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竜達の愛娘  作者: ao
第一章 ―王都編―
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めいわく……嫉妬と害虫?①

 評価・ブックマークをして下さった方ありがとうございます。また、それ以外にこの小説を読んでいただいた方々に心からの感謝を♪お暇なときにでも、感想やレビューを頂けると、泣いて喜びます…(笑


 すみません…1話完結できませんでした…ですのでまた、①、②とさせて頂きます。

PV2000突破を記念?して閑話を1話入れてみました…。読んでも読まなくてもストーリー的には問題ないようにしてあります。よろしくお願いします!

こんな話を読んでみたいなどありましたら、教えていただけると嬉しいです。

/シュベル(変らない視点…)


 ウルスに案内された部屋はリビングのついた豪華な部屋で、広々とした空間、貴重?な品々がところ狭しと並べられていた。リビングを挟み部屋が3部屋あり他には、風呂とトイレがあった。そのうちの1つに主寝室があり、4人は寝られるのではないかと言うほど広々としたベッドがあった。他の部屋は、ツインのベッドがあるのみだ。

 残念なことに、この部屋にキッチンは併設されていないようだった。部屋割りは、主寝室にシュベルとウィリア、他はそれぞれ、男竜・女竜で別れてもらった。男竜の方はベッドがひとつ足りないので、魔法で作り出しておいた。


 部屋には、皇宮のメイドは3人ほど配置されているようだ、また、扉入り口に2人の兵士が立っている。私達が、ソファーで寛ぐと、スーっと紅茶とお菓子を差し出してくれる。できるメイドのようだ。だが、ウィリアの作るお菓子や紅茶の方が何十倍も美味しかったのは言うまでも無い。


《さっきの皇女、シュベル様に眼の色変えてましたわね》


 そう言って、クスクス笑うアルミス


《本当に、あんなのに騙されないでくださいよ。シュベル様!》


 どうやら、第一印象が悪かったらしいルリアが追従する。


《心配無用だ!》


そう伝え、出された紅茶を飲む。あぁ、ウィリアの紅茶が恋しい……!

私達を見て首をかしげるウィリアを見て思い出した。


「そう言えば、今日の夕食をどうするか考えねばならんな!」


「あぁ、確かにそうですね。塒の皆にも出すものですし」


 困り顔のカシにベルンが少し考える素振りをして、手を挙げ、意見を出す


「こういうのはどうでしょうか? 皇宮の食事は不要と伝えて、この部屋にキッチンを魔法でつくればいいのでは?」


「いいわね! それ、そういたしましょう!」


 ルリアに賛成の意見を出す。ウィリアも嬉しそうに笑っている。作るのが大変なのではないか? と思うのだが、ウィリアは作ることに楽しみを覚えるタイプだったようだ。


「そうだな、ウィリアもそうした方が嬉しそうだし、キッチンをつくるか」


 皆に目配せすると、頷いているので、概ね良しと言う事だろう…さてでは動くとするか、壁際に立つメイドに声をかける。


「すまないが、私達の食事は不要だと伝えて欲しい。それと、この部屋にキッチンを作る許可を出せるものを呼んできてくれ」


「畏まりました。直ぐに呼んで参ります」


 そう言うと、一礼して、部屋を後にした。日が傾きだした頃、ウルスが部屋を訪れた。


「お待たせいたしました。お食事が不要とお伺いしましたが?」


「あぁ、我らは我らで用意する事にした、それでだこの部屋にキッチンをおきたいのだがいいだろうか?」


「キッチンでございますか?」


 訝しそうな顔をするウルスに、私は頷く。


「そうだ」


「それは、その1日でご用意できるものではないと思うのですが?」


「あぁ、そなた達が何かを用意する必要は無い。こちらで全て用意するので置いていいかどうかだけ教えてくれ、あぁ、もちろん帰る際は元通りにすると約束する」


「それでしたら、こちらは問題ございません」


 ウルスは、明らかに安堵した顔を見せた。自分たちには関係ないのなら問題がないようだった。


「そうか、助かる」


「いえ、とんでもない! それで、こちらからもお願いがあるのですが……」


 ウルスの顔に、汗が伝う……。


「なんだ?」


「その、先程お会いになられた皇女殿下が、お茶をご一緒したいと仰っておりまして、宜しければしばしの時間お付き合い願えませんでしょうか?」


 先程断ったにも関わらず、ここで再びお茶……。余ほど頭が悪いと見える!!


「……」


《完全に、照準合わせられてますのぅ。難儀な方じゃ》


 ジオールに同情されてしまった……。


「お願いできませんでしょうか? その、皇女殿下は末の姫としてお生まれになり皆に愛されているお方です。ここで断られると、今後陛下との謁見にも差し支える可能性が否めないのです」


 ハッ! 簡単に言うと、姫とお茶とやらをしないと、こっちの要求をのまないぞと言っているのか??


「他の者も一緒に茶を飲むのなら受けるのもやぶさかではない」


「お2人でと言うのは――「断る」」


 ウルスが話し終わる前に、断ってしまった。


「わかりました。皇女殿下にそうお伝えいたしましょう……」


「では、失礼します」と、ウルスは退室していった。


 はぁ~と溜息を漏らしドカっとソファーに座り、癒しのウィリアを撫で回す……。突然撫でられたウィリアは首をかしげ私を見ている。暫く撫で消耗した精神力を大分回復した。


「ウィリア、キッチンをつくろうか!」


「はい!」


 屈託の無い笑顔を向けてくれる、ウィリアは本当に癒しだと、つくづく思う。そうして、室内改造が始まった……。キッチンの細部などは、私には判らないためウィリアの担当だ。


 魔法を使うのを見られないよう、メイドを一時的に外へ出しキッチンを作り上げる。ベージュを主とした壁に銀の配色でシックな色合いのキッチンが出来上がった。

 早速ウィリアが、コーヒーを入れてくれる。苦味の強いコーヒーは苦手な者も多いが、私は紅茶よりこちらの方が好みだ。コーヒーと共に出された、サンドウィッチをつまみ。やっと、心なしか落ち着いたように感じた。


「やはり、ウィリア様の入れてくださる紅茶が私は好きですわ!」


「美味しさが全然違うものね!」


 サンドウィッチを摘みながら、アルミスとルリアが感想を漏らす。


「ところで、シュベル様、本当にあの皇女とお茶? するんですか?」


 ルリアは、嫌そうな顔を向け、確認してくる。そんなルリアに、私も諦めたように口を開く。


「仕方あるまい?」


 面倒この上ないと表情に出し返す。


「誰を連れて行くんですか? 私はパスですよ!」


 明らかに嫌そうな顔をするルリア


「できれば、わしもパスしたいのぅ」


 ジオールは興味ないといわんばかりだ。


「同じく……」


 カシに至っては、目が虚ろになっている


 ルリア・ジオール・カシがパス宣言した…私だって行きたくない! って言いたいところを我慢するんだゾ!! 他は強制参加にしよう……


「ベルン・アルミスは参加だ!! あと、ウィリアも連れて行く。癒しが無いとあんなのと話す気になれんな」


 明らかに、2人は嫌そうな顔をしているが、強制だ!


「はい。シュベルお父様――癒し?」


「なんでもないよ。ウィリアはお父様の側にいて!」


「はい!」


 あぁ、可愛い! この素直な娘をお前たちも見習え!! どうしたらこの思いが伝わるだろうか? 可憐で素直で優しくて、美人で!! この思いを言い表せる言葉が無い! そうだ、撫でよう! 撫で回そう!!

 ウィリアの頭に手を伸ばしかけ……


《シュベル様! 顔面が雪崩起こしてますよ……》


《これは、酷い顔じゃのぅ》


《こんな顔みたら、ウィリア様に嫌われてしまいますよ》


 などと、邪魔者達ベルン・ジオール・カルから思念が届いた。

 余計な魔法を創ってしまったと自己嫌悪に陥る私を余所に、皆は楽しそうにお茶している。そこへ、ノックの音が鳴りウルスが戻ってきた。


「失礼いたします。先程の件なのですが、皇女殿下が明日にお願いできないかとおっしゃているのですがいかがでしょうか?」


「却下だ!! 明日は皇都を散策すると伝えただろう? 聞いていなかったのか?」


「ですが――。本日はそう長くないうちに日も傾きますので……」


「はぁ~! こちらは断っても問題ないのだが?」


 あからさまな溜息を吐きシュベルは不満顔でウルスを見る。見られたウルスは、慌てた様子を見せる。


「でしたら、早急に手配させていただきます。準備が出来次第、案内の者を迎えに寄越しますので……」


 一礼して退室して行った。その後、直ぐに案内の者が現れる。


《これは確実に本日もお茶をするつもりだったのでしょうね……? 明日もと言う流れで、布石を打っていたのでしょう》


《……》


《だろのぅ》


《否定できないわね》


《何と、狡猾な……》


 などなど、(みな)から狡猾などと言われてるとは、皇女自身も思わないのではないだろうか……。まぁ、否定はできないのだが……。


 私達が席を立つと、「では、ご案内いたします」と一礼して扉を開けた。


 長い廊下を庭園まで進むと、先程、お茶をしていた場所で皇女は待っていた。ピンクのドレスだったはずだが、今は薄い紫色のドレスを着ている。化粧は、先程より入念にされているようだった。

私達の姿を見ると、立ち上がり、淑女の礼をする。


「本日2度目ですわね。お茶の席をご用意しておりますわ。どうぞお座りになって」


 そう言って朗らかに笑い、2()()しかない椅子を勧めている……。


《明らかに、我々は呼ばれてないようです!! 帰っていいですか? ハハハハ》


《そのようですわねぇ? フフフ》


 ベルンとアルミスの思念が怖い!! 無表情でまさかの笑い声……。


《ダメだ! 愚かしいマネをするものだ!》


「…………」


「あら、どうなされたのですか?お付の方はあちらにお席をご用意させて頂きましたわ」


 示された場所は、庭園の入り口側であり今、皇女が座っているテーブルから10メートルは、離されている。


《頭が少し弱いのかしら?》


《護衛の意味をしらないのでは……?》


《お前達……、皇女(これ)のすることに構うな》


 私が皇女に苦情を言おうと口を開くと皇女が被せる


「皇女と言ったか――「まぁ、皇女だなんて、リーシャとお呼び下さい。シュベルはーと


「皇女、お茶を共に飲む条件をもう1度思い出せ!」


「お供の方を一緒に連れてくるでしたかしら? もちろん、お茶はご用意させて頂きますわ」


「そうではない、私は2人で茶を飲むことは断ったはずだ」


「ですから、あちらにお席をご用意しておりますわ」


「あの位置では、護衛にもならん。近づけさせろ!」


「……」


 パスっと扇子を開き、何やら侍女に伝えると侍女たちが数人がかりで入り口近くにあるテーブルを動かしだした。半分程近づけると侍女たちはテーブルへのセッティングを開始する。


《私の言い方が、間違っているのか?》


《明らかに、2人でお茶を遂行したいのでしょうね》


《諦めて、2人でお茶されてはいかがですか?》


 辟易した声音で返すベルンに対し、確実に、アルミスは面白がっている!


《アルミス! 覚えておけ……》


《ひっ!》


 大人気ないとは解っていても、ドスの利いた声でアルミスに鬱憤を晴らす。皇女に何を言っても無意味だと思い。


「はぁ~。(本当になんて厄日だ)ウィリアおいで」


 呼んだウィリアを膝の上に乗せた。それをみたリーシャは、僅かに顔を歪めた。それは瞬きする間に消えたが確実に見えていた。


 皇女が席に着き、お茶会が始まった。出されたお茶は最高級のものなのだろうが……非常にマズイ。お菓子も、丁寧に作られているのだろうが……雑すぎる! 西門詰め所で食べさせてもらった物のほうが美味しかった。


「シュベル様、お膝の上にお座りの方はどなたかしら?」


「娘のウィスユリアだ」


「ぇ? お嬢様ですか? 御結婚されていたのですか?」


 目を見開き驚く皇女に


「娘だ。結婚? 番のことか? それならば否だな」


「番ですか……? では、お嬢様とは血のつながりはないのですね?」


「あぁ、そうだが?」


「では問題なしですわ……」


 明らかに、ほっと胸を撫で下ろしている様子が窺えた。何をだ?と聞けばいいのだろうが、ここで聞くのは何故か嫌な予感がした。


「ウィリア」


「はい、シュベルお父様?」


「元々、小食なのだ! あまり、食べると夕飯に差し障るぞ?」


 ウィリアは食べかけのお菓子を口から離し見つめた後、そっと私の方へお菓子を差し出した。


「いいのかい?」


 すると、頷き、計らずもウィリアにあ~ん!! して貰う事になった。リーシャの存在を忘れ、ウィリアを撫で回し、お礼に額にキスをした。


 ふふっと笑い、照れたウィリアは、恥ずかしそうに俯き額に手を当てる。

 そうして顔を上げると、はにかんで見せた。それが、夕日の差し込むバラ園での出来事なだけに、夕日を浴びたバラの色味が深くなり、ウィリアの背景としてとても美しく見えた。

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