21話出番が来るみたいだよ
「なんで、私だけ突撃させるのよ!」
「〈身体強化〉使えるんだろ?俺は使えないから死んじまうぞ」
プリプリと怒るミルドレナにスラスラとフーナは答える。自分は、遠距離から攻撃したいのだ。接近戦など勘弁してほしい。
「この意気地なし!もう良いわよ、さっさと逃げてなさいよ」
ミルドレナはオークに向かっていく。
「戦闘に向かうメンタルだけは、素晴らしいと評価したいけどな……さて、とりあえず、ファイアフラワー!」
フーナは頭上に向かって魔法で花火を打ち上げる。これは、事前に何かあった際に師匠であるレガレストに合図するためのものだ。
「私がすぐに駆けつけて助けてやるのだ!」
と言っていた。
「来ねぇじゃねーか!」
師匠は、やって来ない。あのチビは、合図に気付いていないのかもしれない。もう良いや、と思いながらオークを見据える。
「さっさと倒れなさいよぉ!」
ミルドレナは、相当に善戦している。普通に冒険者として強くなれそうだな……と思った。
だが、結果は先程と変わらない。
ミルドレナは、剣を地面に落として倒れ込む。
そして、場面は冒頭に戻った。
「こんな所にオークがいるなんて……」
ミルドレナは、勝利を諦めた様だ。師匠も来ないしついに自分の出番というわけだ。
「さすがオークだな!スキル《剛力》か、そりゃ勝てねぇわ」
鑑定を使用すると、オークの持っているスキルがわかった。
「あんた!助けるか逃げるかしなさいよ」
「俺に助けられる力があると思うか?それに逃げさせてくれるとも思えねぇな」
ミルドレナが文句を言っているが、適当に返して剣を拾う。そして、スキルを発動する。
「スキル発動《下方修正》」
スキルを発動した瞬間、時間が止まった。フーナには、そのように感じられる。
少し離れた場所ではオークが武器を振り上げている。
「さーて、弄ってやろうじゃんか!《鑑定》」
《剛力》
魔力を消費して自身の限界を超えた怪力を発揮することができる。
目の前にオークのスキルの説明が表示される。
それを見ながらフーナは、ニヤリと笑うのだった。




