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迷宮と掲示板 改稿版  作者: Bさん
5章 闇と墓の迷宮
82/88

64話

ホラーっぽい&少しグロい描写が出てきます。

苦手な方は、飛ばして下さい。次の話にて前書きで簡単なあらすじを記載致します。

カンテラを手に持って、辺りを見回す。窓から覗く月明かりと合わせて、ここがロビーだと判別できた。

 ここは、一言で表すのなら、古びた洋館だろうか。中央、左右には奥へと続く道があり、前方左右には2階へと上がる事が出来る階段がある。

 作り自体はかなり豪華と言えるのだが、手入れが全くされていない家具は傷や汚れだらけだ。

 それだけに、ホラー的な雰囲気が出ている。


「……これは怖いな……」


 皆が居たときは外だったし、タリス以外の全員分のカンテラのお陰でそこまで気にならなかった。1人で歩く洋館は、狭い範囲しか照らしてくれない。

 全体をパッと見た感じでは、このロビーに怪しい物は無いようだ。入っていきなり奇襲を受けるような状況だったら、こうしてのんびりと様子を窺うことは出来ないだろう。

 ともかく、仲間を探さなければならない。皆頼りにはなるが、現在は罠に掛かった状態なのだ。


 マッピングを開いてみたが、ウィンドウにはNo Mapとしか表示されていない。どうやらこの洋館は、このスキルも使用できないようだ。

 こうなるんだったら、魔力感知のスキルを無理してでも取っておくべきだっただろうか。いや、既に罠に掛かっているんだ。ない物をねだっても仕方ないだろう。


 マップやアイテムボックスが使えないのでは、出来る限り効率的に歩いた方が良い。とは言え、目標はあっても、目的地がある訳ではない。

 目標は、仲間を救出し、この洋館から脱出する事だ。外に出たらどうなるかまでは解からないが、少なくとも最終的に誘い込まれたのがここである以上、脱出を出来たら助かる気がする。

 今までも難しい事はあっても不可能な事はなかった。この迷宮の製作者が、どんな意図でこの洋館を作ったのかまでは解からない。だが、少なくともクリア出来ないという状況はあり得ないだろう。


「落ち着け……こんな時だからこそ……」


 自分に言い聞かせるかの様に呟く。仲間が居ない探索は、この迷宮に飛ばされた時以来だろうか。これほど不安になるとは思いもしなかった。

 深呼吸をしながら心を落ち着かせる。少なくとも先程までの恐怖は薄れてきた。探索をする上で恐怖は注意力を散漫にさせるだけだ。


「2階は後回しにするか……」


 1階は中央と左右に道が伸びている。右の通路に向かう。何か根拠がある訳ではない。何となくだ。

 その道を進むと廊下がある。右手には窓、左手にはいくつもの扉が月明かりに照らされてその存在を見せていた。

 窓から外を見ると、墓場が見える。この辺りは迷宮のどの辺りなのだろうか。マッピングを開けない今の俺には予想も付かなかった。

 窓の外にはゾンビやゴーストがいる。こちらを見向きもしない事から、窓を突き破って入り込んでくる事は無さそうだ。突然窓ガラスを割って侵入して来たら驚くし、それはそれで助かる。


 左のドアを開けようとドアノブに手を掛け回してみるが、ドアノブは硬く回らなかった。鍵でも掛かっているのだろうか。もしかしたら、探索する順番を間違えたのか?

 こういう時の罠解除のスキルだろう。鍵穴にカンテラを近づけて中を見る。罠解除のスキルの知識と照らし合わせてみると、オーソドックスな鍵のようだ。これなら、俺の技術でも開けられるだろう。

 いつも宝箱の鍵を開ける為に使っている針金を手元に召喚する。それを鍵穴に突っ込む。


「――ッ!」


 鍵穴に突っ込むとすぐに手に静電気の様な何かが走る。そして、針金を手元から落としてしまった。落とした針金を拾う為にカンテラでそれを照らす。

 針金は本来の長さの半分くらいまで消失していた。


「これは……鍵以外で開けるなって事なんだろうか……」


 どうやら静電気では無いようだ。これも一種の罠なのかも知れない。罠解除のスキルで気が付かなかった所を見る限り、そういう罠ではなく仕様なのかも知れないが。

 こうなっては、武器で破壊するのも駄目だろう。下手したら変な反撃を受けるかもしれない。

 俺は、その扉を諦めて廊下を進んで行った。


「ここもか……」


 廊下にはいくつか扉があったが、全てに鍵がかかっていた。どうやら、こちら側はハズレの様だ。鍵を手に入れることが出来れば、何かしらの手掛かりが得られるのかも知れない。

 とは言え、ない物をいつまで経っても考えても仕方ない。そう思い、俺は先程のロビーへと戻り、左側の通路へ向かった。


「おっ、ここは開くな」


 左の廊下に入ってすぐの扉を調べた所、鍵がかかっていないようだ。罠の可能性もあるが、現状進める場所が限られている以上入るしかないだろう。

 俺はその扉を開けて中に入る。腰のカンテラを右手に持って高く掲げる。その部屋はかなりの広さなのだが、家具が一切ない。もしかしたら、ダンスホールみたいな役割を持っているのだろうか。

 そのまま周囲を調べるように見渡す。そして、それが目に入った。


「パステル!!」


 1人の女性が壁に張り付けられていた。特徴からしてパステルに近い。俺は、パステルの名を叫びながら、その女性の近くへ走っていく。

 手足を杭の様な物で固定され、その心臓のあたりにも突き刺さっている。まるで罪人を罰するかのような光景だ。何て酷い事をするんだろうか。

 

 いや……心臓を貫かれたら当然血が出るし、そもそもそんな致命傷を受けたら死んで拠点へと転送されるだろう。

 目の前のパステルに似た女性は、血が流れていなかった。かなり怪しい。思った以上に俺は冷静の様だ。

 そこで1つの情報が脳裏を過ぎる。カースドドール。呪われた人形。


 その女性を良く見る為に近付く。カンテラを近づけて見ると、肌は木製だろうか。精巧に出来ているが、その顔や胸のサイズはパステルとは大きく違っていた。

 髪の色と身長で勘違いをしてしまったみたいだ。


 俺は、仲間が酷い状態になって居ない事への安堵から、ゆっくりと息を吐く。


「ぎぃぃぃやぁぁぁぁぁ」

「うおっ!」


 突然人形が奇声を上げる。俺はその声に驚き、尻餅を付いてしまった。

 人形は、そのまま手足を動かす為に暴れている。あのまま確認をせずに杭を外していたら、襲われていたのだろうか。


 なんとも嫌なギミックだ。とは言え、さすがにこのまま放置する訳にもいかないだろう。

 何かの拍子で杭が外れたら、後ろから襲われるかもしれない。俺はカンテラを腰に装着すると剣を抜く。

 こういう時、神聖魔法が使えれば遠くから撃てるのだが、ないものは仕方ない。ゆっくり近付くと、剣を振りかぶって人形の頭を叩き割った。

 心臓の部分は杭が打ち込まれている。そこにコアは無いという事なのだろう。そうなると、頭が一番怪しく思える。


 叫びながら暴れている人形の頭を叩き割った事で、その動きが止まった。そして、すぐに粒子となって人形が消えていく。

 どうやらコアは頭にあったようだ。人形とは言え、何度も剣を撃ち込むのは勘弁して欲しいところだっただけにこれは助かる。

 人形が消えた跡には、宝箱が1つ現れた。洋館の中でもこの仕様は変わらないらしい。


 宝箱の罠を外し開けると、ダーク鉱と思われる石、薬品と思われる液体が1つずつ入っている。

 さすがに、この状況で邪魔になるダーク鉱を持ち運んでも仕方ない。薬品だけを手に持ってみる。

 透明な瓶だが、この状態では回復薬なのか毒薬なのかは解からない。蓋を開けて臭いを嗅いでみると、今まで嗅いだ事のない刺激臭が鼻に入ってくる。

 同時に、鼻の辺りが少し痛くなってきた。


「これは、毒薬か?」


 回復薬や各種ポーションは飲んだ事があるから、何となく臭いは解かっている。

 だが、毒薬だけは嗅いだ事すらなかった。鼻への刺激を含めて体に良い物ではないと思う。


「捨てよう」


 さすがに飲む事はないだろうし、持っていても仕方ない。何かの弾みで飲んでしまったらそれこそ大惨事だ。

 瓶を地面に置くと部屋の中を調べる。だが、家具すらないこの部屋には調べるような所が殆ど無かった。地面に何か落ちているのか確認してみたが、それもない。


「完全に無駄足か……」


 俺は落胆しながらそう呟くと、部屋から出て行く。この廊下にはこのダンスホールしか無いようだったので、ロビーへと戻る。

 中央の通路に向かうと、2つの部屋があった。軽く片方のドアノブを回してみると鍵が掛かっていない。もう片方も調べてみるが、そっちは開かなかった。

 この鍵のかかった部屋を開けられるのは、いつになるのだろうか。ともかく、今は開けられる部屋から調べる必要があるだろう。


 開けられる方の扉を開くと、中からは腐臭が漂ってくる。嫌な予感がする。ゾンビでも居るのだろうか。

 部屋の中は、窓が無いのか真っ暗だった。俺は盾を置くと左手にカンテラを持つ。そして、もう片方の手には襲ってきた時に反撃出来るように剣を抜いておく。

 部屋の中の様子を見る為にカンテラを高く掲げた。


「うっ……」 


 俺は剣を取り落とし、手で口を押さえる。その部屋はキッチンの様だった。だが、そこに撒き散らされた物を見て吐き気が止まらない。目から涙が溢れてくる。

 魔物を殺して臓器などが見える事はあった。多少気持ち悪いと思うことはあっても、その程度は良くある事だったので慣れていたと思っていた。

 だが、この部屋の中の状況はその比ではなかった。

 すぐに剣と盾を回収すると外に出て部屋の扉を閉める。あんな凄惨な現場を長く見たいとは思わない。

 もし、あの中に鍵があったとしても、長時間探すほど鉄の心を持っている訳がない。

 俺は、この扉を開けた事を後悔した。カンテラで部屋全体を見回してしまった事を後悔した。いや、臭いの時点で察するべき事だったのかも知れない。

 

 鼻には先程の部屋の腐臭が残っている。それだけでも吐きそうだ。すぐにでも離れたい。そう思うと俺はロビーまで戻ってきた。


「一体何なんだよ……」


 腰を地面に降ろして俺は呟いた。既に心は折れかけている。それが自分でも良く解かった。

 仲間がいない。辛い現場を見た。ただ、それだけの事である。もしかしたら、俺はいつの間にか仲間に依存していたのかも知れない。

 早く帰りたい。そんな気持ちが溢れてくる。手に持った剣を見る。この剣で自分の首を突けば、苦しみがあったとしても帰る事が出来る。

 いや、そんな事を考えてはいけない。辛い思いをしたとしても、自らの命を絶つ事だけは駄目だ。

 脱出する手段だってあるかも知れないんだ。俺はそう考えてどうにか立ち上がる。そして、まだ探索をしてない2階へと上がった。


 2階は左右と中央に道がある。1階と変わらない構造のようだ。

 だが、俺はもう疲れてしまっている事もあり、中央のいかにも何かありそうな通路へと入っていく。

 短い廊下の先には巨大な扉があった。通路があるというのに左右には何も無い。何のための通路なのだろうか。

 その巨大な扉に手をかけると、重苦しい音と共に開いていく。


 中を覗き込むとまず目に入ったのが長いテーブルだろうか。その上には、花瓶とその中に萎れた花が添えてある。

 左右には、色々なアンティーク家具が置いてあったが、やはりと言うか傷や汚れが酷い。かなりもったいないんじゃないだろうか。


 そして、正面を見ると、月明かりがその魔物を照らしていた。豪華なドレスを着ている女。

 だが、目は今にも落ちそうなほど飛び出しており、露出している顔や手には虫が湧いていた。

 外のゾンビよりも遥かに気持ち悪い見た目である。出来れば、さっさと倒して、ここから逃げ出してしまいたい。


 俺は剣を抜いて盾を構える。すると、女のゾンビはこちらへ走ってきた。

 相手は武器を持っていない。ただ、腕を振ってくるだけだ。俺はその腕を盾を使って防ぐ。そして、その首を剣で切り落とした。

 盾で相手の体を押し込み弾き飛ばす。左にはゾンビの頭が、正面にはゾンビの体がある。

 強さは大した事無いのだろうか。簡単に首を刎ねることが出来た。


 いや、ゾンビは首を刎ねた程度では死なない。コアを破壊せねばならないんだ。

 頭と分断してもどうにかなるのなら、その心臓にコアがあるのだろう。女のゾンビは、二足歩行を止めたのか、手足を地面に付いて四つん這いのまま走ってくる。これは怖い。

 想像して欲しい。頭の無い死体が手と足を地面に付けて突っ込んでくるのだ。


 恐ろしい以外にも心臓の部分を狙い難い。足で踏み潰して心臓を狙うべきだろうか。

 動きが速いと言っても狼ほど素早い訳ではない。あくまで人間が行動するレベルの速さだ。

 俺は、タイミングを見計らって足を上げる。そして、その体を踏み潰そうとして力を入れた。


「なにっ!!」


 踏み潰そうとした瞬間、俺の両手が動かなくなる。手のある位置を見ると何も無い空間から腕が伸びて俺の手を掴んでいた。

 強く力を入れても振りほどけない。こうしている間にもゾンビが、俺の足を掴む。そしてその力を入れて金属で出来ているはずのグリーヴを潰した。


「ぐぁ……」


 あまりの痛みに声が漏れる。歯を食いしばって耐える。発狂したかのように叫びたい。だが、戦闘は終わっていない。

 ここでは諦めたら死しか残っていない。


 ゾンビは次に動けない俺の太ももを狙ってきた。その爪が俺の肌に突き刺さる。ズボンが破れて血が流れる。

 カンテラに照らされたその傷は黒く染まっていく。


「まさか……毒なのか?」


 太ももはすぐに黒く染まってしまった。毒にしては速すぎる。そして、ゾンビは俺の太ももを握りつぶした。

 片足が地面に落ちる。痛みは毒のせいか一切無い。だが、それがとても怖い。まるで、関係の無い映像を見るかのように呆然としながら見ていた。


「ああ……」


 思わず声が漏れる。バランスは両腕が掴まれているからか、崩れない。

 そして、ゾンビは俺の足を持つと、刎ね飛ばした自分の頭の方へ向かって行く。


「なに……を……」


 一体何をするつもりなのだろうか。ゾンビは俺の足を頭に近づけると食べ始めた。


「や、やめ……」


 自分の足が食べられていく光景なんて見たくは無い。俺は戦闘中であるのにも拘わらず、目を強く閉じるとその光景を遮断した。

 強く腕を動かし振り払おうとする。このままでは俺自身が生きたまま食われてしまうかも知れない。

 それは自らの命を絶つよりも遥かに恐ろしい事だ。だが、その腕を外す事は出来ない。どんな力が加わっているのだろうか。


 目を開くと正面にゾンビが居た。頭を片手に持って。


「あ……ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 俺は叫んだ。いや、叫ぶ事しか出来なかった。手足を思いっきり動かして暴れる。

 このまま俺は生きたまま食われてしまうのだろうか。さっき、ロビーで思い止まらずに、一思いに自らの命を絶てば良かったのではないだろうか。

 

 ゾンビは、俺の正面にその腐敗した頭を近寄せてきた。


 そして……。



☆ ☆ ☆ ☆ ☆



攻略ネタ提供スレpart58


554 名前:名無しさん

おい、早くしろよ

続きが気になって眠れねーじゃねーか


555 名前:名無しさん

ああ、すまんすまん

丁度夕飯と風呂でさ


556 名前:名無しさん

なら、一言くらい言って行けよ

んで、続き早くしろ


557 名前:名無しさん

解かったよ

中は古びた洋館って事は話したよな?

その洋館の入り口の扉を見ると鍵穴があったんだ

罠解除のスキルは仲間に依存していたから

どうしようもなくてそこを離れたんだ。

だけど、こういう洋館探索って細かい所まで調べるもんだろ?

だから、ロビーをくまなく探したら階段を見つけたんだ


558 名前:名無しさん

いや、そこでくまなく探すっていう発想に行き着くか?

ゲームじゃないんだしさ


559 名前:名無しさん

ゲーム感覚かもな

こういう廃墟に入る若者って意外と多いらしいし


560 名前:名無しさん

そうそう、俺も廃墟とか好きなのよ

んで、階段を下りて行ったら、石造りの通路だったんだ

洋館なのに不似合いなその空間を歩いていくと、部屋があった

牢屋と剛毛部屋かな


561 名前:名無しさん

剛毛部屋って何だよ

その辺から毛が生えてるの?

ハゲそうな俺に対する厭味なの!?


562 名前:名無しさん

すまん、拷問部屋だ

そこには、アイアンメイデンとか舌を引っこ抜く器具が一杯あったんだ

詳しい器具に関してはさっぱり知らないんだけどね

調べていったら、メモと鍵があった

さすがに全部書くのは長いから、要約すると

この洋館の主は美しい者が許せないらしくて

美人を捕まえては拷問して殺していたんだそうだ

それに対する愚痴が書いてある感じだったかな


563 名前:名無しさん

へー、この迷宮にそういう物語性みたいなのがあるのって初めてじゃね?


564 名前:名無しさん

テンプレみたいな展開だけどな

んで、鍵は出口のだったの?


565 名前:名無しさん

そう焦るなよ

他に調べても何も無かったからロビーまで戻った

んで、入り口の鍵はハズレ

何の鍵か解からないから、右手の通路に向かったんだ

そこに部屋が一杯あったんだけど、鍵を差し込んだら開いたよ

ここのだったみたいだ


566 名前:名無しさん

てか、思うんだけど

そういう愚痴を書いたら主とやらに見つかって殺されるんじゃね?

普通メモで残さないよな


567 名前:名無しさん

お前・・・それを言ったらゲームが破綻するじゃねーか

そもそも部屋の鍵が一緒に置いてある事自体がおかしいし


568 名前:名無しさん

鍵を開けて入った部屋には、連れて来られた女のメモがあったんだ

もうすぐ殺される事を理解していたらしく、恐怖を綴っていた内容かな

一緒にやっぱり鍵があった

その辺の部屋は全部似たような構造で

鍵が置いてあった部屋以外には何もなかったかな


569 名前:名無しさん

無駄に部屋を増やしているなぁ・・・

探索が面倒臭そうだわ


570 名前:名無しさん

連れて来られた女って何で牢屋じゃないのよ

普通に逃げられるんじゃね?


571 名前:名無しさん

まぁ、そこはメモだったらしいし

拷問官が自室に持ってきたとか


572 名前:名無しさん

そもそも牢屋でメモを書いたのか?


573 名前:名無しさん

こまけぇことはいいんだよ


574 名前:名無しさん

今度は左の通路に入ったらダンスホールだった

そこに1体も魔物が居たんだけど、動けないわ、弱いわで楽勝だったな

そして、ここの部屋には何もなし


575 名前:名無しさん

もしかして、鍵のかかっていない部屋はハズレなのかね?


576 名前:名無しさん

うぃ、その通り

ロビーに戻って中央の通路に向かったんだ

そしたら扉は2つあった

鍵が掛かった方の部屋に入ったら、そこは書架だったよ

その中の本を読んでみると、ここの主は召喚魔法を使うってあった

それを封じないと複数の相手をするようなもんらしい

んで、封じるアイテムが2階の事務室にあるんだってさ


577 名前:名無しさん

随分とご丁寧な誘導で

まぁ、オマケみたいなもんだろうし

そこまで複雑ではないか


578 名前:名無しさん

もう片方の扉を開けたら凄く臭かったからすぐに閉めた

んで、2階に上がって左側の通路に向かうと部屋があったんだ

屋敷の大きさからしてみたら1室しかないのは変だったけどね


579 名前:名無しさん

ここでいきなり手抜きかよ

製作者、飽きたな・・・


580 名前:名無しさん

その部屋を調べると、ナイフが1本あったんだ

そこの近くのメモによると、それが魔法を封じるアイテムらしい

とにかく刺せってさ

中央はボス部屋っぽかったから、右の通路に進んだんだ

そこは思い出したくないかな・・・


581 名前:名無しさん

一体何があったんだ・・・

まぁ、関係ないのならスルー推奨か


582 名前:名無しさん

ナイフを持って中央のボス部屋に入ったんだ

そしたら、女のゾンビが1体いた

なにやら外を見ていたから、この隙にナイフを投げたんだ


583 名前:名無しさん

おい!

そういう演出だったかも知れないだろ!!

空気読めよ!!!


584 名前:名無しさん

自分の命が懸かっているんだから仕方ないだろ


585 名前:名無しさん

刺さったら紋章みたいなのが現れたんだ

んで、走って寄ってきたから上半身と下半身を分断した

そしたら、別々に行動してきたから斧で叩き潰したら呆気なく死んじゃった


586 名前:名無しさん

よわっ!

なんだそれ


587 名前:名無しさん

その倒される間に召喚魔法とか使うタイミングがあったんじゃないかな

それが封じられたから何も出来ずに呆気なく死んだと


588 名前:名無しさん

倒したと思ったら、そこに炎と鍵、短剣が現れた

鍵と短剣を取ると、炎が燃え広がったんだ

瞬く間に部屋全体に燃え移ったね


589 名前:名無しさん

館モノのラストはやっぱり火事だな

定番過ぎる


590 名前:名無しさん

実際に巻き込まれたら

堪ったもんじゃないけどな


591 名前:名無しさん

うん、鍵を持って急いで入り口まで走った

その鍵が出口の鍵かどうかは解からないけど

急いで回したら扉が開いたんだ

外に出たら、館が燃え落ちるんじゃなくて消滅していた

まるでそこには最初から何もなかったかのように


END


592 名前:名無しさん

おつ

それって単にその洋館が魔物だったんじゃないか?

全部含めてユニークモンスターだったと


593 名前:名無しさん

かもなー

んで、拠点に戻ると使い魔たち全員が居たんだ

飛ばされたのは俺だけで、他のメンバーは全員強制帰還だったらしい


594 名前:名無しさん

まぁ、無事だったのならいいんじゃね

短剣はどんな効果だったん?


595 名前:名無しさん

シールナイフって書いてあったよ

魔法やスキルを封じる効果があるんだってさ


596 名前:名無しさん

それって強くね?

スキルを封じられたら俺、何も出来んぞ


597 名前:名無しさん

確かにな

魔法系のボスが居たら凄く重宝しそう


598 名前:名無しさん

そういうボスに限って

状態異常無効とかあるんだぜ?

効いたら強すぎるし


599 名前:名無しさん

ユニークモンスターの品物じゃ出品できないしな

お疲れさん


600 名前:名無しさん

キーは最初のロビーにあるとか予想できねーよ

そこをスルーしたら敗北か


601 名前:名無しさん

そこさえどうにかなれば楽勝らしいし

今後は楽に倒せそうだな


602 名前:名無しさん

別名トラウマ製造機だったからね

これで何人助かるのやら


603 名前:名無しさん

ちょっと、ムカデどうすればいいの、これ


604 名前:名無しさん

レベルを上げて物理で殴れ

グロ描写の詳細はあえてカットしました。R18Gに指定されても困るので。

その為、洋館の探索があっさりしてしまって申し訳ないです。

カット項目

・スズキがすぐに閉めたキッチンの探索

・掲示板で言いたくないと言っていた部屋の探索

・スズキが食い殺される描写


彼らは、途中から洋館の話をスルーしてしまいましたが、館にある情報を集めるとこんな感じになります。


ある洋館に美しい女主人が住んでおりました。

ですが、その美しさも年齢には勝てません。老いていく自分に女主人はお金をかけて維持しようと努力していました。

ある日、女主人が街に出かけると、美しい女性を見かけます。女主人はその姿に嫉妬し、その女性を誘拐して洋館へと連れ込みました。

女主人は、使用人に美しい女の顔や体を拷問して殺すように命じます。

そして、その美しかった体を食すという狂気に塗れた行動をしました。

それから、使用人に命じ何度も美しい女を誘拐しては殺して食べていました。

ですが、そんな日も長くは続きません。国の兵により女主人の討伐令が下ったのです。

やがて、女主人は捕まり処刑されました。ですが、洋館には女主人や殺された女たちの怨念が宿り魔物と化しました。

女主人の魂は洋館に捕らわれ、永遠とも言える苦を受け続けることになったのでした。


異世界ではよくある話です。

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