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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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改築とお茶会……レッサーヌヌキ!②

評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューなどいただければ幸いです♪

 かなりの時間を挨拶に、奪われていた皇王一族が漸くと言う感じで、こちらの方へやってきた。


「もぅ、本当嫌になりますわ! ごめんなさいね。ウィリアが折角来てくれたのに! こんなに時間がかかってしまって……」


 先程までむくれていた、ウィリアの顔が笑顔になり、大きなリボンで飾られた包みを手渡すように差し出した。


「ううん、いいの~。リーシャお招きありがとう。これね、お誕生日プレゼントだよ!」


「あっ、ありがとうございます! 嬉しいですわ。あの、今開けてもよろしいですか?」


 本当に、嬉しそうな顔をしたリーシャは、包みを受け取ると横にはおかず、己の膝の上に乗せた。


「うん! 喜んでくれるといいなぁ」


 返事を聞いて、リーシャは早速、リボンを外し、包みを開けた。その包みから桃色の竜の編みぐるみが現れる。その竜の首には、鎖にプレートを通したものが付いており、プレートには[リーシャへ いつまでも友達でいてね ウィリア]と書かれていた。


 竜の編みぐるみを抱きしめ


「可愛いです。いつまでも大切にしますわ!! 私もいつまでも、ウィリアと友達で居ますわ!」


 少し周りが驚くほどの声量でリーシャは喜びを表したのだ。


 そこに、害虫が自分も貰えるのでは?と一歩近づいた。それを見ていたベルンがウィリアに問うた。


「ウィリア様、もう1人誕生日の者がいるようですが、何かご用意されているのですか?」


「ううん。リーシャのだけしか用意してないよー?」


 その言葉は、彼の心に大きな穴をあけた事だろう! いい気味だ……フフフ。


 プレゼントを渡し終え、リーシャとウィリアは少し離れた席で、2人で話をしている。側にはジオールとアルミスがついているので大丈夫だ。皇王が私の隣に座り、2人の様子をみて微笑ましそうな顔をする。


「娘とはいいものですな」


「あぁ、いいものだ」


「そうですなぁ~。そうでした、先程の挨拶の折、王竜様の事を聞くものが多く居りましたので、どう説明したものか、何かいいお知恵はごさいませんか?」


 なるほど、確かに説明しづらいかも知れんな……、王竜と名乗るのは問題は無いのだが、皇王に迷惑をかけることにならんとは言い切れん。どうしたものか……。


 会話を聞いていたらしい、ベルンが宰相の方をチラリとみやる。


「そうだな。まぁ私としては別に、竜族である事を隠すつもりはないが、それはそれで面倒な輩がわきそうではあるな」


「えぇ」


 宰相は同意を伝えるように頷き、少し間を置く。


「それでしたら、いっそ爵位を持たれては如何ですか?」


「まぁ、それは構わんのだが、爵位を持てば我らはお前達人族に下ったと言う者もこちらにいるのでな、折り合いが付かなくなる。特に南はな…」


「なるほど」


 そう言うと、しばし皆で考える。そんな中、黙って聞いていたベルンが告げる。


「それでしたら、南のデイハ殿とシュベル様で一度話し合いをするべきかもしれませんね……。一方的に北だけが、爵位をということは難しいでしょう」


「そうだな、一度、皇王にもデイハと会って貰う必要はあるな……」


「そうですね」


 そんな、話をしているとジオールがルリアと交代しこちらの席へ来ていた。


「それなら、今から呼べばよいのじゃ」


 ジオールを私は止める。


「いや、待て、まだデイハ殿は、人化の魔法を知らないはずだ。突然ここに竜が現れれば、酷いことになるぞ」


 私たちも、竜体でここへ来たことは無いが、昔、姿を見ただけで家などを捨て、逃げ惑う人間を見たと言う報告もあったはずだ。


「では、擬人化の魔法を籠めた魔道具を造れば良いのでは?」


「そうじゃな! それはいい案じゃ」


「そうだな、それならば直ぐにデイハ殿と話すこともできるな」


 ベルンの提案にジオールが賛成したことで話が決まり、早速、魔法:個人箱から魔石を取り出し削る。


 デイハは耳に細長いピアスを着けていたことを思い出し、それに似せて作った。込める魔法は擬人化である。これは魔石を身に着けている限り、人化したままとなる魔道具になるよう作りあげた。


「これで問題なかろう。他にも幾つか作ったから、デイハ殿に穏便に話の出来るものに渡せと伝えろ、それと同時に、もし暴れればその命を持って償わせるとも伝えて置け」


「承りました」


 頭を下げ、作った魔道具を受け取るとその場でベルンは空魔法を使い姿を消した。


 皇王にも話を通さねばならないと思い。彼へ視線を向ける。


「ベルンには、南の竜の長であるデイハ殿を呼びに言ってもらった。我は北の竜の長なのでな…竜の事となれば南と北どちらの了承も必要となる。そして、ここからが重要なのだが、南は人を憎んでいる。その扱いは私以上に注意が必要だと心しておくように」


 真剣な顔で注意を促せば、皇王も宰相も口を噤み何度も、頷くように頭を振っていた。


「あぁ、そうだ、もうひとつ付け加えておく事がある」


「なんでございましょう?」


 2人も真剣な表情で返事をする、私は皇王の隣に座る皇妃を見やった。


「そなたの妻は、デイハ殿達の前に出さぬ事だ。私が信用に足ると言える人物以外、目通りすらさせるつもりはないからな……」


 そう伝え、視線を皇王に戻した。言われた皇妃は、唇を噛み視線を泳がせている。


「失礼ですが、皇妃様が信用に足ると言えないとは、どういう……」


 宰相が、不思議そうに聞いてくる。そう言えば、この男は知らないのだなと思うも、それに関して答える気は無かった。


「本人に聞けばよい。済んだ事ではあるが、あの謁見の間での事については、全て聞こえていた。だがそれは我らが語る事ではない」


 そう言ってやると、皇王は苦々しい顔をし皇妃は顔色をなくしていた。


「ぁ、あの事については……」そう言ったきり、皇妃は何も言わなかった。


 ふと、視線を流し周りを見ると、リーシャとウィリアの周囲を遠巻きに見る子供たちの姿が見えた。2人で、編みぐるみの竜について話しているようだった。楽しそうな姿にシュベルの顔も緩むのを感じた。


 そこで、ふと思い出した。


「皇王に礼を言わねばと思っていた。屋敷完成の折もらったドアノッカーはとても素晴らしいものだった。感謝する」


「いえいえ、お気に召したならば僥倖でございます」


「そのうち時間があれば見にくるといい」


「はい、是非伺わせていただきます」


「あぁ、リーシャと2人で来るといい」


新しく入れられた紅茶を一口含み飲んでいると声をかけて来る者がいた。


 その者は、小柄で、白髪・碧眼なのだが、顔の色合いのせいかどことなく何かににている…御年60はなろうかと言う老人であった。数人の貴族達を引き連れこちらへ来たようだ。


「失礼いたします。皇王陛下におかれましては、ご健勝そうでなりよりでございます」


「これは義父上(ちちうえ)来て頂けたのですね!最近からだの調子が思わしくないと伺っておりましたが、お元気そうなご様子に安堵いたしました」


「ふぉふぉふぉ、まだ死ぬわけには参りませんよ。陛下」


 皇王が立ち上がり、その老人の手を握り握手を交わす。老人は、私の方に怪しむ視線を流すと皇王に向き直る。


「宜しければ、こちらの御仁をご紹介いただけませんかな?」


「あぁ、そうですね!義父上であれば紹介しても問題ないでしょう! ただ、できれば周りの者達には退散して貰いたいのですが……」


 皇王は、この義父に頭が上がらないらしいな。義父という事は、あの皇妃の父親か……。


「ふぉふぉふぉ、そのように隠さずとも、皆に話してやればいいではないですかな? そう思われませんか? それとも、何ですかな?名を名乗れぬほどよからぬ事をしていらっしゃるのですか?」


 私を睨み付けた老人は、明らかに挑発する口調で話し、周りの関心を集めるよう声を張った。


 焦った様子の皇王が嗜めようと口を開く前にシュベルは、その口を開いた。


「先に名乗るのはお前の方ではないのか? 名乗らぬ者に私の名は告げられんな」


「これはこれは、手厳しい御方ですな! それでは名乗らせて頂きましょう。私は、ガルゼル・アンドレ・ヌクリスと申します。そこにいらっしゃる、皇妃陛下の父でございます」


 聞き耳を立てた周囲の関心を引き付け、もう逃げられないぞと言わんばかりに、その口がニヤリと笑いを浮かべた。軽く怒りを覚える程度には傲慢である。面倒だ……と一蹴する事もできるが、どうせウィリアはリーシャに取られている事だし、暇を潰すには丁度いいだろうと、相手する事に決めた。


《お前達、口出しするなよ。暇だから相手してやるだけだ》


《また……、シュベル様の悪癖がでたのぅ》


《ふふふ、まぁ良いではありませんか、あの皇妃の父親ならどうなろうと関係ありませんもの。それにしてもこの方、レッサーヌヌキ(アライグマに良く似た狸の事)に似ておりますわね。ふふふ》


ジオールとアルミスの言葉である。あぁ、もうこの老人が、レッサーヌヌキにしか見えなくなったではないか!! アルミスめ……!


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