23話晩ご飯は、ご馳走だよ
「本当にオークを倒した……」
ミルドレナが驚きの声を上げる。その目は、信じられないものを見たというようなものだ。
ミルドレナは、驚きつつも村の方に大人を呼びにいった。フーナは、倒したオークを見ていた。自分までこの場を離れればオークを他の魔物に持っていかれるかもしれない。
「結構美味いだよな、オークの肉。こりゃ今晩は御馳走だな!」
ステーキを頭で思い浮かべると、涎が出てきそうになる。
「それにしても師匠、来なかったな」
と言いながら、地面に屈む。直後に、近くの石をつかんで葉っぱの生い茂る木に向かって全力で投擲する。
「うぉぉぉぉ、危ないのじゃ!貴様、よくも石を投げてくれたなぁ!」
石に驚いた衝撃で木から足を滑らせた師匠レガレストが落ちてくる。なんとか着地した様だが、怒っている。
「おいおい、弟子のピンチに高みの見物かよ!助けて欲しかったもんだな〜」
「ふん、お主なら余裕だろうと思ったのじゃ」
と言いながらオークを見る。
「肉は分けないからな。師匠は、野菜でも食べとけ」
「ほう、ならば奪って食べるのじゃ!食べ物の恨みは怖いぞ?」
師匠は、身体の割に食いしん坊だ。一体どこに栄養が向かっているのかは不明だ。
その後、村に向かったミルドレナが村の人を連れて戻ってきた。そのまま、オークを荷車に乗せて運んでもらったのだった。
「本当に、フーナがオークを倒したのか?」
「そうだよ、父さん!師匠の教え方が良かったってわけだ。師匠、お肉どーぞ」
「ふふふ!わかっておるではないか、フーナ。うむうむ美味いなぁ」
ここぞとばかりにフーナは師匠をヨイショしておく。彼女は、肉を頬張っていた。
今回の戦いでは、レガレストは、危険になればすぐにでも手をかせる様に控えていたことも話してあるため特に怒られることもなかった。
(今回、魔法は大して使ってないからなぁ。スキルのお陰だ)
「そういえば、フーナ」
「何?父さん」
相談があると言うような感じで父が言ってくる。
「ミルドレナ様の父、辺境伯が是非ともフーナと話をしたいってことらしいぞ?」
「えっと……それって」
面倒なことにならなければ良いなと思いながら、フーナもオークの肉を頬張るのだった。




