改築とお茶会……レッサーヌヌキ!①
評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューなどいただければ幸いです♪
また…①・②・③・④となります…もっと上手くまとめなければ…とは思うのですが…すみません(汗
/シュベル
ウィリアのプロポーズを受けて数週間後、私達は新たに得た屋敷へと赴いていた。何故こんなに時間が空いたのかと言うと、手続きなるものに時間がかかったのと我らの事情からだ。
家のつくりは悪くないのだが、折角住むのだからと屋敷ごと作り直すことにした。これには訳も有るのだが、私の心の安寧の為、語らずにいようと思う。と言う事で、屋敷の建て直しを図っている、敷地を囲む鉄の柵を作り直しているところだ。私は、屋敷の建て替えをしているのだが。
無機質な鉄が建つだけの柵をウィリアの発案で、竜を模した柵に作り変えている。詳しくは、鉄の棒の間に、竜の形を切り抜いた鉄の板やその切り抜いた竜の形をした板を交互に魔法でくっつける作業を20人程の竜達がしているところだ。
そして、中が見えぬよう、柵に添うように生垣が囲んでいる。生垣に使った木は、色とりどりのベリー(ウィリアがそう呼んでいた)がなるものや木の実のなる木を選んだ。他にも、ウィリアの好きそうな草花を植えた。
ベリーに関して言えば、竜の間ではどこにでもある物なのだが…人の間では貴重な品のようだ。以前ウィリアがこの菓子を、リーシャに渡した所、皇王はじめ皆が驚いていたのが印象的だった。
初めは、印象の悪かったリーシャだが、最近はウィリアにいい影響を与えているようで、少しずつだが好印象に変わりつつある。深く関わろうとは思っていないが……
屋敷の方は、周りに浮かない形で作る。大きさは変えずにそのままの形を保っているが、外壁などが薄汚れていた為その部分を魔法で綺麗にした。そして、室内は魔法:万物知識創造で作り出した、魔法:空間拡張を使い見た目の数倍~数十倍は広くなっている。
1階部分は、応接室・キッチン・キッチン横の小部屋・ダイニング・リビング・移動用魔道具を置くための小さな部屋のみとした。床は木を組み合わせたつくりで、壁は白い石を使用したつくりだ。天井は高く作ってある。
キッチンはウィリアのテリトリーな為、彼女が全て魔法で作り出した色々な物が置いてある、我々にも良く分からないものが多いのだが、そこは気にしない事になっている。ウィリアが楽しければいいのだ!
キッチンとダイニングは、バーカウンターと呼ばれる物で仕切られている。その上には、可愛らしい小物や縫ぐるみなどが飾られている。また、キッチンの横にある小部屋は、食料を腐らせず保管するため一定の温度で冷やす魔法を籠めた魔石を幾つか仕込んである。
ダイニングは、王宮にも負けないほどの広さでテーブルと椅子が置かれ、テーブルには、白い布が掛けられ、その布の上にテーブルランナーと呼ばれるものが置かれ、ランナーの模様も、竜のシルエットを模した物となっている。天井や壁には、魔道具でできた明かりを配置してある。
リビングは、ダイニングと繋がっているが、その境には、2段ほど下がるように階段をつけてある。リビングの周囲全てを囲むようにガラス窓をつけ、その窓に添うように、つる草のカーテンが直接の日差しをさえぎり、陽光差し込む場となっている。配置された家具は淡い色合いのソファーや、クッションなどで、木工家具ともいい調和をかもし出し寛げるようにと作ってある。
1階中央から登れる階段があり、2階は、複数の扉がつけられている、その取っ手を握った者が自分の部屋へと入る事ができるよう、魔法:万能知識創造を使い魔法:異次元扉で作られている。
ただ、この魔法は1つのドアで25人しか使う事ができなかったのだ。それゆえ、複数の扉が必要となった。扉の先は自室となり、風呂・トイレなどの必要なものも揃えてある。中は各自が好きに出来るよう魔法:理想空間創造作り各自に教え、使うように指示した。
家を建て替える作業は、その日夕暮れには終了した。作業が終わり、塒にいる竜達皆が屋敷のダイニングに集まり、食事をする事となった。
本日の夕食は、ダイアン・ガゼル・シシリー・ミュアがかなりの数を取ってきた、亜竜ドレイクの肉を使った、カレーライスである!皆に、何が食べたいか?とウィリアが聞いたところ、カレーと言う声が非常に多かった。
ドレイクは、我らと同じと見られがちだが、まったく違う生き物だ。なので、我らからすればそれは捕食対象となるのだ。
また、ドレイクの肉は、他の魔獣よりはるかに旨いのだ!! それがカレーライスとなれば…どれほどの味か――想像を絶する旨さだった!! ゴロゴロとした、ドレイクの肉が形を残したまま柔らかく煮込まれ、それを口に含むと、噛む毎にほろりと蕩けていく。その後から、カレーの辛味が追ってくる。
つい、我を忘れてガツガツと食べてしまう程美味だった。今後カレーを作るときは、ドレイクを狩ることが決まったほど、皆夢中で食べた。
食後のお茶と菓子を摘み、ウィリアを膝に乗せ頭をなでつつカレーの感想などを伝えまったりした時間を過ごす。膝の上にいる、ウィリアは、一生懸命棒を動かしている。
近くに座っていた、シシリーが尋ねる。
「それは、何をつくっているのですか?」
「これは、リーシャの誕生日プレゼントだよ~。編みぐるみって言うの!
リーシャも竜が好きって言ってたから、竜を作ってるの♪」
そう言って、手に持った編みぐるみを広げて見せる。
生まれたばかりの子竜を模して作ってあるだろうそれは、まだ羽の無いトカゲだった。
「あら、可愛らしいですわね! 私も欲しいです~」
「じゃぁ、これが出来たらシシリーの分も作るね。色は何色がいいの?」
「いいのですか? では、私の色で作ってくださいませ」
そう言って、シシリーは自分の生え変わった鱗を差し出し、ウィリアは大切なものを扱うように鱗を受け取っていた。
後日談になってしまうが、屋敷の完成祝いにと土産を持った宰相とリーシャが訪れた。宰相に手渡された土産は、屋敷の入り口に飾る、ミスリル銀を使ったウィリアの名前の由来となった花と竜の美しい細工の入った、対のドアノッカーだった。早速宰相の前で、それを取り付け礼を言った。
そして、誕生日のお茶会の日になった。王城へは、馬車を皇王が手配してくれた為、それに乗り移動する。
今日のウィリアの格好は、白をベースに、薄紫の透けている布を白の布地の上に這わせ、リボンから割れサイドに広がり、その部分にはレースがあしらわれている。袖は、白のレースを使ったものだ。また、濃い紫の花と薄桃の花が胸元を彩っている。胸下辺りで締められたリボンは、背中で二羽のリボンの形を作り端がそのまま足元まで流れている。
髪飾りは、銀で出来た竜を模した形の物を、イヤリングは、長い鎖に私の鱗で出来た丸い形のものをつけていた。
非常に良く似合うし、美しさが醸し出されている! もう、何度も言ったが本当に可愛いのだ…それ以外の言葉があるのなら教えて欲しいほど……。
記録用の、魔道具を早速手にし、ウィリアを存分に記録した!あとで、楽しみに見るため、記録用魔道具は部屋においてきた。
私自身の格好は……、まぁ、アスコットタイをウィリアの髪と同じ色にし飾りと髪紐をウィリアの瞳と同じ色にしたぐらいだ。ちなみに、ジオールのタイと飾りは逆の色になっている。
誕生日のお茶会の会場は、第3庭園で行われた。いつも、お茶をしている庭園の他にも庭園がある事を、このとき初めて知った。
案内役の騎士に連れられ、ウィリアと腕を組み、会場に入る。そこに集まった人々は、こちらを見て押し黙った。予想以上の人の多さに、驚く。こんなに人が居るとは聞いていなかった。
しかし、何故だまるのだろうか……???
中央に、台座が用意され、そこには豪華な椅子とサイドテーブルが置いてある。私達は、騎士の誘導に従い、そこへ向かった。皇王の配慮らしい。そして、給仕の者達が私達の為にとお菓子や軽食・飲み物を運んできた。それをつまみ、会の開始を待つ。数名が、興味を持ったのか私達に話しかけようとしたが、騎士数名に阻まれ話す事はできなかった。
会場がある程度落ち着いた頃、皇王一家が姿を見せ、台座に立つと集まっていた者達が、一斉に頭を下げた。私達は仕えている訳では無いので下げる事は無い。
「頭を上げよ。皆、本日は我が息子ジーク・娘リーシャの為に集まってもらい感謝する。存分に楽しんで行って欲しい」
そう言うと、ジークへ視線を向けた。ジークは頷き一歩前へ出た
「皆様、本日は私と妹リーシャの誕生日祝いの為集まって下さり感謝します」
軽く、会釈する程度に頭を下げ元に戻るとリーシャが一歩前に出る。
「皆様方、本日はお集まりいただき感謝いたしますわ。沢山のお菓子をご用意しております。存分にお召し上がり下さいませ」
ジークと同じように頭を下げ下がった。
2人の様子を見ていた皇王は頷き、「それでは、開始しよう!」と言うと、優雅なオーケストラの演奏が始まり、談笑が再開された。
皇王一家へ、次々と挨拶に訪れる、貴族達がプレゼントを持ち列を作っているさまを見る。ウィリアも早くプレゼントを渡したいようだが、あちらにとってはこれも仕事のうちなのか、その列が途切れるまで待つしかないようだった。
「シュベルお父様……、あの人たちは何をしているのでしょうか?」
貴族たちの列を見ながら聞いてきた。
「皇王一家へ挨拶をしているのだろうな。王や王族に覚えめでたければ、将来は安泰だろうからな」
「ふ~ん。ウィリアよく分かりません! それより、リーシャはいつこっちにくるの?」
「もうしばらくは、来れそうにないようだ……な」
「むぅ~」
拗ねたように、唇を突き出し私を見ているが、ウィリアよ。お父様でも流石にアレをぶった切る事はできないよ。とは言えない為、膝の上に乗せ折角セットした髪型が崩れないよう頭を撫でてやった。
私も欲しいです…万物知識創造魔法…。




