウィリアと2人、学園に通うために必要な物を揃える目的で町に出ていた。久しぶりの外の賑わいに、彼女は楽しそうにしていた。


 制服は、デュセイにある服飾店で採寸してもらって作って貰う決まりらしい、店はどこでもいいのか? と宰相に確認したところ、リーシャの制服を作った店を紹介してもらった。その店は、貴族街の近くにある、高級感漂う店だった。


「ここだな」


「シュベル様、ここですか?」


 ふわっと、花が綻ぶ笑顔で、ウィリアが私を見上げていた。


「そのようだ」


 そう答えると、店の扉へ手をかけあける。店内は、均等に服やドレスが並べられていて、清潔感があり、落ち着いた雰囲気があった。


「ようこそ、お越しくださいました。本日はどのような物をお求めでしょうか?」


 そう言って、奥から現れたのは恰幅のいい女性だった。私達は軽く彼女に会釈すると用件を伝える事にした。


「実は、この子が今度、皇立ジェシュタル魔法学園へ入学する事になったのでな、制服が欲しいのだ」


「さようでございましたか。それはそれはおめでとうございます」


「ありがとうございます」


 ウィリアは両手を揃え、丁寧にお礼を言った。


「それでは、採寸をいたしましょう。さぁ、こちらへどうぞ」


 彼女はそう言うと、ウィリアの肩に手を置くと、奥にある仕切りのある部屋を指し、連れて行った。採寸の間、私は暇を持て余す。

 何気なく店内の服を見る、飾られたドレスを見る、どれもウィリアに似合いそうだ、アレ等はウィリアの可憐さを現すのにいいな…それにアレも、彼女の美しさを現すのに使えそうだ……それから――


「シュ……お……様?」


 ウィリアに似合うドレスを見て、1人脳内で色々妄想に耽っていると、呼ばれた気がして横を見た。


「シュベルお父様、お加減が悪いのですか?」


 心配する顔をしたウィリアがそこに居た。私は彼女の頭を撫で笑顔を作る。


「あぁ、心配をかけてしまったな。ついドレスを見て、ウィリアに似合いそうだと考えていた。ウィリアに似合うドレスが多すぎて全部買ってしまおうかと思ったほどだ」


「もぅ、シュベルお父様……。クスクス」


 照れた顔をして、両手を頬に当てると彼女は穏やかに笑った。そこへ、女店主が声をかけてくる


「まぁまぁ、素敵なお父様ですこと!お嬢様を愛しく思われているのですわね」


 そう言って、彼女は豪快に笑った。


「あぁ、そうだな。ウィリアを愛しているからな」


 素直に気持ちを言葉にしたのだが、女店主は「まぁ、うらやましい。私もそんな事を言われてみたいですわ~」と言うと恋する乙女の顔になり手を胸の前で合わせ腰をくねらせていた。

 良く判らない女性の行動は見なかったことにすると話しを続ける。


「それで、店主。制服はいつできる?」


 はっとしたように彼女は、髪などに触れ居住まいを正す


「5日程で仕上がりますわ。他にご入用なものなどございますか?」


 彼女は、商人の顔をして聞いてきた。


「ふむ、そうだな…ウィリアに似合うドレスをいくつか欲しいところだ。そうだな……娘の好むドレスを頼む」


 そう言って、ウィリアの背中に手を当て押してやる。すると彼女は「よろしいのですか?」と可愛く首を傾げ、私に聞いてくる。頷くと嬉しそうに笑い女店主と一緒に、あーでもない、こーでもないと相談し、数着のドレスを作ってもらう事にしたようだった。


 店を後にし、古書店や羽ペンなどを売っている店が多く立ち並ぶ通りへとやってきた。ここで、羊皮紙や羽ペン・インクなどを揃えるのだ。


「さて、どの店にしようか……?」


「どこがいいのでしょう?」


 私もウィリアもこう言う店には縁が無い、とりあえず適当に店先から覗き気に入ったものを買うとしようと相談し決めた。


 最初に立ち寄った店は、羽ペンのみを売っている店だった。かなり凝った意匠が施されている羽ペンが、店先に並んでいる。こういうものを好む貴族も多いのだろう。気に入るものが無かったようで、この店では何も買わず後にした。


 次に立ち寄った店は、同じ羽ペンを扱った店だった。その店は飾りなどは無く、羽ペンの握りの部分が波打つ形になっており、使う者に合わせた羽ペンが置かれていた。いくつか手に持ってみたがとても手に馴染んだ。ウィリアもここで買うつもりなのか悩んでいる様子だった。


「いらっしゃいませ、どういったものをお探しですか?」


 そう言って、声をかけてきたのは、いかにも職人と言う格好をした、筋肉質の髭面の男だった。


「この子が、今度学園に通う事になってな、そこで使う羽ペンを探しているのだ。この子でも使いやすい羽ペンはあるだろうか?」


 私は、ウィリアの肩に手を置くと説明した。説明を聞いた彼はウィリアの方に視線を向ける。


「お嬢様、お手を見せていただいてよろしいですか?」


「はい」


 返事をしたウィリアが手を出すと、彼はウィリアの掌を上に向けマジマジとみると「ありがとうございます」と言い、店の奥へと入っていった。戻ってきた彼の手には数本の羽ペンが用意されていた。


「この辺りなら、お嬢様の手にも馴染むと思われますが…もし使い難いようであれば手にあわせ作る事もできますので仰って下さい」


 そう言うと、持っていた羽ペンをウィリアに渡した。ウィリアは、1本ずつ羽ペンを握り、試していった。彼が持ってきた羽ペンの内2本が使いやすかったようで、それを購入する事にした。丁寧に対応してくれた店主に礼を言うと、店を後にした。


 手を繋ぎ、歩いているとインクの匂いが立ち込める店を見つけ、そこへ入った。一言に黒インクと言っても、多種で中に配合された素材により、長い時その色を維持するインク、絵などの下絵に使うインク、色や重さを重視したインクなど色々あるようだった。そこで、私は店主に声をかけた。


「すまない、この子が学園で使うためのインクが欲しいのだが?」


 私の声を聞き、カウンターで調合していた店主はその手を止め、こちらを見ると、棚の左奥のほうを指差し


「あそこらにある」


 そうぶっきら棒に言い棚を指し示すと、また調合に戻ってしまった。ウィリアの手を引き、その棚に向う


「ここらにあるらしい、どれがいいだろうか?」


「うーん、瓶だけ見てもわからないですね……」


 確かに瓶だけみて、決めろと言われてもわかるわけがない、そこで私は今一度店主に声をかける


「忙しいところすまないが、試しに書きみたいなものはないのだろうか?」


 チラっとこちらに視線だけを向けた店主は


「インクの名前が書いてある紙を見てみろ」


 そう言われ、私とウィリアは瓶に張られた、紙を1枚ずつ確認した。良くみれば、掠れ具合やインクの色味、匂いなどが違うことに気付く……最初から言ってくれればいいものを……。

 結局、数種類、ウィリアが気に入った匂いのインクを買う事にした。


 最後に羊皮紙を買う。立ち寄ったのは、羊皮紙だけを扱う店にした。こういう店の方がウィリアの好みなのは、羽ペン・インク屋で学習した。だからそう言う店を選んだ。

 店内には、見本となる羊皮紙が所狭しと並べられ、番号が振られていた。1枚ずつ手に取る事も可能だろうが…量が多すぎる…そこで、ウィリアに好みを聞くと店主に声をかけた。


「すまない。手触りが滑らかで文字を書きやすい羊皮紙はあるだろうか?」


 羊皮紙を、補充していた店主は、爽やかに笑うと「こちらなどいかがですか?」と数枚の羊皮紙を持ってきてくれた。その中で、ウィリアは1枚を選び、それを店にあるだけ全て購入した。


 全て貰うと伝えると店主は、驚いた顔をしたが直ぐに用意してくれた。かなりの枚数になったが、4年間学園に通う事になるのだ、それでも足りないだろうと思った。そこで店主に、来年もこの羊皮紙を500枚用意してくれるよう伝えて、店を後にした。

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