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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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謁見……つみ?②

評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューを頂けると、喜びます♪

少し短め…書いていたら、文字数が6000とか行きそうだったので、一旦切りました…

/シュベル


 挨拶も終わり、早速話の本題に入ろうと思ったのだが……。皇王の後ろがうるさいのだ。


「うるさい! 少し黙っていろ」


 その言葉と同時に、皇女(あれ)に魔法:沈黙(サイレンス)の魔法を使う。すると先程までギャーギャーとなっていた、雑音がぴたりと止まった。


「これで、やっと話ができる」と涼しい顔で言えば、皇王はじめ、人族が緊張した汗を流した。人族は何をそんなに怯えているのだろうか? そう思ったが、ウィリアに関する事では無いしどうでもいいことだと思い直し、学園についての話をするべく口を開いた。


「さて、話をしよう。我が今回、わざわざここを訪ねたのは、学園について話を聞きたかったからだ。ウィリアももう10歳になる。もうそろそろ人の世界を知る事も重要になる年頃だ。それゆえ、ウィリアをこちらの国にある学園に通わせたいと思っている」


 緊張の汗を流していた皇王が、はっとしたように私に視線を向けた。


「なるほど、確かにこのままでは、竜王様のご心配もご尤もでしょう。通う事は可能ですが、学園の詳細については宰相の方が詳しい。説明を頼む」


 互いに視線を交わし、軽く頷くと説明をはじめた。


 この国の学園は、11歳より入学試験を受ける資格があること、入園の際、特別にみとめられた生徒以外は全員寮に入り卒業する17歳まで生活する事。基礎学科と特殊学科があり基礎学科は、文字の理解・歴史・計算・調合を学ぶ事、これは全ての学生が必ず受けねばならない学科となっているそうだ。


 そして、特殊学科は、魔法・神聖魔法・剣術・弓術・槍術など、子供たちの将来のための学科になる。ただし、こちらは入学の際の適正試験にパスしなければならず、パスできなかったものは半年に一度行われるテストに合格しない限りうける事ができないようになっているらしい。


「ふむ、特別に認められた生徒とはどういったものだ?」


「そうですね、まずは皇族・爵位が伯爵以上の貴族の子息・令嬢などになります」


「なるほど、魔法と神聖魔法が分かれているのはなぜだ?」


「それは……」


 言い淀む、宰相に代わり巫女が説明する。


「そちらは(わたくし)がお答えいたしますわ。魔法と神聖魔法では根本の魔法原理が違うのです。魔法は、大気にある魔力を具現化するもの。神聖魔法は、祈りにより神々のお力お借りするものと申せばわかりやすいでしょうか?」


「なるほどな、ではどちらも使える場合はどうなる?」


 ツイっと眼鏡を上げ宰相が答えた。


「その場合、どちらも本人が希望すれば授業を受けることが可能です。ただ、今までにそのような生徒がいると言う報告はありません」


「ふむ。非常にわかりやすかった。2人に感謝する」


 私は軽く頭をさげ感謝を示す。2人も、そっと頭を下げ「とんでもない」と告げ一歩後ろへと下がった。


「王竜様、ウィスユリア様の学園に入学された際どのようにされるおつもりでしょうか?」


「うむ。それについては塒より魔法でここまで来れるのでな。問題はないだろうと思うのだが……。知り合いや友人が1人でも居ればいいのだろうが、あいにく今の所それも居ない。かと言って、1人で通わせることは私の心象的に良くない! 寮に入れるのもだ!」


「なるほど、もし王竜様がお望みとあれば、通いで学ぶ事も可能かと思われます。それともし、王竜様さえよろしければ、皇都デュセイにお屋敷をご用意いたしましょうか? 

 竜族の住処とその屋敷に魔道具を設置し、魔道具の権限を王竜様にしておけば、王竜様の許可のあるものは、移動する事ができようになりますし。

 そのお屋敷から馬車で、通学されれば誘拐されるなどの問題はないのではないでしょうか?」


 宰相の提案は悪くない、確かに屋敷を持てばウィリアと2人で出かける事もできる。塒から1人で空魔法を使って迷い誘拐などと言う事はなくなるだろう!それに、人の生活に触れることもできるようになるわけか、悪くは無い話だ……。


《皆、この提案受けようと思うがどうだろうか?》


《ですが、ひとつ問題が、アレと害虫の存在をお忘れでは?》


《あぁ……》


 ベルンのひと言で、厄介なものを思い出した。一度2人に視線をやり、皇王を見る。その視線を受けた皇王は居住まいをただし、私の言葉を待った。


「確かに、その提案はありがたいが、決める前に話すことがあるのだ」


「どのような事でしょうか?」


 皇王が私の言葉に答え、聞く態勢をとるのを見届け私は名を出さず話をはじめた。


「我らが皇城に入った日、ある女の誘いを断ったのだが……。

 その日の内に我らを担当していた文官がこう言ったのだ、『その、ある女は末の姫としてお生まれになり皆に愛されているお方です! ですのでここで断られると、今後陛下との謁見にも差し支える可能性が否めないのです』とな、これは明らかな脅しではないのか?」


「――!」


「仕方なく『他の者も一緒に茶を飲むのなら受けるのもやぶさかではない』とこちらが伝えたにもかかわらず、『その姫が明日にお願いできないかとおっしゃっている』『ですが、本日はそう長くないうちに日も傾きますので』と言われ断ると言えば、直ぐに準備が整い呼ばれたのだ!!

 更にそこで、椅子が2個しか用意されていないテーブルに着かされそうになり、護衛の者達は、はるか庭園の入り口に居た……。はじめて訪れた場所で皇王、そなたならそれを素直に受け入れられるか?」

「――!!」


「その茶会の席にある男が乱入してきたな、私の娘の可愛さは認めるが、その男の事を娘が好いているようには見えなかった……! それにだ、私の娘をウィリアと呼びたいなどと言っていた!」

「――!!!」


「その翌日は、お前も見ていたな、皇妃殿? 

 ウィリアへの社会科見学の最中に、馬車に呼ばれウィリアに貨幣の使い方を教えていたと伝えてみれば!

 その女は『まぁ、そうなのですか! シュベル様はお優しいのですね。それにしても、ウィリア様はお金の使い方をご存じなかったのねぇ? 歳が近いのにそんな事もご存じなかったのですかぁ?』

『あぁ、そうですわ、宜しければ私が何か買い物を手伝ってさしあげますわ! 計算は難しいですものねぇ?お母様、私が手伝ってあげてもよろしいかしら?』と言い、私の娘を馬鹿にしたように笑ったのだ。

 ウィリアは我ら竜と共に暮らしている。初めての町で金の使い方を教えることがそんなにおかしいことか?」

「――!!!!」


「では、こちらの要求を伝えよう!! これは決定であり覆ることは無いと知れ。

 まず乱入した男については、娘をその男の側に置く気は無い、ゆえに、今後娘ウィリアに好意を寄せる事も、近づき声を掛けることもしないでいただきたい。

 そして、ある女に対しては、【その者に罪を自覚させ、ウィリアへ謝罪し、今後一切ウィリアへの干渉・接触をしない事を神の御前で誓わせ反省させるため、神殿の許しがでるまで神殿にて奉仕活動をすること。ただし罪を認めないその時は、その者に限り初代王竜が交わした盟約を取り消し、その命ある限り竜族の敵だと認識しその命尽きるまで狙う事とする】これは北の竜の総意だ!!」

「――!!!!!」


 鬱憤を晴らすよう、話し終えた私は皇王へ視線を向けた。その顔は、赤く怒気をその瞳に湛えている。


「さて、そちらも考える時間が必要であろう?これより日が沈むまで我らは待つ事にする、刻限は特に決めぬが日が沈むまでに返答を聞かせていただこうか?」


 そう伝えた私は、そっと、沈黙の魔法を解除すると、皆を連れ部屋を後にするのだった。

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