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二周目のサイコパス(二サイ)  作者: ニキ
一章:Fafnir Re:bellion!

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4/18

サイコちゃん、降臨する

お陰様でVRの日刊二位に入りました、ありがとうございます!

『デイブr「──さてと、キャラクリか」


 何事かを喋っている妖精(ガイドNPC)を意識からシャットアウトし、パパっとアカウント連携を済ませてステータスウインドウを呼び出す。


 空欄ばかりのキャラシート。埋めなければいけないのは名前、種族、職業、スキル、ステータス配分の五項目。

 身バレを防止しろとシステムがうるさい(ウインドウが邪魔する)ので、いつも通り外見は雑に髪だけ伸ばしとく。


「今までと違う遊び方をしようとは言ったけど、流石に曲芸の権利捨てるのは無いな」


 獣人だのエルフだのある中から、自己認識のズレを嫌って種族は人間を選択。……耳とか身長下手に弄ると脳とアバターの同調率落ちるんだよねぇ。一般人らにゃ関係無いだろうけど、私みたいな曲芸履修者にとってキャラクリはプレミでしかねぇ。


 職業……職業? え、何にしよう。マジでノープランで来たから考えてなかったや。

 ソート。就職人数順。降順を昇順に。

 トップに座すのはサバイバー、次点でサモナーとテイマーが並ぶ。

 ……見事に事前のファームが必要な職が残ってるな。サバイバーは兎も角、サモナーとテイマーとか他のVRMMOなら大人気職の筈なのに。


「……まぁ、じゃあサバイバーで」


 逆張りの無職もありかと思ったが……不人気職ランキング第四位にお前を見つけた瞬間、指は第一位を選んでいた。私の職業、逆張りキモプレイヤー共に人口で負けてるってマジですか?


「ナイフと鉈があった筈だから最低限ゲームは出来るか?」


 流石の私と言えども無数にある初期職全ては一々覚えてない。

 支給品の"神"が二本なことしか思い出せないので、一応クラス内容の確認はする。


職業(クラス):サバイバー

 ステータス+補正:SP↑.AGI↑.DEX↑↑

 ステータス-補正:HP↓.STR↓.VIT↓.MND↓

 環境を活かした戦いが得意。時に環境を自ら作り、過酷な状況も有利な状況に変え、空間把握力で有利を取る。

 職業(クラス)スキル:『マッピング』『罠』『潜伏』『調合』『環境適応』『空間把握』『サバイバル』』


「ゴミ乙」


 わぁすげぇ! どうしよう全部要らん! 戦闘力に直結するものがひとつも無い! もう一旦引退しよっかな?


「えー……ポジ要素と言えば武器術も魔法も無いから転職元として優秀なくらい?」


 つまり今の私って持ち物無しのイーブイなのね、把握した。……経験値効率終わってるから取り敢えずクラス(強制習得)スキルだけ削除させてくれません?


「まぁいいや、転職すりゃどうにでもなる」


 今更私は何にキレてんの? 遊びでやってんだから適当でもええじゃろほい(職業確定)

 うーん……真面目に考えると、一応魔法取ればネクロマンサーいけるかコレ? 少なくともこれベースで他の物理職とか組める気しねぇし、軌道修正するにしてもそのラインしかなさそう。


 個人的に大っっっ嫌いな職業だからなる気なんて更々ないけど。


「スキルは……クラスがクラスだし利便性取ろう」


 このゲーム、所持スキル数に応じて成長速度変わるんよな。

 バトロワも持ち込みスキル数の制限あったり、スキル合成で圧縮する前提のゲームデザインしてるから、最初に取るスキルはどうしたって多くなりがちだ。


「『風魔法』は取る。ステも流石に『STR強化』と『AGI強化』は取って……ああサバイバーって『被弾上限』取れるの? なら流石に採用。……後は最低限の合成用のタネだけでいいか」


 終了。最後、ステータス。

 配布された分とレベル分で所持しているステータスポイントは20+2。雑にSTRとAGIに二極振りかぁ?


「でもこの職、STRにマイナス補正乗ってんだよなァ……」


 このゲームのステータスには実数値と補正値の二つがある。そして、ポイントの割り振りで上昇するのは補正値の方だ。

 要約するならダクソやエルデンに近いシステムで……例えばの話、ステータス欄に表示されるHPが0の場合、それは()()()ってだけで、実際には元となる数値……仮に1000とするが、まぁそれだけの実数値は存在する。

 この状況でHPにポイントを1振った場合実数値は100くらい伸び、そこに職業補正が掛かってれば更に20とか30とか増減するのだが……生憎と私が選んだ職業は物理系列の補正が余りにも終わってやがるぅ。かなーしみーのー♪ 向こう側へ行ける可能性がある。


「まぁ、かと言って振らない理由も無ぇ」


 一応STRに気持ち多めで割り振っといて──そんなこんなでキャラシートの完成だ。


『PN:(セイ) Lv1

 種族:人間

 職業:サバイバー

▪ステータス

 HP(体力):0

 MP(魔力):0

 SP(気力):0

 STR(筋力):12

 INT(知力):0

 VIT(耐久力):0

 MND(精神力):0

 AGI(機動力):10

 DEX(技術力):0

 ステータスポイント:0 

▪習得スキル

 職業(クラス)『マッピング』『罠』『潜伏』『調合』『環境適応』『空間把握』『サバイバル』

 魔法系統『風魔法』

 防御系統『被弾上限』

 身体系統『STR強化』『AGI強化』『視力強化』『脚力強化』『集中』『加速』『疾駆』『跳躍』

 生産系統『合成』

 特殊系統『虚空接続』『緊急召喚』』


「うん。何をされてる方なの?」


 寧ろ何もされて無い方まであるよ?

 マジで軸となるもの(エース)がねぇなこのビルド。あるのは最低限戦えるだけのフィジカルだけだし、強みというか特色が行方不明。


「何か変なのでも取るかぁ? ……そもそも職業が変だったわ」


 ……まぁ、これでいけるとこまで行ってみよう。


 唯一これにすると決めていた名前を携えいざ鎌倉(ログイン)。……名前の発想がちょっと中二病過ぎるかもしれないが、私だけにしか意味は解読できないしいいでしょ別に。



 ******(アイキャッチ)



『風魔法"エアハンマー"を習得しました』

『ゲーム発売記念プレゼントが届きました』

『アカウント連携記念プレゼントが届きました』

『チュートリアルを受けますか?』


「"いいえ"……うーわ暗っら、流石のド深夜」


 特に感慨も無く生まれた先は「ふと気が付くとそこは異世界だった!」……なんて言葉が自然と浮かぶような、現実とは掛け離れた景色が広がっていた


 そこは街だった。

 人が、居る。

 異世界という単語のイメージを簡単に思い浮かべて、その世界にそのまんま迷い込んだような街並みに、溢れかえる程の人々がそこにある。

 壊れていない道路が、捻れていない建物が、行き交う大量のアバター達がいる。

 VRだから視力もクソも無いけど、暗さも明るさも目に悪いことこの上無い。

 真っ暗闇の世界の中に、色彩の暴力があった。


 ……久々の光景だ。


「まるで正月の初詣みたいだ」


 このゲームの時間は現実とリンクしてるため、0時にログインすれば当然ゲーム世界もド深夜の0時だったりする。

 最も、バトロワはメニュー画面から行けてかつ、時間も場所もランダム生成のため、"このゲームを普通にプレイ"する限り問題にはならないのだ。

 その点を考慮して? 0時からサービス開始なのかもしれないのだが……ぶっちゃけ私にとっちゃいい迷惑。


(一旦教会には寄るとして……こうなりゃ二度寝して朝から始めた方がマシだったか?)


 散策しようにも今だと24時間営業の店しか空いてなければ、何よりも人混みが鬱陶しい!

 今更対人やるのも雑魚狩りなんてつまんねぇし、現状街でやれることが少な過ぎる。

 畢竟それは別にこの街に居る理由が無くなるわけで、こうなったらもう……


「暗いし取り敢えず森でも燃やしに行くか」


 レベリングも兼ねて、私は短絡的にそう決めた。

文字数カウントに入れたくなかったスキルの説明

大体字面通りの内容なので、読み飛ばしてもらっても結構です


『スキル・マッピング

 方向感覚に補正』

『スキル・罠

 罠の完成度と効果に補正』

『スキル・潜伏

 隠密行動に補正』

『スキル・調合

 調合の成功率と完成度に補正』

『スキル・環境適応

温度や環境、地形による影響を軽減』

『スキル・空間把握

 空間把握能力と知覚能力に補正』

『スキル・サバイバル

 様々な野外行為に補正』

『スキル・風魔法

 熟練度と行動に応じた風魔法を習得するようになる』

『スキル・被弾上限

 被ダメージが最大でも最大HPの50%になる

 ※元の被ダメージによる上限超過分の肉体ダメージは無くならない』

『スキル・集中

 集中力に補正』

『スキル・加速

 加速力に補正』

『スキル・疾駆

 瞬発力に補正』

『スキル・跳躍

 跳躍力に補正』

『スキル・視力強化

 視力が上昇』

『スキル・脚力強化

 脚力が上昇』

『スキル・STR強化

 STR補正が上昇』

『スキル・AGI強化

 AGI補正が上昇』

『スキル・合成

 MPを消費し、素材と素材を合成する

 ※完成度は材質と合成先に依存する

『スキル・虚空接続

 MPを消費し、その場で任意のアイテムボックスを開く』

『スキル・緊急召喚

 MPを消費し、任意の場所に任意のアイテムを召喚する』


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― 新着の感想 ―
さて今世界線の彼女は、どんなびっくりドッキリ超生物になるのだろうか。 ワクワクである。
旧版はRTAみたいになっていたけど今回は展開が変わるのだろうか…
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