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竜達の愛娘  作者: ao
第二章 ―冒険者ギルド編―
38/108

試験・・・カホゴ①

第二部開始です。

開始早々ですが…①・②となります。

 評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューなどいただければ幸いです♪

 竜達の愛娘 ―ものおき―

 閑話はこちらに置く事にしました。思いついたものや皆さんのご希望があれば欠かせて頂きますので、感想の方に書いて頂ければ幸いです。 https://book1.adouzi.eu.org/n6489fs/

/シュベル


 ついに、ウィリアが12歳を迎える年になってしまった。以前謁見の際、宰相から聞いた事だが、詳細が書いてある羊皮紙を確認したところ、入学試験を受けるのは11歳、試験は年が明けて直ぐに行われる。入試の成績に応じ入園が決まる。試験から、1月後に入園の式典があり学園に通う事になる。


 数日後、ウィリアは、皇立ジェシュタル魔法学園の入試を受ける事になっている。学園には、女だけでなく男も通う。所謂、共学! と言うものだろう。私は先日の、リーシャとウィリアの会話を思い出した。


『ウィリア、ご存知ですか? 学園在学中に、婚約や結婚した男女は多いそうですわよ!私も素敵な人と早く出会いたいですわ』


『そうなんだ。リーシャは可愛いからきっと会えるよ!』


『ウィリアは気をつけなきゃダメですわよ? 絶対モテてしまいますわ!! それに、言い辛い事で

すけれど、ジークお兄様もいますし! 心配ですわ』


と言う、会話がなされていたのだ!


 今までは、朝・昼・夜・時間問わず一緒に居られたのに、入試に合格してしまえば、ウィリアは学園へ通うため長い時間離れる事になってしまう。そうなるとウィリアを守る者が居なくなってしまう。由々しき事態だ!! 早急に、私が着いていける様に手を打たねば!!!


 と言う事で、私は今、王城へ来ている。皇王の時間が空くのを皇王の執務室で紅茶を飲みながら待っているところだ。宰相は、忙しいらしく今日は、一日執務室にいると言っていた。


 皇王は皇王で、忙しいらしくこの部屋にも頻繁に文官らしき者達が出入りしている。この部屋に入ってきた文官は、私を見ると、ギョッとして固まるか訝しそうな顔をするかのどちらかだ。皇王が働いているのに、私がお茶を飲んでいれば、その反応になるのは可笑しい事では無いだろう。


 暫くして、漸くひと段落ついたのか、皇王はソファーに座った。


「すまんな、忙しいときに……」


「いえ、御気になさらず、それで、今回はどうされたのですか?」


 相変わらず、人の良い笑顔を浮かべて彼は私の突然の訪問の理由を聞いてきた。


「あぁ、それなのだが、実はな、折り入って頼みがあるのだ…」


「頼みですか?」


 真剣な顔つきに変わり、彼は私の言葉を待つ。


「そうなのだ! 実はな、今度ウィリアが学園の入試を受けるだろう?」


「えぇ、それは伺っております」


「あの子は、確実に学園の入学資格を得るだろう。そこでだ、学園は共学だと、リーシャが言っていた。それに、学園在学中に、結婚や婚約をする者も多いとも聞いたのだ!! ウィリアは美しく可愛いだろう? 変な虫が付くのは困るのだ。だから、私も入りたいのだがどうしたらいい?」


「……」


 真剣に相談しているのに、彼はそのまま固まってしまった。彼ならば、きっと私が学園に入る事もなんとかできるのでは無いかと相談したにも関わらず、彼はなにも言わなかった……。


焦れた私は、彼の目の前で、掌(柏手)を打った。

パンッ! っと言う小気味いい音がなると、彼は身体をビクリと震わせ


「ぁ! 申し訳ありません。シュベル様、えっとそれで何を話していましたでしょうか?」


 記憶が飛んでいるらしい。再度私は彼に同じ事を伝えた。


「なるほど、同じ学園に通いたいという事ですね?」


「あぁ、そうだ! できれば同じ部屋に居られる事を望む! ウィリアに集る虫は全て叩き落さねば……」


「そうですか、学園の事について、私よりも宰相の方が詳しいでしょう! 彼を呼びますので、お手数ですがもう1度お話いただけませんか?」


 そう言うと、執務机の上においてある、魔石を取り宰相に思念を送っているようだった。その後、1時間ほど待たされ、宰相は私の見知らぬ男を連れ立って、執務室へ入ってきた。


「お待たせいたしました、竜大公様」


 丁寧な礼をする宰相。横の男に目をやり、隣の男が口を開く。


「お初にお目にかかります。私、皇立ジェシュタル魔法学園にて、学長をしております、ニルク・マークスと申します。以後お見知りおきを……」


 ニルクと名乗った男は、見た目50代位の明るい茶色の髪に青の瞳をしている。ニルクは私に握手を求め手を差し出した。私もそれに答え


「この国で、竜大公を名乗っている、シュベル・クリム・ハーナスだ。よろしく頼む」


 挨拶を終え、ソファーに座る。


「それで、ご令嬢がお通いになる上で当学園について不安があるとお伺いいたしましたが……」


 ニルク学長は真剣な顔をして聞いてきた。それに答える私も真剣そのものだ。


「そうだ。今年私の娘、ウィスユリアがそちらに受験する事になっている。娘ならば、間違いなく合格し入学するだろう!」


「ほぅ、それほどに優秀なお嬢様なのですね」


 関心したように頷くニルクに私は話しを続ける。


「今年から通っている、王女リーシャが先日、私の娘と話しているのを聞いたのだ!! そちらの学園は共学だからこそ、学園の在学中に結婚・婚約をするものが多いと……」


「確かに、在学中に恋人になり、結婚や婚約する生徒は多いですね」


 ニルク学長はリーシャの発言を肯定する事を言った。


「私の娘、ウィスユリアは絶世の美女と言っても過言では無いほど美しく・可憐な少女なのだ! その娘を、学園に1人で通わせれば、間違いなく虫が集る!それだけは阻止せねばならんのだ……」


 必死に訴えるシュベルを余所に、皇王と宰相は呆れた顔で苦笑いをしていた。そんな2人には気付かずシュベルは続ける。


「そこでだ、私を学園に通えるようにしてもらいたい!ウィリアと同じ部屋に居られるようにしてくれればそれでいい。どうか頼まれてくれないだろうか?」


 ニルク学長は、怪訝に眉を寄せ皇王と宰相を交互に見ると私に向き直り。


「本気でそうお考えなのですか?」


 私は大真面目に頷いた。


「申し訳ありません、皇王陛下、その竜大公様のご息女についてお伺いしてもよろしいでしょうか?何分、私自身お会いした事が無いので……」


 何故か、ウィリアの事を私ではなく、皇王に訪ねたニルクに頷き、自身の知るウィリアを語って聞かせる。


「確かに、ウィスユリア様は優しく、美しく、可憐な少女だ。料理も裁縫も得意のようだし、淑女と言っても過言では無いだろう。それに、シュベル様の心配は過保護の一言で片付ける訳にもいかない理由がある……」


 何度も小刻みに首を縦に振っていたニルク学長は話の続きを促す。


「その理由とは?」


 皇王は少し、苦い顔をする、溜息を吐くと話しを続けた。


「それはだな…私の息子である第二皇子ジークが、何度も断られているにもかかわらず、未だにウィスユリア様に執着しているからだ……。何度か、見合いをさせているのだが、頷かないのだ」


「そっ、そうだったのですか、ジーク殿下が……」


 疲れた表情を見せ、頷く皇王。

 同じく疲れた顔で宰相が言葉を付け足す。


「ジーク殿下は、幼い頃にウィスユリア様に一目惚れされて以来、事ある毎に求婚されています。何度か、竜大公様、ジオール様が、注意をされているのですが、未だ思われているようなのです。見合いも断ってしまわれ――ですから、ウィスユリア様が学園に通われ周りに、止めるものが居ないと判れば、暴走する可能性もあるのです」


 疲れた顔から、諦めた表情に変わった宰相は、眼鏡の奥にある目を何度か瞬きニルク学長にその話が事実であると告げていた。


「なるほど、皆様にお聞きした話の解決策をこの場で、私個人の意見だけで決める事はできません。一度、学園に持ち帰り講師達と話し合いたいのですが、よろしいでしょうか?」


 確かに、この場でどうにかできる問題ではないだろう。1国の第2皇子が付きまといしている(ストーカー)などと言えないだろうからな…。


「あぁ、私は構わない。その話し合いの折にでも、私が通えるよう話しをしておいて貰いたい」


「私も構わん」


「同意いたします」


「善処いたします」


 そうして、後日、会議にかけその結果は、私達3人が揃った日に行う事で話が決まり、相談事は学園へと持ち帰られた。私は、少しだけ心配事が減り、悠々と屋敷へ帰ったのだった。


 話し合いから2日後、ウィリアの入試の日になった。緊張した顔をしているウィリア・ジオール・アルミスと4人で馬車に乗り込み。皇立ジェシュタル魔法学園へと向った。会場へは、受験者のみしか入れないようになっていため、私達は、学園の入り口で馬車を降りた。


 ぎこちない顔で、笑うウィリアの頭を撫で、彼女の視線の高さに合わせ片膝を付き屈み


「ウィリア、緊張しなくていい。お前ならきっと、大丈夫! それにだ、絶対この学園に入らなければいけないわけではないのだ。気楽に楽しんでおいで」


 私の言葉を受け、ジオールも励ました。


「そうですぞ、ジオールはウィリア様を信じておるからの。大丈夫じゃ」


「ウィリア様、筆記用具は持ちましたか? それから、ほらリボンが曲がっていますわ。それとこれを口に含んでくださいませ。試験中お腹が鳴っては恥ずかしいですからね」


 そう言うと、アルミスは袋から取り出した、マカロンをひとつウィリアに食べさせている。心配性の母親のように、世話を焼いていた。

 私達の声援を受けウィリアは、柔らかな笑みを浮かべると、私達にそれぞれ視線を移し


「うん。いってきます。シュベルお父様、ジオールお爺様、アルミスお姉様」


 ペコっと頭を下げると、鞄を両手に持って門を潜って行った。


 その姿を見送り見えなくなると私は、ジオールとアルミスに視線を向けた。


「首尾は?」


「問題ございません」


「恙無く」


 満面の笑顔で答える2人に、私はほくそ笑むと2人を引き連れ馬車へと乗り込んだのだった。


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