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迷宮と掲示板 改稿版  作者: Bさん
4章 街の迷宮
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タリスの日記③

43日目

今日から4階層の攻略らしい。

マスターとティア、パステルの3人が軽い様子見に行った。

あたしとコクとネクは留守番だ。

コクはいつもの様に採掘と鍛冶をすると言って出て行った。

あたしは、ネクと一緒にコタツに入りながらテレビを見ていた。


ネクは最近、変な服を作るのに嵌まっているらしい。

見た目は可愛いのだけど、どうにもヒラヒラしていて動きにくそう。

でも、あたしは知っている。ネクが夜にこっそりそれを着ている事を。

誰も見ていないと思っているみたいだけど、実は皆知っている。

敢えて言わないだけだったりする。ネクも女の子だしね。


マスターが帰ってきて変な事を言ってた。

迷宮が街とか何とか。

良く解からないけど、街が見れるのなら面白いかも知れない。

あたしも生前に人間の街を見て回りたかった。

その願望が叶えられる事はなかったけど、もしかしたらそれが実現するかも知れない。

そう思うとワクワクする。


44日目

コーラは至高。

マスターはそれが解からんのです。

ドクターペッパーなんて飲み物じゃない。毒物だ。


今日は、滞在する為に色々な準備をした。

マスターがティアといちゃいちゃしてた。

いつもの事だけど、時と場所は選んで欲しいと思う


エプロンってそんなに良いのかな。


48日目

明日から迷宮に滞在する事になる。

準備で作っていた料理をつまみ食いしたら怒られた。

次は見つからないようにやろう。


暫くしてから再度挑戦した。だけど、任務失敗。

ティアの察知能力は、あたしが思った以上に鋭いようだ。

こうなったら風の魔法を使ってヒットアンドアウェイでスピード勝負だ。

自分に魔法をかけて料理へと突撃した。


したのだが……そのままあたしは料理に向かってダイブした。

止まる事を考えてなかった……。


もちろん、ティアに怒られた。


52日目

久しぶりに拠点に帰ってきた。

ネクは倒され、マスターは骨折と無事とは言い難い。

でも、やっぱり我が家は落ち着く。


53日目

ティアから記憶が戻ったと告白された。

ティアもまた悲しい過去を持っていたみたい。

あたし達の年齢でここに居るという事は、大半の人が何かしらの事故や病気で死んだと思われる。

そう考えると皆そういう過去を持っているんだろうなぁ……。


パステルに連れられて魔法の実験をやらされた。

マジックポーションを何本も飲んで辛かった。

味を誤魔化せてもお腹に入る量は決まっている。

何回もトイレに駆け込んでしまった。


54日目

今日から暫くコクも一緒に探索をする。

先輩としてビシバシ鍛えてあげないとね。

鎧を身に纏った姿はゴーレムみたいで面白かった。

すぐに脱いじゃって残念だったけど。


59日目

もうコクが探索に参加するのが終わっちゃった。

もっと色々なところを一緒に回りたかったのに……。

コクは引き篭もってばかりだからもっと歩き回ったほうが良いと思う。


60日目

コクが作った試作品? というのが完成した。

凄い音だった。なんだかワクワクした。

先端にくっついていた水晶が綺麗だった。

ああいう物で何かアクセサリーとか作ってくれないかなぁ……。


テレビでマスターの故郷の紹介をしていた。

あたしが知っている建物とは全く別の雰囲気の家ばかりだった。

マスターはこの迷宮を終えたらどうするのだろう。

故郷に帰れるのだとしたら、あたしも一緒に行きたいな。


64日目

昨日、パステルが帰ってきた。あたしは昨日気絶しちゃったらしい。

合成魔法の研究もしていたらしく、あたしはそれを見てびっくりした。

こんな理論で併せるなんて想像がつかない。

本当にこんなのが出来るのならパステルは天才だと思う。

あたしもパステルみたいになりたい。


夕食の時、ネクが作ったというトマトが大量に出てきた。

美味しいのだけど、そればかりというのはちょっと……。

でも、ネクが満足そうな雰囲気を出していたから良いのかな?


68日目

ここの所毎日、合成魔法の練習をした。

魔力が底を突いて何度もベッドで寝かされていた。

それでもあたしたちは諦めなかった。

この魔法は、今回だけじゃない。これから迷宮を探索していく上で大きな攻撃手段になるから。

マスターの役に立てるのなら、努力は惜しまない。

あたしにだって出来る事を証明したい。


69日目

やっと……やっと完成した。

あたしの魔力はギリギリだけど耐えられた。

多分、コクが作ってくれたアクセサリーのお陰だと思う。

コクは皆にアクセサリーを作ってくれたんだ。

あたしとパステルは魔力が上がる腕輪。

マスターとネクには腕力、ティアには敏捷が上がる腕輪だった。


今日の夕飯はまたトマト尽くしだった。

そろそろネクは自重して欲しい。


74日目

やっと龍を退治した。

ちょっとヒヤッとした所はあったけど、皆無事だった。

3発しか撃てなかった筈なのに、4発目があった事をティアがコクに聞いていた。

コク曰く「こんな事もあろうかと」だそうで。


拠点に戻って皆汗を流すと、祝勝会だった。

今まで作った料理を全部出して騒いだ。

マスターとコクとネクは相変わらずお酒を一杯飲んでいた。

さすがにあたしとティアは遠慮してお酒は飲まなかった。

パステルはゆっくり飲んでいたし、前回の失敗をちゃんと反省しているのだろう。

それより今日は料理だ。


今回の戦いで思ったのは、あたしには力が足りない。

どうにかして、もっと強くならないと……。

何か方法はないのかな?

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