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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
32/108

コイバナ!?

評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューなどいただければ幸いです♪

竜達の愛娘 ―ものおき―

閑話はこちらに置く事にしました。思いついたものや皆さんのご希望があれば欠かせて頂きますので、感想の方に書いて頂ければ幸いです。 https://book1.adouzi.eu.org/n6489fs/

/シュベル


 私は、今、屋敷のリビングで正座をしています。こうなった原因は、何だったのか? 良く思い出してみようと思う。


 ウィリアを救出する事に成功し、2ヵ月が経ったある日――その日は久しぶりに太陽が顔をだし、積もり高くなった雪を溶かす。そんな朝を迎えた日だった。朝食を済ませ、リビングでウィリアとアルミス・ルリア・カシリア、その他女竜達と食後のお茶をしていた。もちろん、男竜達は暖炉の側で寛いでいたりした。


 そうそう、皇王からの叙爵の件については、ウィリアの心の傷が治まりを見せるまで延期とした。と言ってもあちらも、奴隷商の件で大量の貴族が釣れたらしく、多忙のようで逆に感謝され、三月後に延期と言う話しで纏まった。


 ウィリアの心の傷は、大分癒えたといっていいだろう。最初の数週間は、夜眠ると夢の中で男達がでると言って何度も起きては泣いていた。可哀想なウィリアを何度も抱きしめあやし寝かしつける。そんな状態だった。日が経つにつれ少しずつ眠る時間が増え…近頃では、しっかりと睡眠を取れるようになっている。


 あの日、私がした愚かな行為については、キッチリとした事情説明をジオールと共に行い、ウィリアは少しだけ、苦笑いをして許してくれた。


「もう、好きな人じゃないとそういうのはダメですよ!」


 頬を膨らませ、注意されたが、ウィリアが可愛い顔をしたので守ろうと思う!! しっかりとその顔も記録用魔道具で記録したのは言うまでもない!


 つい、話がそれてしまった……今朝の話しに戻るとしよう……。


 そう! 今朝紅茶を飲む女竜達が、どこからどうなって、そう言う話になったのかは不明だが、どういう男が好みなのかと言う話をしていた。適齢期のカシリア・シシル・カミア・リンカの婿探しの為の話し合いの様だった。

 周りに居る、独り身の男竜達はソワソワしていたが、女竜達は気にした様子もなく話をしていた…少しだけ同情を覚えた……


「ねぇねぇ、シシルはどんな竜がいいの~?」


 カミアが食い気味に聞いていた。

 ん~。そうだなぁと、顎に指を置き考えるシシル。その仕草に男竜達はボソボソと「カワイイ」だの「素敵だ!」など言っていた。


「やっぱり、しっかりと子育て手伝ってくれる人がいいかな」


「あぁ~、わかりますぅ~」


 語尾を少し延ばして話すのは、リンカだ。


「え? それだけなの?」


 と疑問の声を上げたのは、現実主義のカシリアだ。


「うーん。それだけで良いかと言われれば、だめですよ!やっぱり、しっかりと狩りをして養ってくれなきゃ!! ジオール様みたいに(はーと)でも、デイハ様も素敵よね~」


 ジオールとデイハが好みとは…奇特な娘だ。シシルを眺め私はそう思った。


「え~、おじさまがいいのぉ~?」


「私には、理解できない世界のようだわ……」


「私も同意!」


  娘達はシシルの好みに着いていけないらしい。


 ぷぅっと頬を膨らませた、シシルが反撃とばかりにリンカに同じ質問を投げかけた。するとリンカは、頬を染めアルティをチラチラと見やりながら


「アルティ様がぁ~すきですぅ!!」


 直球の返答を返した。突然矢面に立たされたアルティは、目を白黒させ自身を指差し、リンカに視線を送る。リンカは微笑みを浮かべ、両手を胸の前で組み乙女のような姿勢を取ると頷いた。


 アルティの顔が見る見る、赤く染まる……。


「あ~。俺なんかのどこがいいのかわっかんねーけど、俺でいいならいいぞ?」


 そう返した。ここにカップルが誕生する事になった! 周りの男竜達が、恨めしそうにその視線を送る。果たして私は、この場にウィリアを座らせておいていいのだろうか? 私の興味はウィリアにしかなかった……。


 アルティの横にしな垂れかかる様に座るリンカ。それを見る女竜の嫉妬の目!! 本当に大丈夫なんだろうか? そこへ、ジオール・デイハ・リューク・ベルンが戻ってきた。塒の様子などを見に行って貰っていたのだ。アルティとリンカの様子に、デイハ・リュークがギョッとした顔をして入り口で止まった。


「なっ、なななななな、ナニガオコッタノデスカ?」


 デイハが片言で聞いている。そんなにショックだったのか、と独りでに思った。デイハの質問に答えたのは、リンカだった。


「デイハ様ぁ~今日からぁ~私達ぃ~、付き合うことになりましたぁ~」


「エ? ツキアウ?」


「はい!」


 頭をポリポリかき、少し照れくさそうな顔でアルティが認める。デイハは信じられない者を見る瞳をしたまま、私の近くに座る。そっと、お茶を出してやった。


 女竜達は、その後も話を進める。ウィリアは、帰って来たジオール達の為に暖かいお茶を用意しにキッチンへ向かった。ウィリアが居ない私は、暇になり…面白そうだからとジオールにシシルを進めてみる事にした。


「ジオール」


「なんですかの?」


「お前、再婚する気ある?」


「はっ?」


「いや、ある女竜が言うにはお前が好みらしいのだ。お前は妻を亡くしてもうずっと独り身だろう? そろそろ、いい頃合かと思ってな……」


「シュベル様!! 何を企んでおられるのですか?」


 ジト目のジオールが私を見据えている。何かを企んでなどいないのだが、つい出来心でニヤリと笑ってみた。


「それで、どうなのだ?」


 ジオールの返事を、シシルが固唾を飲んで見守っている。


「ふむ、まぁ、そうですな……、わしの様な老竜を好む女竜が居るのであれば考えるのもいいかもしれませんな……」


 満更でもないらしい。そうと判れば、シシルにチラリと視線を流した。シシルは突然髪などを整えはじめシオラシイ乙女の表情を作ると、ジオールの隣に座る。


「ジオール様…私、ジオール様をお慕いしておりますわ(はーと)」


「ぶほっ……」


 突然の告白に、ジオールはウィリアの入れたお茶を盛大に噴出した。慌てて、口の端を拭うとシシルを真剣に見詰め


「わかすぎやせんかのぅ?」


 そう爺臭い事を言った。その後何度かいい訳がましい言葉を口にしているが、シシルは引かず…ついには付き合うという事を了承させられていた。もし結婚でもしようものなら確実に、尻に敷かれるな!! そう思った。


 その後もカップルが何組かできるかと思ったが、できなかった……。


 カシリアは、現実的な思考のせいで、薦められる男竜を尽く(ことごとく)却下し、カミアに至っては、男に興味が無いと発言していた…百合と言う事だろうか? 竜族は今後大丈夫なのだろうか? そんな、無駄な心配をしていた。


「結婚といえば、シュベル様もそろそろ身を固めるべき時ではないのですかな?」


 自分が、シシルに承諾させられたからと私に話をふるジオール。私は紅茶を飲むと、ウィリアを撫で


「この子が、死ぬまでは結婚する気は無いぞ」


 そう返した。以前ウィリアの言葉を聞いた際、立てた私の勝手な誓いだと知っていてもそれを破る事はしたくない。

 幹部クラスの竜達が、慌てたように騒ぎ出した。皆口々にそれはダメだと私に言う。


「何故ダメなのだ? ウィリアは長くて300年ほどだろう? 私からすればたかが300年だ! お前たちが何故そう言うのか理解できない」


「それは……」


 皆が言葉に詰まる。確かに王竜として子を残し育てる事は重要だ。力を子に受け継がせる事が大事な事だと私も理解している。だが、ウィリアを悲しませる者を妻に迎えるつもりはないのだ。


「お前たちが言いたい事もわかる。だが、ウィリアが悲しむ事はしたくないのだ!! それにだ、いざとなれば、ウィリアを妻に貰えばいいではないか!!」


 そう、軽く言ったのだ――本気では無かったのだ……多分。

 その場が凍りつく、その原因は、ウィリアだった。目が据わっていたのだ。周りの竜達はその場から動かず固唾を飲んで視線を逸らし、何も知らないと言わんばかりの表情をしていた。


 徐に立ち上がり、私の前で仁王立ちするとウィリアは、据わった目でニッコリと微笑み…


「シュベルオトウサマ、コチラニオスワリイタダケマスカ?」


 否を言わせない、圧を感じ私は、素直に従った。椅子に座ろうとした所「セイザデス!」と言われた。セイザが何かわからず戸惑っていると、ウィリアが座って見せてくれた。見たまま座り両手を太ももの上に揃えるようにして置くとウィリアは立ち上がりそして……。


「シュベルお父様? 先程の不用意な発言は誰の得にもならない事はご存知ですよね?」


 と、10歳の子供とは思えない言葉で私に説教をはじめたのだ。


「いや、あれは軽い冗談だ! 誰も本気にはしないさ……」


 そういい訳すれば、更に眉根を寄せ怒りの形相で……。


「冗談??? 引合に出された私は傷付かないと思っているのですか?? 冗談で簡単に結婚なんて言葉を出さないでください! お父様のそう言う軟派な所大嫌いです!」


「ごっ、ごめんなさい」


 つい勢いに負け謝る私……。


「毎回、伝えたはずなのに、お父様はちっとも気付いてくださらない! 鈍感!」


 何を伝えたのだろう? ウィリアの言葉が、私の中で繰り返される。


「うぃりあ? 私が何を気付いていないの?」


 そう言うと、キッっと睨まれた。ごめん!! お父様が悪かった……


「もう、いいです!! お父様はそうやって、ずっと、ずっと……、娘としてしか見てくれないのでしょう?」


「娘としてみる意外に何があるんだ? 私にとってウィリアは大事で大切な娘だ!」


 そこは、間違えてもらっては困るのだ! 私にとってただ唯一の娘なのだから!!


「お父様のばか! リーシャの所に行きます!」


 そう言うと、空魔法を使いウィリアは消えてしまった……。


 何をそんなにプリプリしているのだろうか??? 判らない、きっと虫の居所が悪かったのだろう。そのうち機嫌を直して帰ってくるだろうと思いお付の役を頼もうと、アルミスとルリアを見ると、こっちはこっちでジト目をしていた。


「いったいなんなのだ今日は……」


 漏れた呟きを拾った、アルミスが私の前で仁王立ちすると


「シュベル様はいい加減覚えるべきですわ。自分が鈍感だという事を……」


 首を捻り、アルミスを見ると大きな溜息を吐かれ、いいですか? と語りはじめた。


「ウィリア様も多感なお年頃ですわ。その中には恋心も含まれます! そんな時に、父親であるシュベル様が、突然結婚するなどと言えばウィリア様は喜ぶに決まっていますわ。なのに!! 冗談などと……」


「いや、だがな……」


「言い訳は結構です。理解できるまでウィリア様は私達がしっかりとお世話させて頂きますので!! 近付かないでくださいまし!」


 そう言うと、二人とも消えた……。


 その後、帰って来たウィリアは、私とだけ口をきいてくれなくなった。落ち込む私を見て、ベルン達が助言をしてくれたのだが、その効果は未だ見えてこないのだった。

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