24話
「今日から3階層の攻略を始める。どんな迷宮か解からないからまずは偵察になる。少人数で様子見に行こうと思う。参加したい者は?」
大蜘蛛を倒した翌々日、いつものミーティングに入る。
いつもだったら、タリス辺りが突っ込んで来そうなんだが、今日は珍しく黙っている。
調子が悪いのだろうか。
「参加する」
「では、私も」
ティアとパステルが立候補してくる。
ネクは沈黙、タリスは何故か俯いている。
「それじゃ、3人で行ってみよう。すぐに戻ってくると思うけど、ネクとタリスは留守番頼むな」
『任せといて』
俺がそう締めくくると、少しの間沈黙が支配する。
いつもだったらタリスが返事をするのだが、いつまで経っても来ない。
焦れたネクが文字を書いて見せてきた。
「タリス、調子が悪いのか?」
「ッ!! だ、大丈夫。いつも通りよ?」
タリスに声をかけると、引き攣った笑顔でそんな返事をしてきた。
どう考えてもおかしい。どうしたのだろうか。
俺とネクは顔を見合わせると、ネクが無言で頷いた。
これで留守中に何か悩みでもあるなら、聞きだしてくれるだろう。
「そうか。それじゃ、ティアとパステルは装備の準備をしてくれ」
「解かった」
「……はい」
ティアとパステルも、タリスの様子がおかしい事を気にかけているようだ。
今は敢えて何も言わない。ネクに任せよう。
俺たちは装備を整えると、2階層のボス部屋への直通ゲートを使用し迷宮へと入った。
ボス部屋に出現していた階段を降りていくと、そこには小部屋があった。
壁は岩で崩れないように木材で補強されている。
まるで鉱山の中に入ったようなイメージだ。
「これは、坑道でしょうか」
「そんな感じだな。結構薄暗いから足元に注意してくれ」
パステルも同じ意見だったらしい。
その部屋の天井には1つのカンテラが吊り下げられており、かすかな明かりで全体を照らしていた。
カンテラの真下は結構明るいが、部屋の隅は暗闇が支配している。
正面にある扉を開くとそこは真っ暗だった。
通路にも部屋のように一定間隔でカンテラがぶら下がっている。
かなり薄暗く、見えない場所が多く存在する。
こんな状況では敵を見つけても戦うのは辛いだろう。
下手をしたら暗闇の中から攻撃をされる恐れもある。
「明かりが必要ですね」
「ああ、マップがあっても迷いそうだ」
「そう?」
パステルと俺は意見が一致していたが、ティアは何故か疑問を投げかけてくる。
直感だけで見えない敵と戦えるんだろうか。
「ティアは大丈夫なのか?」
「ん、明るい所とは違うけど何となく見える」
聞いてみるとそんな返答が返って来る。
……あれか。猫の目ってやつか?
確か猫は明るい時と暗い時で目が変化していた気がする。
獣人はそういう能力もあるんだろうか。
瞳孔が細くなった所とか見た事無いんだがな。
「もしかして、見える色とか違いがあるのか?」
「本のカラーページはちゃんと見える」
どうやら、暗いところで見える能力があるくらいで人間と大差ないようだ。
こういう所でも獣人は人間よりも優れているらしい。
「とりあえず、少し周辺を歩いてみよう。ティア、期待してるぞ」
「任せて」
ティアはそう言うと、その大きいとは言えない胸を張る。
ブラを付けても主張が弱いのは、ちょっと悲しくなってくるな。
「ここには光の精霊はいないみたいですね」
「それが居ると何か変わるのか?」
「居れば魔法で明かりを灯せたのですが……」
この場所の精霊を調べていたパステルがそんな事を言ってくる。
精霊魔法は多種多様に分かれており、いろんな場面で役に立つらしいが、精霊の有無で使えない可能性がある。
便利なようで結構不便のようだ。
だが、魔法で明かりを灯すと燃費が悪そうだ。
「まぁ、仕方ない。明かりは後で用意するよ」
そう締めくくると俺たちは坑道の中を歩き出した。
「生命感知だとゴブリンとドワーフが居るな」
「ゴブリンとドワーフであれば、暗闇から襲ってくるタイプではありませんね」
生命感知+マップで敵の位置を確認する。
マップ自体は完成していないが、光点は相変わらずその辺りに点在していた。
ゴブリンは3~5体、ドワーフは1~3体のグループになっているようだ。
前に掲示板で話していた内容からすると、ゴブリンは130cm前後、ドワーフで小さくても140cmくらいあったはずだ。
そう考えると、明かりの遮られている場所から奇襲してくる事もなさそうだ。
小さい虫や森に居た蛇みたいなのが居たら、かなり危険だったと思う。
「とりあえず、近くの敵の場所まで行ってみよう」
マップはまだ暗転している場所が多いが、光点はその辺にある。
迷宮のように入り組んだ形だが、少し歩けば敵と遭遇くらいは出来るだろう。
下手に奥まで入り込まないように確認しながら移動をすると、すぐ近くにゴブリンの集団の光点に道が繋がる。
「ゴブリンが3体だ。まずはパステルが魔法で攻撃。それを確認したら俺とティアが切り込むぞ」
「解かりました。その後は下手に援護をしない方が良さそうですね」
「ああ、草原や森のように場所が広くはない。乱戦時の遠距離攻撃は控えた方が無難だろう」
狭い場所では仲間との距離が近付く。
そうなってしまうと密集した感じになってしまう為、遠距離攻撃を通す余裕がなくなる。
かと言って、近接攻撃を出来る人を増やしても通路の幅に限界があるから、どちらを増やせば良いと言う訳でもない。
魔法での先制を行って、数を減らした後に近距離で掃討するのが理想的である。
「ここに居る精霊は火と地の精霊……私とは相性が悪いですが、仕方ないですね」
パステルが魔法を詠唱する前にそう呟く。
森で戦っていた時は風と水の属性を使っている事が多かった。
ここには、その反対の属性の精霊が多いのだろう。
パステルが詠唱を開始すると、通路の奥から緑色の肌をした人型の魔物が寄ってくる。
今までは光点での確認だったが、もう目視でも見える範囲に来たようだ。
ゴブリンは緑色の肌をした魔物である。身長は大体130cmくらいの子供に見える。
皮製の質素な鎧と短めの剣や斧を持っている。
RPGなどに居るゴブリンは雑魚として有名だ。
強さよりも数で押してくる種族だった気がする。あと、エロ方面で大活躍だ。
「いきます」
そんな事を考えているとパステルは詠唱が終わったのか、俺たちに合図をしてくる。
その正面に炎の玉が生まれ、一直線にそれが飛んでいく。
ゴブリンに直接当てるのではなく、その直前の地面を狙ったようだ。
そして、地面に接した瞬間、爆音と共に炎が弾けた。
爆音と煙が周囲を満たす。
「ちょっと威力が高くないか?」
「……かもしれません」
俺とティアはパステルの前に立ち武器を構える。
いつ煙の中から飛び出してきても大丈夫なように備えている。
だが、その備えに反して全く襲ってくる気配がない。
煙が徐々に止んでいく。
そして、そこには……宝箱が1つあるだけだった。
「……もしかして、全滅したのか?」
「そうみたい」
俺とティアは構えを解いて周囲を見る。先ほどまで居たゴブリンは1体も居ない。
爆発地点にも壁にも影響が出ていないのを見る限り、迷宮でどれだけ暴れても崩落とかの危険はなさそうだ。
少なくとも俺には、この爆発以上の威力の攻撃なんて無理だ。
マップを開いて確認をすると、そこにあった光点は全て消滅していた。
どうやらこの魔法1発で全滅するほどの強さだったらしい。
この世界でもゴブリンはただの雑魚のようだ。
「それじゃ、開けてくる。近くに他のモンスターはいないけど、周囲の警戒を頼むぞ」
「了解しました」
パステルが返事を返してくるのを確認して宝箱に近寄る。
ティアは通路の正面を、パステルは後方を確認しているようだ。
俺はしゃがみ込んで鍵穴を見る。
……暗くて見えねぇ……。
明かりは天井だし、それ程強い光を放っている訳ではない。
箱の真横にはそれほど光が届いている訳でもない。
当然といえば当然である。
だからと言って宝箱の鍵穴を天井に向けるなんて事をしたら、中の罠が発動して大惨事だ。
「パステル、魔法で小さくても良いから明かりは出せないか?」
「光の精霊であれば可能ですが……ここには居ませんね。火の精霊ですと、火力が強すぎて難しいです」
「そうか……なら、この箱は諦めよう。開錠に失敗して怪我なんてしても馬鹿馬鹿しいしな」
新しい階層の装備には興味があったが、無理をしたときのリスクを考えると開けられない。
新しい装備が出るかもしれないという事は、新しい罠が仕掛けられているかも知れないという事だ。
可能性の話だが、その可能性で全滅してたら話にならない。
「楔は……いいか。すぐに羽を使って戻るぞ」
3階層に来てそれほど時間は経過していない。
そもそも1回しか戦闘をしていないのだ。階段との距離もそう離れてはいない。
そして、俺たちは羽を使って拠点へと帰還をした。
拠点に戻るといつもの大部屋に出る。
羽を使って戻ると同じ場所に出る為、そこの場所には物を置かないようにしている。
また、転移してきた人とぶつかったりしないように、そこに長居するのも禁止していた。
「それじゃ、解散しよう。こっちは明かりを探してみるよ」
「解かりました。では、私は魔法の構成を考えておきます」
「動き足りない……」
あの魔法の威力では高すぎて危険だ。パステルは、連携の邪魔をしない魔法を考えるようだ。
そのままテーブルに座ると紙を取り出して何か書いている。
ティアは出番がなかったからか、訓練所の方に歩いていった。
適度に体を動かして汗を流すのだろう。
「さてと、俺は……」
ネクに頼んでいた事は達成できたのだろうか。
生命感知ではネクを補足できないので、どこに居るのかまでは解からない。
タリスは、自分の寝室にいるようだ。いつもならコタツでゴロゴロしてそうなんだがな。
下手に刺激するのも何なので、コタツの部屋に入る。
そこには、いつもの様に裁縫をしていたネクが居た。
「あ、ネク。何か聞けたか?」
『無理だった。何か悩んでいるのは丸解かりなんだけどね。スズキが聞くしかないかも』
「……そうか」
聞くとネクは紙に書いて見せてくる。
どうやらいつも一緒に居るネクにも相談できない事らしい。
ここは主として頑張ってみるか。
今までも何だかんだで世話になってたしな。
そう考えると俺はネクとタリスの寝室へと向かった。
静かに部屋に入るとタリスはベッドの枕に顔を埋めていた。
一瞬寝ているのかと思ったが、俺が部屋に入ってきたことに気が付くとバッと顔を上げる。
「マ、マスター? 何か用事?」
「ちょっと聞きたい事があるんだ」
俺がそう聞くとタリスは俯く。
別に叱る訳ではないんだがなぁ……。
「それでタリス、何をなや……」
「あだじをずでないでぇ……」
「は?」
何を悩んでいるのか聞こうとしたら、いきなり号泣である。
かろうじて聞き取れたもの、鼻水と涙で顔が凄い事になっている。
何でこんな状態になっているのか解からないし、軽くパニックを起こしそうになる。
アレか。恋人を振るシチュエーションか!
いや、タリスと恋人って訳でもない。
あまりにも突然すぎるからか、やっぱり俺も少し混乱しているようだ。
「ちょっと、タリスさん?」
「……ヒック、うわぁぁぁぁぁ」
声をかけてもしゃくり上げるか、泣き叫ぶだけだ。
どうしろと言うのさ。
とにかく、今は何かを聞くよりも安心させるのが先だろう。
何かを言った所で聞く耳を持たない可能性が高い。
捨てる、というのは何なのか解からないが、とにかくなだめよう。
ベッドの上で泣いているタリスの横に座ると、そっと抱え込むように抱き寄せる。
同じサイズであれば肩を抱いたりするのだが、この体格差ではどうしようもない。
「大丈夫だ。そんな事はしないよ」
そう言いながら後頭部を優しく撫でる。
声をかけるが、泣き止む気配はない。
とりあえず、他に出来そうな事はないので、そのまま繰り返すように撫で続ける。
落ち着くまでそうしているしかないだろう。
俺は困ったように視線を扉の方へ向けると、扉は少し開いていた。その隙間からはネク、ティア、パステルがこちらを見ていた。
タリスの泣き声に驚いて、様子を見に来たと思われる。
だけど、恥ずかしいんだから、こっちみんな。
「落ち着いたか?」
「……うん」
どうにか話を出来る状態になった。
既に3人は扉の前にはおらず、別の場所に移動したようだ。後で説明してやらないとな。
タリスの目は赤く腫れ、抱き寄せていた俺の服は涙と鼻水で大変な事になっている。だが、今は気にしない方が良いだろう。
「それで、どうして捨てるなんて事を言い出したんだ?」
俺が聞くと、捨てる、という単語を聞いてタリスの体がビクッと跳ねる。
ちょっと言葉を選ぶべきだったか。
「掲示板を見たの。そこに、生意気な使い魔を解放するっていう話があって……」
「……そうか」
自分自身がそう言われるのではなく、他人の体験を同調、あるいは自己に投影をしてしまったのだろう。
感受性豊かなタイプの人には、他人事でもそうではなくなってしまう。
恥ずかしいけど、しっかりと言わないと駄目だな。
「タリス、恥ずかしいから1度しか言わない。しっかりと聞いてくれ」
「う、うん」
俺は出来る限り真面目な顔をしてタリスと向かい合う。
まるで告白でもするような光景なのは、きっと何かの間違いだろう。
「俺は、絶対に使い魔の解放はしない。これは、使い魔が今後増えて行っても同じ事だ」
「でも、これからあたしは戦力にならなくなってくるのよ?」
確かにフェアリーが戦闘で活躍できるのは、序盤だけと聞いた事がある。
重い防具を装備できず、攻撃を食らったら即死するようなメンバーを入れるより、他のメンバーを使った方が効率は良いだろう。
「戦力にならないから解放する、なんて事はしないよ。お前たちは、もう……俺の家族なんだ」
「家族……?」
そう……この遠く離れた、かどうかは解からないが、異界の地にて頼れる数少ない仲間。
もうそれは家族と言っても良いだろう。ずっと一緒に過ごして行きたいと思っている。
俺は家族という存在に対して、人よりも思い入れがある。やっと手に入れる事が出来た家族なんだ。絶対にもう手放したくは無い。
「で、でもあたしは酷い事を何度も言ってたし!」
「酷いとは思わないな。家族が間違えた事をすれば、叱るのは当然だろう?」
この前の事を指して言っている事は簡単に予測できた。
少なくもアレで俺は救われたんだ。行く先を見失わずに済んだ。
「俺はもうお前たちを手放すつもりはない。ずっと一緒にいてくれ」
「ますたぁ……」
そう締めくくるとタリスは俺に抱きついてくる。
アレ? 何か告白みたいになってしまった気がする。
きっと気のせいだろう。そう思うことにした。
「という事があったんだ」
「タリスだけずるい」
「そうですね」
『告白?』
あの後、タリスは疲れて寝てしまった。あれだけ泣いたのだから当然かも知れない。
とりあえず、状況を理解してもらう為に3人に報告をした。
その返答がこれである。
「いや、告白って程のものじゃないよ。それに、これはお前たち全員に言えることなんだ」
『そうかも知れないけどさ。面と向かって手放すつもりはない、なんて言ったら……ねぇ?』
ネクが文字を書いて見せてくる。最近、書くの早くなったな。
正直、ねぇ? と言われても困る。
「ご主人様、悩みがある」
「……突然どうした」
ティアがいきなり宣言するように言ってくる。
どう考えても悩んでいる素振りがない。
「私にも同じ事を言って欲しい。2人っきりで」
「ティア、それは悩みじゃないだろう……」
鼻息を荒くしながら言ってくるティアに対し、俺は呆れながら返事をする。
あの内容は何だかんだで恥ずかしい事を言っていたんだから、蒸し返して欲しくは無い。
『私は前に愛を囁いてもらったからいいや。それじゃ、部屋に戻るから』
「ちょ、ネク。それは勘違いだと言っただろ」
ネクはそれを見せるとそのまま俺の言葉を無視して部屋に歩いていく。
火種だけ置いて行きやがった……。
「ご主人様、その話も詳しく」
そう言ってティアが俺の右腕を掴む。
腕を組むとかそういう話じゃない。がっしりと腕が抜けないほど固定されている。
「そうですね。聞かせてもらいましょうか」
パステルが左腕を掴む。
苦笑しながらだし、これはノリで楽しんでるだろ。
そして俺は、2人に連行されるように寝室へと運ばれて行ったのだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「んんっ」
あれ? あたし寝ちゃったんだっけ?
自分でもいつ寝てしまったのか解からなかった。
だけど、マスターに言われた言葉は耳に残っている。あれは夢じゃない。
夕飯を食べ損ねてしまったからお腹が空いている。
ちょっとつまみ食いしても大丈夫かな?
そう考えると、隣のベッドに寝ているネクを起こさないように広間へと移動した。
箱から出てくるなんて不思議だけど、美味しいものが食べられるのなら何でもいいと思う。
あたしはこっそりパンの箱から取り出すと口に運ぶ。この柔らかいパンが好き。
「ふぅ……お腹一杯。マスターはどうしてるかな」
こんな時間だ。恐らくもう寝てしまっているだろう。
でも、ちょっと顔を覗くくらいは良いかな?
マスターの寝室の方に近付くと、部屋の中から声が聞こえる。
どうやらまだ起きているようだ。
あたしは、扉を少し開けて部屋の中を覗き込んだ。
「君の為ならッ!! 死ねるッ!!」
マスターがベッドに片足を乗せたポーズでティアに向かって言っていた。なにこれ。
「次はこちらにお願いします」
パステルが何か急かしたように言っている。
マスターはパステルの方を向くと、腕を組み。
「この豚がッ!! ベッドに座っているんじゃねぇ。床だ。石床の上に座れ」
「は、はいぃ」
マスターに言われたパステルが石の床の上に正座をする。これは一体……。
「正座じゃねぇよ!! 豚は豚らしく四つん這いになれ!」
「ぶ、ぶひぃ」
誰も頼んでいないのにパステルは豚の真似事をする。
え、えーと……。どうしよう。
「ご主人様、次はこっち」
「え? あ、はい」
四つん這いになっていたパステルに座ろうとしていたマスターが、今度はティアに急かされる。
「君はっ! 俺がっ! 守るっ!!」
マスターが変なポーズを決めながら言っていた。
見かねたあたしは、扉をそっと閉じた。
うん、あたしは今夜何も見なかった。
きっと、あたしはまだ夢の中なんだ。
そして、あたしは全てを忘れて眠る事にした。




