タリスの日記①
1日目
絵を描くのに飽きた。
ノートを何に使うかネクに聞いたら
日記でも書けと言われた。
だから書いてみる。
でも、何を書けば良いんだろう?
ネクに聞いてみたら夕飯のおかずでも書いたらどうだと言われた。
今日の夕飯は肉と野菜とパンだった。
終わり
3日目
昨日書くのを忘れてた。
今日の夕飯は肉と野菜とパン。
いつもと変わらない。
肉は良いんだけど、ちょっと飽きてきた。
4日目
今日も同じ料理。
マスターが色々なタレを作ってくれているけど
ちょっとマンネリ
そろそろ新しい料理とか食べたい
5日目
マスターにこの肉は何の肉か聞いた。
そしたらぎゅうにくと言っていた。
肉は肉だから、ぎゅう?という生物なんだろうか。
こんな素晴らしい肉を持つなんて凄い生物に違いない。
6日目
マスターが突然発狂して獣人に襲い掛かってた。
ちょっと怖い。
牢屋で説得とか言っておきながら獣人の子を嘗め回すように見てた。
そういえば、あたしの時も目が怪しかった気がする。
その子の説得に成功してティアという名前を与えてた。
名前の由来とかは言っていなかったから解からない。
マスターがその子の手を引いて寝室に行こうとしているのを見た
平和だねぇ。
8日目
昨日は幸せの中寝てしまったので書き忘れた。
マスターがティアに料理スキルを与えていた。
そのお陰で料理が格段に美味しくなった。
肉と野菜を焼くだけなんて料理なんて言えないと思う。
9日目
最近、ティアの訓練で探索が進まない。
楽を出来るのはいいけど、同じ景色ばかりはちょっと飽きる。
でも、ご飯美味しい
10日目
マスターがタブレットとかいうのとチョコレートをくれた。
チョコは凄く美味しい。
また食べたい。だけど、高いらしい。
食べたいけど欲しいなんて言えない。
でも食べたい。
12日目
書くネタがないからかなり開いてしまった。
今日から森の探索を始めた。
だけど、マスターが毒を食らって大変な事になってしまった。
マスターをどうにか説得して今は落ち着いている。
優しくて、気が弱いマスターをあたしたちは守っていかなきゃならない。
がんばろう。
13日目
マスターから過去の話を聞かれた。
過去というのは使い魔になる前、あたしたちが生きていた頃の話だ。
特に隠すような事ではないし、ちゃんと順を追ってマスターに話した。
聞くところによるとネクとティアはまだ記憶が復活していないらしい。
最初から残ってたあたしとは違うみたい。
あたしは妖精郷と呼ばれる場所で生きていた。
そこは平和で女王様の管理下の元、楽しく暮らしていた。
でも、妖精は皆好奇心旺盛だ。
その妖精郷から抜け出すなんて良くある事だった。
あたしもよく仲間と抜け出して、外の動物を魔法で狩って肉を焼いて食べてた。
妖精郷の食事は果物ばかりですぐに飽きてたから、賛同してくれる子は一杯居た。
そして、その日いつもの様に仲間と一緒に狩りに出かけると、見たことのない生物が居た。
黒い毛皮、大きな体。魔法の効かないその生物はあたしたちを襲ってきた。
1人、また1人とその生物に捕まって食べられていく。
凄く怖かった。知っている子たちが、目の前で死んでいく。
そしてあたしは、食べられている仲間達を見捨てて逃げた。
必死になって逃げた。
脳裏には、仲間達の死ぬ光景が残る。
耳には仲間達が助けを求める声が残る。
それでも必死になって逃げた。
そして、疲れ果ていつしかあたしは木の幹の近くに座っていた。
いつの間に座ったのかは解からない。
疲れ果ててもうどうでもいい気がした。
そして、あたしの体に影が落ちる。
目の前にはあの黒い生物がいた。
ああ、次はあたしの番なんだ……。
だけど、もう仲間はいない。一人ぼっちなんだ。
誰のせいでもない。あたしが見捨てたんだ。
黒い生物が乱暴にあたしの体を掴み、そのまま口まで運んでいく。
あたしは目を閉じて……そして苦痛と共に意識を失った。
もうあんな思いはしたくない。
今度は、あたしも仲間を守りたい。そう思ったんだ。
マスターにもちゃんと話していないあたしの記憶。
もう取り戻す事の出来ない、過去の記憶。
15日目
今日はいつもより長く探索をしたと思う。
凄く疲れた。
マスターがコタツというのを用意してた。
あそこに寝転がると出たくなくなる。
今日はここで寝たいと言ったら布団で寝ろと言われた。
ちょっと残念。
16日目
今日は凄くピンチになった。
一杯のエルフに囲まれて戦った。
頑張ってマスターとティアを逃がした。
かつての仲間達に胸を張って言えるかな?
あたしはもう逃げないよって。
17日目
また、マスターがヘタレた。
もっとあたし達の事を信じて欲しい。
何があってもその背中を守るんだから。
マスターがぎゅうにゅうというのを暖めて持ってきた。
またぎゅうだ。にゅうって何だろう?
白い液体みたいだけど、飲んでみると凄く甘くて美味しかった。
ぎゅうという生物はにゅうというモノも取れるらしい。
どんな生物なんだろう。
凄く気になる。
18日目
どうしよう。マスターを火傷させちゃった・・・。
大したことないって笑ってたけど凄く反省した。
罰でスキルの効果を調べたけど、頑張った。
こういう細かい事は嫌いだけど、頑張った。
頑張ったあたしを褒めてやりたい。
あたしはスキルだけ使って距離とか調べたのはネクとティアだけど。
19日目
感知スキルのお陰でエルフをあっさり倒せた。
スキルすげー。
そしてエルフを1人捕獲した。
あの時の水の巨人を使うエルフだ。
マスターが牢屋で説得? をしていたけど
なんだか獣が叫ぶような声が聞こえた。
どんな凄い事をしていたんだろ。見たかったけど怖くて見れなかった。
新しい仲間はパステルと名付けられていた。
あたしと同じ魔法主体のエルフだ。
先輩として色々と教えてあげよう。
あとシチューうまー。
20日目
マスターが皆にお小遣いをくれた。
何買うか凄く迷った。
この前のチョコレート以外にも飴? というのとか
スナック菓子? というのがあった。
全部食べたいけど1つしか買えない。
凄く悩んだ末、味を知っているチョコレートを選んだ。
この前と違って独り占めだ。
凄く幸せな時間だった。
22日目
パステルは凄い。
痒い所に手が届くようなフォローをしていた。
弓をシュって撃って皆に近づけない。
隙すら与えないフォローだった。
あたしはそんな光景を興奮しながら見てた。
あれ? あたし何もしていない?
24日目
すんごいエルフが居た。
遠い距離から撃ってくるわ、変な武器でネクが飛ばされるわで散々だった。
ネクが倒されたと思って焦ったけど、骨だったから体に当たっても致命傷にならないみたい。
回復薬を飲ませたらすぐに治ってくれた。
アンデッドに回復薬って良いのかな? 治ったからいいんだよね?
25日目
今日はボス戦。
凄く大変だった。1階の時なんて目じゃない。
でも、皆無事に帰れてよかった。
あと、らーめんうまー。
26日目
ボスの後という事で探索はなしのお休み。
タブレットでラーメンの事を聞こうかと思って掲示板を見ていた。
でも、見なきゃ良かった。
あたし・・・どうしよう・・・。




