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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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答え……叙爵!②

②です。お読みいただき、また評価・ブックマークをしていただきありがとうございます。もし、お時間があれば感想などいただけると、嬉しいです。

/シュベル


 顔を伏せ何も言おうとしないウィリア、私は自分を落ち着かせようと気付かれないよう深呼吸すると、ウィリアへ声をかけるべく口を開いた。


「うぃ、うぃりひぁ!」


 どうやら、落ち着くのは無理だったらしい……いつもよりかなり高声だった。しかも、噛んでしま

った。情けない! 何度か咳払いをし、今度こそ!!


「ウィリア……その……さっきのことなんだが……」


 そう切り出せば、ウィリアは真っ赤に熟れた顔をすると、さっと掛カバーを被って丸くなってしまう。やはりさっきのはウィリアで間違いないようだ。確信を持った私は、話を続ける事にした。


「ウィリア、その、私は怒っているわけじゃないんだ! ただ、どうして――いや違うな、さっき私の部屋へきてくれたのはウィリアだって思っていいのかな?」


 返事は無いが、独り言のように話し続ける。


「私は、ウィリアが可愛い。もちろん娘としてそう思ってきた…だけど、娘だと思う気持ちがウィリアを傷つけていたのだろう?さっき私に、伝えてくれた『ずっと大好きなの』と言ってくれたね…ありがとう。こんな私を好いてくれて……、これから話す事にもし間違いがあるのなら、私にそう言って欲しい」


 丸まったウィリアに視線をやるも、顔を出してはいなかった。可愛いウィリアの顔が見たかったのに残念に思う。


「ウィリアと結婚するという言葉だけど……」


 ビクっとウィリアの体が動いた。落ち着かせるように撫で、言葉を続ける


「あれは、確かに冗談だと私は言ってしまったけど、ウィリアが大人になって、それでも、私を大好きでいてくれるなら…わたしはウィリアと……その……あれだ……つがいに……したいとおもって……いるし、ウィリアを……すっ……すいている」


 なんだ、ひどく照れくさいではないか。ここには、ウィリアしかいないのに――私の鼓動は、早鐘のように鳴り続ける。


「ウィリアは、私をそう言う風に見てくれていると思っていいだろうか?勘違いならそう言って欲しい。もう間違いたくないんだ」


 ウィリアが動くのを感じた私は、再び視線を向ける。布からでたウィリアは、その場に座ると潤んだ瞳をして、頬を赤く染め両手で、皺がよるほど自身の寝間着を握り締め、私を見詰めていた。


「そっ、そう言う風って?」


「あ、あぁ。その、お、オスとしてだ」


「オス……」


 ハッとし、やはり間違えていたのだろうと、熱くなった顔が一気に冷める感覚を覚えた。


「やはり、ま、間違っていたのか?」


 もし、違うなら――私は! 私は! 恥ずかしくてもう2度と塒から出れない。そんな恥辱は耐えられない。そう考えていると、ウィリアは、フルフルと首を横にふった。その目はしっかりと私を見詰め、寝間着を握り締めていた腕は、私の腕を掴んでいた。


「ち、違わないよっ!! おっ、男として、すっす、好きなの」


 男として好きと言ってくれたウィリアに見詰められ、私はカーっと顔が赤くなるのを感じた。見詰め合う事で更に、恥ずかしくなりつい視線を逸らしてしまった。ウィリアの手に力が入る。


「さっきも言ったが、ウィリアをすっ、好いているよ」


「本当に? 冗談じゃない?」


 確認するウィリアのその様子が子ウサギの様で、つい愛しくて笑みがこぼれてしまう。


 ウィリアが安心するのなら何度でも言おう。


「あぁ、本当だ! 今すぐ、番になる事はできないけれど、ウィリアが今の気持ちのまま大人になって、私を、男として欲しいと望んでくれるなら、私は喜んでウィリアを番とすると約束する」


 恥ずかしさを押し殺し、出来る限り視線を合わせ、小指を立てウィリアに向ける。幼いウィリアが教えてくれた、指きりをしようと思ったのだ。


 それを見たウィリアは、蕾が綻ぶような笑顔にひと雫の涙を頬に流し、私の小指を小指で握り、指きりをする。指きりが終わったのだから、離さなければと思うものの、なんだか小指を離すのが惜しくなり、指に力を籠めてしまった。


 私の小指に、ウィリアの薄桃色の唇が口付けを落とす――その仕草はとても美しく、表情は艶かしく感じ見惚れてしまった。慌てて表情を見られまいと、ウィリアを真似るように、私もウィリアの小指へと口付けをを落とす。唇を離すと、見詰め合い、微笑み合った。


「2人の秘密ね。シュベル様」


 そう言って、ウィリアは悪戯っ子のようにはにかむ顔を見せた。


「あぁ、秘密だ」


 その夜は、久しぶりに、色々な話しをした、今までの事やウィリアに嫌われ苦しかった事を…そうして話すうちに、ウィリアは眠ってしまった。ウィリアの寝顔を見詰めた。


 もし、今夜ウィリアが、あの行動を起していなければ、私は自分の気持ちにも気付いていなかったのだろうな、娘だと思いこむ事で、知らず知らずに自制していたのかもしれない。本当はずっと彼女を好いていたのだ。あの紅茶を飲んだ時もそうだった、近くには女竜もいた、だが私が反応したのはウィリアだけだった。何度もそのきっかけはあったのに、気付けないとはな――鈍感といわれるはずだ。


 いつの間にか眠ったらしい私が、目覚めると既にウィリアの姿はベットに無く、私はついつい、思い出し顔がにやけてしまう。そんな事はお構いなしに、ドアがノックされ、ベルンがいつもの無表情で部屋に現れると、朝食はどうするのか聞いてきた、私は「食べる」と答え。


 慌てて支度を済ませ、1階へと降りていった。リビングへ入ると、いつも通りの朝の挨拶を皆がしてくれた、それに返し席に着くと、ウィリアが朝食を運んできてくれた。


「おはよう、ウィリア。昨日あまり寝ていないだろう無理に朝食は作らなくいいんだぞ?」


 そう声をかけ彼女の前髪を横に撫で付けると、ポッと頬が赤く染まる。


「シュベルお父様…大丈夫です。そっ、それに、昨日大切なお約束していただきましたから……」


 少しだけ、恥ずかしそうに瞳を揺らし、ウィリアは昨日の事を思い出したのか微笑んで食事をおいてくれた。そんな、私達の様子をみていた、アルミス・ルリアが私とウィリアを交互に見詰め


「仲直りされたのですわね…昨夜、何かあったのですか?」


 探るような目をして私に聞いてきた。


「内緒だ」


 2人には、そう答え食事をはじめた。2人は納得いかないと言う顔をしていたが、教えるつもりは無いので気付かないふりをした。


 今日も、魔石へ魔法を籠める作業だ。昨日より人数が多い、これならば今日中には終わるだろう…そう思い。ウィリアの隣に座り作業をすすめる。魔石の色により籠められる魔法の質が変わる事があるのだ…私達が魔法を籠めるための魔石は全て同じ色に揃えてある。きっと、ベルンあたりが、そう指示したのだろうと考えた。


 黙々と作業するのもつまらないと、昨日とは打って変わりとても楽しい時間となった。

作業をしながらでもできるゲームをする事にした。お題を出し、それにまつわる話をする。話が終わったものが次の者を指名しお題を出すと言うゲームである。


 最初は、私ということで、お題を出すのはデイハだ。


「そうですなぁ? では、シュベル様の『苦手なもの』についてお話いただけますかな?」


「苦手なものか……」


そうだな、苦手なもの……苦手なもの……あぁ!


「そうだな、苦手なものは、しつこい女! だな。あれはどうしたらいいのかわからん!! それも、勝手にああでもないこうでもないとしつこく迫られるのは苦手だ……」


 皆が、クスクス笑い…男竜は同意を返してくれた。


「それでは、次は、ウィリアにしよう! お題は、今欲しいもの!」


 私を見上げ、困り顔のウィリアに片目を瞑り笑ってみた。


「うーん、欲しいもの……欲しいもの……うーん、写真、ぁ! カメラが欲しいです!」


 搾り出したように、言うウィリア。だが、私を含め竜達にカメラが何かがわからない。


「カメラとはなんでしょうか?」


 皆を代表しベルンがウィリアに聞く。


「あ、そっか! えっとね…カメラって言うのは、今こうやって、皆で一緒にやってる場面が、1枚の 絵見たいに撮れる物なの。その、思い出になるからカメラが欲しいなって……」


「???」


「もしかして、記録用魔道具の事ですか?」


 アルミスがきき方を変えきいた。


「うん、それに近いものだよ。えっとね、この間、王城に行ったときに、階段の所に皇族の皆が集まった絵が飾ってあったでしょ?あれを作るためのもの」


 ふむ。今度、魔道具を作ってみるか……。


 ゲームをすれば、作業はあっという間に終わった。シシルに対するお題が、ウィリアと同じ『何が欲しいか』で、答えが『ジオールとの卵』だったのには、驚いたが概ね楽しんだようだった。


 ついに叙爵を受ける日となった。当日の朝、謁見の間に入る、私・デイハ・ジオール・ベルン・リューク・カシ・アルティ・ハイネイ・セシルは、部屋に押し寄せた女竜達によって、着替えを余儀なくされた…否と言えない女竜達の強さはどうにかして欲しい。


 そんな訳で、私達はリビングで観賞されている……。

 私の衣装は、黒を主とし、金と銀の糸で蔦と竜と花の刺繍を、襟・袖・腕・裾に、施されたロングコート、肩口に竜の鱗を使った大きめの止め具、それに繋がるミスリル銀の鎖を胸元まで伸ばしている。ズボンもロングコートと同じ生地で出来ており、ズボン横にはコートと同じ刺繍が入っている。ブーツには、黒の皮を用いた編み上げのブーツで、足先にミスリル銀で細工が施されていた。


 デイハは、私と色違いの濃紺でコートの裾が少し短く、膝辺りまでの長さだった。

他の皆は、同じグレーの色合いで、刺繍が少なくミスリル銀で出来た鎖は、腰のベルトに装着されていた。


 そして、一番最後にリビングに入ってきたのは、ウィリア・アルミス・カシリアだった。3人とも美しくドレスを着ている。ルリアは、そう言った場を好まないと本人の希望により、今回は晩餐会のみの参加となった。


 アルミスは、その美貌を余すことなく発揮する、黒を用いたマーメイドラインのドレス、自慢の胸元は大きく開き、その豊かな膨らみを惜しみなく見せていた。

 カシリアは、髪の色に合わせ、青色のスレンダーラインのドレスで、首元と腕には水色で作られたレースがドレスへ繋がり肌を隠すようになっていた。


 最後はウィリアだ…濃紺色のプリンセスラインのドレスで、その肩口を沢山の立体的な白と桃色の花が飾っている。その花は、背中に回り、彼女の腰の辺りで蔦に変わると、スカート全体に広がるように模様を見せ、その模様を飾るように、色とりどりの小さな竜鱗が飾っている。髪は、細いミスリル銀を共に編みこむ形で横に流し結ばれた所に2対の竜があしらわれていた。


 そして、全員の首に飾られたのは、竜とウィスユリアの花を象った竜大公の家紋である。

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