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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
35/108

答え……叙爵!③

③です。

/シュベル


 皆の準備が整い、迎えの馬車が来ると数人ずつ別れ馬車に乗り込む。未だ雪の残る道をゆっくりと王城へ向かって進んでいく。特に緊張などはしていないようだが、やはり皆の表情は硬いと言える。

 王城に着くまでに緊張をほぐそうと話題を探しているとのベルンが目についた、ちょうどいいとばかりに話をふることにした。


「ベルン」


「はい?何か御用でしょうか?」


「あぁ、その後カシリアとは上手くいっているのか?」


 なんとなく選んだのだが、ベルンは固まり、顔が青くなっていき、カシはジト目になり…私は失敗した事を悟った……。


「シュベルサマ、ベルントカシリアがウマクイッテイルトハ、ドウイウコトデショウカ?」


 カシが片言で問いかけてきた。


「あ~。なんだ、そのうち分るだろう?」


 横に座るカシの肩をトントンと叩き、「気にするな」と伝えれば、固まったベルンへその標的を定め詰問をはじめた……。


 王城に着くまでに和解する事は無く…控えの間(謁見するものがその時間を潰す部屋である)に通された後、カシにベルンとカシリアが本当なのかと詰め寄られ、最後には、カシリアがキレ、2人の付き合いを認めざるをえない状況となり、カシは泣く泣く認めていた。


 それと同じくして、私達が居る控えの間に騎士が来ると、謁見の間へ案内された。騎士が中に入り出て来ると重厚な扉が開かれた。そこには、中央の王座から伸びる赤い絨毯を挟み何十人もの騎士・貴族・神官などが並んでいた。見た事ある顔もチラホラいる。私は、ウィリアに手を差し出し彼女の手を握り入場した。


 ザワザワとどよめく室内で、私達は静かに歩く。後数歩で、皇王の座る台座の位置と言うところで止まり、それと同時に、皇王が立ち上がり手を挙げ、場が静まると、視線を宰相に向けた。宰相はその手に持っていた書簡を広げると良く通る声で読み上げはじめた。


「この度、アルシッドク皇国・皇王シェルジル・グラシエ・フォン・アルシッドクの名において、王竜シュベル・クリム・ハーナスとシェルジル・グラシエ・フォン・アルシッドク両名による友誼を結んだ事を認め、その、返礼とし領地、ゴーチ連邦を与える。また、今後の竜と人との友誼を深める為、王竜シュベル・クリム・ハーナスに、アルシッドク皇国において竜大公の爵位を与える。これは、現皇王シェルジル・グラシエ・フォン・アルシッドクが死しても不変とする! だが、盟約により我ら人と竜は深く関わる事をよしとしない、ゆえに竜大公の爵位・称号は与えるものの、国に帰属するものではないとここに宣誓し、神殿と王竜シュベル・クリム・ハーナスへの誓いとする」


 書簡を受けとると、皇王は私へ歩みより書簡を差し出した。


「その誓いが破られる事がないよう切に願う」


 と伝え書簡を受け取り、換わりに私の鱗を差し出し言葉を続けた。


「私の鱗だ、受け取れ。これには、この国の皇王を守るまじないが施されている。しかとその身着けておくとが良い。また、そなたの死後も効果は続く。もし、新たな皇王が誕生するその時は、その鱗に血を1滴たらすが良い」

 

 皇王が、鱗を受け取るとそのタイミングで、ジオールデイハが私の隣へ移動し、大きな箱を3つ置いた。それに目を向け、皇王に視線を戻す。


「それから、これは領地ゴーチ連邦を貰った分だ。中には、魔法を籠めた魔石5000個が入っている。必要であれば使うが良い。ただし、この魔石を悪用すれば直ぐに、我らの仲間がその者を排除する事を忘れるな?」


 皇王は、頷き宰相に目配せすると、宰相は近くの騎士達に箱を運ばせた。そして、大きく息を吸うと


「我が国は、竜との友誼を結ぶ国として、今後、いかなる理由があろうとも、密猟者に対し前面的に排除する事をここに宣言する!また、奴隷を扱うものには厳罰を、奴隷を購入する者にも同じく厳罰を下す事を今ここに改めて宣言する」


 そうして、恙無く(つつがなく)謁見は終わり、私は竜大公となった。皇王が用意してくれた部屋で、ウィリアの入れてくれたコーヒーを飲み、食事をしていると宰相が訪ねてきた。


「シュベル様、今宵は皆様を祝う為、晩餐会が行われます。その流れをご説明に参りました」


「あぁ。そんな事言っていたな!」


「簡単にご説明しますと、皇王様とご一緒に入って頂き、貴族の挨拶が終わりましたら。皇王様と一緒にそれぞれのパートナーを連れ、ダンスを踊って頂きたいのです」


「一緒に入るのは構わんがダンス?我らにそのような習慣はないぞ?」


「えぇ、ですから、なんとか踊っている風に見せていただきたいのです……」


ぇ? それ今更過ぎないか? 私たちにダンスを踊れと……?


「……」


 そこへ、ウィリアの声が届いた。


「あのぉ~。宰相さん……」


「はい?」


「ダンスってワルツとかじゃないとダメなの?」


「いいえ、特に決まりはございませんから、お好きに踊って頂いて構いませんよ?」


 宰相の言葉を聞いて、ウィリアがニッコリと笑うと、私へ思念を飛ばしてきた。


《シュベルお父様》


《どうした?》


《あのね……。ウィリアお父様と踊ってみたいの!! くるくるするだけでもいいから一緒に踊りたい》


《ふむ、くるくるするとは、あのウィリアを抱えてまわるやつか?》


《はい!》


《あぁ、それなら構わないよ》


「ふむ、ならばウィリアと踊る事にしよう。まぁ、踊るというか回るだけだが、構わないか?」


 そう聞けば、宰相は頷き礼を言った。そうして食事を再開する。夜まではまだ大分時間がある為、魔法で、服装を変えソファー座り、束の間の休息となるはずだった……。


 いままさに、横になろうかと言う時に、ドアがノックされメイドが中に入ると来訪者が居る事を伝えた。


「誰だ?」


 そう聞けばメイドは、丁寧に言葉を紡いだ。


「ガルゼル・アンドレ・ヌクリス様がおみえになっております」


「帰ってもらえ」


 考える間もなく答え私は、横になる。

 メイドはその答えを告げに外に出たものの、再度戻り、申し訳無さそうな顔をしたのち


「申し訳ありません。そのお引取りいただけないようで、再度お会いいただけないかとおっしゃっております」


「しつこいと伝えればいい」


 かしこまりました、とメイドは部屋を後にする。

 あの爺、本当にしつこいのだ!! あの茶会から毎日のように屋敷に使いを出してきていた。話す事など何も無いというのに……。


 更に……再びメイドが室内に戻ってきた。……その顔は泣きそうである。


「わかった、10分だそれ以上は会わないと忠告して中に入れていい」


 ぱぁ~と効果音が付きそうな程、メイドの表情が変わり、ドアを開け外へ行くとガルゼルが入ってきた。その場で、ガルゼルは頭を下げると茶会での非礼を詫び、皇妃の失態をも詫びてきた。


「分った、その件は忘れるとしよう」


 やる気無く返すと。嬉しそうにレッサーヌ……ではなかったな、ガルゼルがこちらへ歩を進めソファーへ座った。紅茶を出すウィリアを見詰め、一度頷くと


「竜大公シュベル様、どうかご息女ウィスユリア様と私の孫の婚約をお許しいただけませんでしょうか?」


 そう、のたまうのだった……。


「ウィリアをお前の孫と婚約???」

 

 私が、賛成するとでも思っているのか、この爺は笑顔を浮かべ説明してくれた。


「はい! 私の孫と言っても、皇王様の息子になるのですが、本人が甚くウィスユリア様を気に入っておりまして……」


 あぁ、害虫か……


第2皇子(ジーク)の事か…」


「そうです! あの子は自由奔放そうにみえ「断る」」


 話しの途中で悪いとは思うが、以前ウィリアにフラレタにもかかわらず、未だに未練タラタラだったようで、今度はこのガルゼルを使ってきたようだ。


「ですが、あの……」


 戸惑いを隠せないガルゼルに私は、面倒になりながらも話しをする事にした。


「はぁ~いいか?お前の言う第二皇子の事は、既にウィリア本人がプロポーズを断っているのだ。いつまで経っても諦めるつもりが無いようだが、ウィリア自身から断られている事をしっかり皇子に伝えてくれ! と言う事で、時間だ」


 そう言うと、ジオールとベルンがガルゼルを抱え、部屋の外へ連れて行った。

 いっきに脱力感を感じ、私はそのまま横になると眠りに付いたのだった。

読みやすいように切りたいのに…切りどころが分らない…

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